ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

703話

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 リュフェリーで仕入れた布は大好評だった。
 グレーデンとは気温が違うので若干厚めなんだけど肌触りと色合いがいいので、みんなでワイワイ体に当てたり色を合わせたり。

「これでくつろぎやすくて動きやすい普段着を作ってほしいの」
 私は簡易ワンピースやチュニック、カーゴが良いんだけど、お義母さまは普段でもあまり寛いだ衣装は着ないので寝着?もしくは湯着かな。

 ニーナの分はマタニティな楽ちんワンピースを。
 先に出産のよていのマデリーさまやデイジーにも贈ろうね。
 
 パンツゴムが手に入ったらブラとかもどうにか出来たんだけど、まだまだ布ブラですな。

 私と違ってみんなタワワなので妊娠後期や授乳中用みたいなのもあった方が良いよね?って事で前開きブラと布パッドを提案したらマダムたちが食い付いた。

 色々大変なのであった方が良いって。実感こもってる皆さんは豊かなお胸ですこと・・・。

 貴族夫人は乳母任せだけど、出るものは出るので衣装も大変で布をドレスに挟んだりして大変なようです。
 ブラっていうワンクッションがあれば多少マシになるだろうって。

 やっぱり吸収素材が欲しいね。プルルの実でどうにか出来ないかなぁ。
 
 ちなみにお義母さまは乳母と交代で自分でもお乳あげてたらしい。
 そう言えば粉ミルクも無いんだった。
 何気に大変だよね。
 
 便利な物に溢れてた世界で生きてたから、いざってなるまで足りないって気がつかないかも。

 ニーナは乳母を雇わないけど、何かに困れば従者棟の家族で住む人の中でお手伝いしてもらうことになってるそうだ。
 
 マタニティなドレスでも足首が出せない丈って危ないなぁって思うんだけど貴族では当たり前なんだよね。
 自宅用くらいは足首出しても良いだろうに。

 ちなみに私は普段の簡易ワンピースは足首出すの許されてる。なぜなら足が遅いことと、容姿が幼いから⭐︎
 ちゃんとした場面では絶対ダメだけど。

 マダムたちもニーナの妊娠は喜んでくれて、色々必要な物やおすすめの物を教えてくれた。

 夫であるルークの奇行については辺境アルアルだって笑ってる。
 お弟子さんやお針子さんはレイドラアース各地から集まってるのでいろんなお話を聞いてるんだそうで、ホーンやリュフェリーの話もいっぱいあるんだそう。
 女性がいっぱい集まれば、殿方の話や美容の話、家族の話、地方の特殊な事情なんかは筒抜けになるって。
 恐るべしだよ。井戸端会議より濃いかも。

 あ、貴族はそれをお茶会や夜会でやってるのか。

 昔は辺境や僻地、田舎は医者や薬師なんか常駐してないから、妊婦や赤子の死亡率が高かったんだそう。出産=死みたいな時期があって、妊婦は大事にって昨今まで続く教訓みたいな感じ。
 
 んー?衛生観念とかのせいもあったと思うんだけど、出産は現代の日本でも命懸けだもの。絶対大丈夫なんて無いからね。
 妊娠中毒症とか高血圧とか色々あるらしいので大事にして欲しいよね。

「妊娠中にうざいほど嫁思いの旦那は老後も仲良く出来そうですね」
 ウザいが嫌いにならなければ。
 でも体が辛い時にウザいほど心配してくれてる旦那と「妊娠は病気じゃ無い」とかいう旦那だったらウザい方が良いね。

「旦那さまにかまってられない状態の妻を見てとった態度がそこ男の本性ですよ」
 自分を構ってもらえない、妻を子供に取られたとか感じちゃう旦那だと浮気とか他に気持ちの発散場所を求めてしまうから、そんな男はポイよーって笑ってる。

 少しの嫉妬はいいけど、行き過ぎはダメだね。浮気とかギャンブルに逃げたら一生やりそう。
 あ、結婚前から八股する男は一生浮気するね。多分千人斬りとか目指してるじゃん。アイツ今も彼女増やしてるんだろうかね。
 思い出しムカー。もう愛とか恋とか無くってもなんかイラつくよね。

「でもうちの旦那は浮気したのですよ」
「「「!!??」」」
 なんですと??耳がおっきくなっちゃう。

「私が妊娠中に娼婦に入れあげて、向こうさまはお金貰って相手をしてるだけだけど旦那は浮気でしょ」
「ああ~」
 みんなで相槌しちゃう。
「でも商売の相手だから割り切るしかなくて」
「だけどやっぱり嫌よねー」
「私に触らないでって思うの」
 ほえー。
 
 妊娠中に相手できないからアリか、妊娠中だからこそ嫌か、難しいな。

「あの、妊娠中もお相手しないとダメなものですか?」
 ニーーーナーーーー!!真顔で聞かないで。
 そこは夫婦二人で話し合って。

「あらぁ、ルークは浮気はしないでしょ、相手をするかどうかはお話し合いよぉ」
「子を心配してできない殿方も多いのですよ」
 
 なるほど?

「逆に子が生まれたらもう外で済ませてきてって夫人もいらしゃるのよ」
 なんと。それは切ない。
 でも政略結婚とかならそんなものかな。

 なんかとてもディープな会話をしながら、ドレスのデザインとか決めて行ったよ。





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