睦月の桜が咲き誇る頃

 幼い頃から病気に悩まされる少女に、少年はどうしようもなく恋焦がれていた。そして、それは互いにひかれていくものになり、愛し合う。しかし、それは短い時間が決められた、非情なもの。
 愛し合うからこそ、手放し離れる。愛し合っているのに、手放し離れる。その後悔を胸に二人は離れ離れに生きていく。
 月日は流れ、少女を忘れられない少年は、様々な人の想いを受け、背中を押され、少女とともに人生を歩むことを決める。あの時交わした、桜をもう一度見るという約束をかなえるために。
 少年が少女に示す、睦月に咲かせるあの日見た桜。その桜散る中で、少女に想いを伝えるために。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,509 位 / 184,509件 現代文学 7,860 位 / 7,860件