とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ

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18巻

18-1

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 1


 今日も自分は、VRMMO「ワンモア・フリーライフ・オンライン」の世界に「アース」としてログイン。魔王領を大寒波から守るため、今日は色々と頑張がんばらないと。
 まずは、まき作りに同行してくれるギルド『ブルーカラー』のメンバー、レイジとコーンポタージュとフォルカウスの街で合流し、挨拶を交わす。頭の上にはいつも通りアクアを乗せて。

「じゃあ、今日はよろしく」
「まずは木材の切り出しだったか? この辺のモンスターならば俺とコーンポタージュだけで十分対処できるから、そっちは安心して動いてくれ」

 と、レイジの頼もしいお言葉。まあ、盾役としていつも『ブルーカラー』の最前線に立つ彼の実力をもってすれば、この辺りのモンスターなど相手にもならないことは自分もよく理解している。更にサポートとして魔法使いのコーンポタージュまで同行しているのだから、危険は一切ないな。モンスターに絡まれても、この二人に任せっきりでいいだろう。

「レイ君と私がモンスターを受け持つから、アース君は生産のほうをよろしくね。うーん、私も何か一つか二つぐらい生産系のスキルを覚えようかなぁ? でもそうすると成長限界が低くなっちゃうんだよね……」

 そうなんだよな。コーンポタージュの言う通り、手広くやろうとすると成長限界が低くなってしまうというのが、「ワンモア」における決まり事の一つ。この制限があるおかげで、一人で何でもできる完璧なプレイヤーは存在しない。その一方で、こちらの世界の住人の中には、何でもこなせるスーパーなお方がまれにいるらしい。

「よっぽどの事態でない限り、今日は自分は戦闘に参加しないつもりなので、お二人には頑張ってもらうことになります。とりあえず、木材の切り出しができる場所に向かいましょうか」

 早速、自分を先頭にして三人で行動を開始する。
 街から出ると、時々こちらを見つけたモンスターが襲い掛かってくるが……レイジの持つ片手斧のさびとなるだけであった。自分はもちろん、コーンポタージュの出番すらほとんどない。大雪の間宿屋に閉じ込められていた鬱憤うっぷんを晴らすがごとく、レイジは斧を振り回してモンスターをブッ飛ばしていく。

「強い人と一緒だと楽ができていいな……じゃ、ここらの木を数本切り倒していくから、その間の護衛をよろしく」
「ああ、任せてくれ」

 レイジとそうやり取りをしてから、頭に乗っていたアクアには地面に降りてもらい、自分は木こり用の斧を取り出して伐採を開始。念のためログイン前にも一度、掲示板などで確認しておいたところ、ここの木材の価値が急に上がったということはないようだ。相変わらず、主に龍の国産が良質な木材として扱われているようで……
 あとは、この前『ブルーカラー』のメンバーと行った、植物メインのダンジョンにたまに生えている巨木が当たりだとか何とか。こっちは自分で実際に目にしたわけではないので、本当に良質なのかどうかは不明だが。

「倒れるぞー、注意してくれよー」

 もちろんレイジたちのいる方向に倒れないように注意はしているが、それでも絶対に声はかけるべきだ。味方が倒れる木の下敷きになるなんてことは避けなきゃだからなぁ。
 幸い、伐採中にモンスターに襲われることもなく、数本分の木材を確保できた。とりあえず今日は様子見だから、この程度でいいだろう。

「この一本で最後にするから、もうちょっとだけ周囲の警戒をよろしくー」
「りょーかいだよー」

 自分でも《危険察知》を使って注意を払っているにしても、やはり作業中は注意力が落ちる。他の人の目視による警戒があったほうがありがたい。
 そうして、最後の一本も無事に伐採が完了。大雑把に処理を施したらアイテムボックスの中へ。
 とりあえずこんなものか。実は、前日に龍の国に飛んで用意したもみがら稲藁いなわらで、アイテムボックスの中身がいっぱいいっぱいだったりする。

「おまたせ、とりあえずこれで材料は確保できた。次はいよいよ炭を作るために、場所を変えるよー」
「おう、了解」
「はーい、それじゃいこっか」

 二人に声をかけて移動開始。
 ある程度南下して、地面が雪に覆われていないところに行かないといけない。火を使うので、雪の上でやったらべちゃべちゃになる。それでは炭作りなんて成功するわけがない。
 しばらくして、ようやく良さそうな場所を見つけることができた。さあて、ここからは自分が頑張らないとな。

「この辺が良さそうなんで、そろそろ作業を始めるよ。悪いけど、また周囲の様子を見ていてほしい」
「ああ、任せとけ」

 レイジに心強い返事をもらい、炭作りにとりかかっていく。
 まずは地面に籾殻を丸く平らに敷く。このとき、量はケチらず、それなりに。その中央には、稲藁を束ねて立てておく。この稲藁が導火線代わりとなる。
 お次に、敷いた籾殻の上に細く切った木を数本、カタカナのロの字を描くように横倒しで配置する。この木が蒸し焼きの燃料となるので、忘れてはいけない。
 続いて、上からたっぷり籾殻を振りかける。その際、全体が台形になるようにする。
 それから、炭にする木材をこの台形にした籾殻の上に置いていく。ちゃんと熱が通るよう、木材同士は隙間を空けておかなければいけない。
 木材を敷き詰め終わったら、もう一度籾殻を振りかけてからまたその上にも炭にする木材を置いていき、更に籾殻を振りかける。
 これで、横から見ると、籾殻の小山の上から大体三分の一と三分の二に当たる部分に、炭にする木材が仕込まれていることになる。
 あとは、籾殻の小山の頂上を少し掘って中央に立てて置いておいた稲藁の先端が見えるようにしたら、準備は完了。稲藁の先に火をつけて、炎上しないようにだけ気を配りながら、ゆっくりと蒸し焼きにすればいい。こうして熱を加えられども燃え上がることなく不完全燃焼した木材が炭となる、という寸法だ。

「──本当にかまを使わないんだな。俺も軽くネットで調べてみたら、炭を作るにはそれなりの設備が必要だと分かって、難しいと思っていたんだが……」

 警戒しつつも自分の作業を見ていたレイジから、そんな言葉が漏れた。
 うん、それも間違っていない。確かに窯を使う作り方が普通だ。

「これは、自分のじいちゃんが、炭が急遽必要になったときにやってた手段でね。小山にした籾殻の中でじっくりと木を蒸し焼きにすることで、窯と同じような環境を作るんだ」

 ホントにもう、この簡素な炭作りの方法を使う日が来るとは思わなかったよ。

「もちろん窯で作るより量も質も下がるんだろうけど、今は窯を一から作っている暇はないからね……ひとまずこの方法が『ワンモア』でも通じるか試したんだ。おそらく魔王領のほうでも今必死に炭を作っているはずだから……その炭が出来上がるまでの時間稼ぎになればいいかな」

 稲藁が静かに燃えて、その姿は籾殻の小山の中に消えていく。籾殻が燃え上がらず、ゆっくりと灰になっていけば成功だ。逆に、火が出てしまったら失敗、木材は炭ではなくただの灰になってしまう。

「なんかこう、予想していたのと全然違うね……本当にこんなので炭が出来るの?」

 コーンポタージュが不安になるのも無理はない。自分だって、実際に爺ちゃんが作るのを見ていなければ信じられないし。
 ちなみに現実だと、籾殻が全部炭になるまで数時間を要した。しかも完成にはそこから更に一日放置しておく必要があるんだが……

「お、アース。ツヴァイたちが来たぞ」

 レイジが場所を連絡してくれたんだろう。やってきたツヴァイの後ろには、いつものメンバーに加えて、初見の人たちが十人ほどいた。ちなみに男性が二、女性が八の割合だ。

「アース、調子はどうだ……ってそんなに早くポンポン出来るわけないか。とりあえず、うちのギルドの中でも生産にけているメンバーの中から今日都合がついた奴だけ連れてきた。炭作りの方法を教えてもらえれば、十分な仕事ができるはずだぜ」

 ここで職人さんが合流か。さて、どう説明したものか──

「アース、ちょっと来てくれ!」

 突然レイジが大声を上げたので、そちらに急行。レイジが指さした先には、徐々に灰になっていく籾殻の小山があった。
 やっぱり。ゲーム故に、リアルだと数時間かかることもここまで短縮されるんだな……そういう設定になっていてくれて助かった。さすがに一昼夜待つのはきつい。

「大丈夫、これで良いんだ。とりあえず、このまま籾殻の小山が全部灰になって冷め切るまでは放置だ」

 自分の返事を聞いたレイジは、「そうか、ならいいんだ」と落ち着きを取り戻した。
 さて、上手い説明方法が考えつかないから、実際にやって見せるかな。そう思い、アイテムボックスの中から、大量に買い込んできた籾殻と稲藁をほぼほぼ出してしまう。

「おいおい、あれなんだ?」
「稲藁……? 何に使うのでしょう?」

 なんて声も聞こえてくるが、まあ変わった方法だし、手順を知らなきゃ予想だってできないもんな。
 そんな彼らの前で、さっきやったのと同じ手順で、中に木を仕込んだ籾殻の小山を作り、あとは稲藁に火をつけるだけというところまで見せる。

「と、こんな感じで木を蒸し焼きにできる状態を作ります。大事なのは、火を出さずにゆっくりと籾殻を灰にしていく点ですかね……で、あそこの灰の小山が、さっき同じ方法を試したものです。上手くいっていれば、中に仕込んだ木が炭になっているはずです」

 リアルとは必要とする時間とかが全く違うので、自信があるわけではない。全部が成功とはいかなくても、せめて半分ぐらいは炭になっていてくれるとありがたいんだが……窯を使う方法は知らないし、資材もない。この方法が通じてくれることを祈るのみだ。
 多くの人が見守る中で、籾殻の小山から完全に熱が引いた。恐る恐る灰をかき分けて、中に配置した木を発見。ゆっくりと掴み取る。
 製作評価が低くてもいいから、これで炭になっていてくれれば助かるのだが。
 果たしてその結果は――



【炭】

 着火すれば魔力を用いずとも長く熱を発し、加えて大きく燃え上がることもない安全性から、
 魔王領では昔から暖を取るために使われてきた。
 これにとって代わる品は未だ見つかっておらず、魔王領に住む者にとって炭を切らすことは
 死活問題のため、需要は絶えず存在している。
 製作評価:3



 よし、成功した! 喜びよりも安堵の感情が自分を包む。作ろうと言い出しておいて、失敗しました、ではあまりにも格好がつかないもんな。
 灰の中から次々と木材を取り出してみるが、大半が製作評価3で、たまに4が混ざる程度だが、仕込んだ木材の全てが炭になっていたという事実が大きい。
 これで、この方法でも炭を作り上げることができると分かった。つまり、魔王領を悩ます炭不足問題に歯止めをかけられる可能性が生まれたのだ。

「ど、どうだったんだ?」

 心配そうに問いかけてきたレイジに、炭となった木材を一本投げて渡す。
 それを受け取ったレイジは無事に炭が出来上がったことを確認すると、コーンポタージュにも見せて頷き合ってから、自分に向けて親指をグッと立てた。

「よし……アースの方法で炭が作れることは、最初から最後まで見ていた俺とコーンポタージュが保証する。職人チームは、早速アースから教わった方法で炭作りを始めてくれ。もしモンスターがやってきた場合は、俺たち戦えるメンバーが全力で排除する。心配しなくていいぞ!」

 レイジの言葉に『ブルーカラー』の職人さんたちが一斉に頷き、自分が用意しておいた木や籾殻で次々と小山を作り始める。
 手順は単純なので、このまま上手くいってくれると思ったのだが……


「ひ、火が強くなりすぎて燃えちゃってる!!」
「こっちも、全部普通に燃えてしまっている!」

 と、籾殻の小山が着火直後に轟轟ごうごうと燃え上がってしまい、全体の四割ほどが灰になってしまった。更に……

「ダメだ、炭になってない……」
「こっちも、ただのすすけた木材だ……ゴミになってしまったぞ」

 静かに灰になった小山でも、肝心の木材が炭にならなかったケースが大半。結局、自分が作った小山以外は全滅してしまった……

「なぜだ? アースさんの小山と俺たちの小山のどこが違う?」
「同じように作ったはずなのに……」

 職人チームの皆さんはそんな疑問に頭を抱えている。
 自分が見た限り、確かに作り方に間違いはなかった。なのになぜこんな差が出るんだろうか? 職人さんたちのほうが生産関連のスキルレベルは高いはずなので、自分が失敗して職人さんたちが成功する、ということだったならば納得がいくのだが……

「ちょっといいかな? アースさんの生産スキルって何があります? レベルとか細かい点はいいので、系統だけ教えてもらえませんか? 〈鍛冶〉とか、〈料理〉とか」

 ──そうか、その可能性があったか。
 自分にあって職人さんたちにはないスキルがあって、それが結果に影響したのかもしれない。
 自分の持っている生産系統のスキルは、〈木工〉〈鍛冶〉〈料理〉〈薬剤〉だな。そのことを伝えると……

「私、〈料理〉がない」
「俺は〈木工〉と〈薬剤〉がないな。もっぱら〈鍛冶〉担当だったし」
「あたしは〈料理〉と〈鍛冶〉がないね」
「〈料理〉以外持ってない……」
「ギルドの職人同士で生産に必要な加工材料のやり取りができたから、各々取得するスキルを絞ってそれに集中することに成功したけど……こんなところにその弊害が出ちゃったみたいね」

 あれま。まさかこの方法で炭を作ろうとすると、広く浅くでいいから生産関連のスキルを複数修めていないといけないのか?
〈木工〉はまあ分かる、炭作りは木を使うからね。〈鍛冶〉もまあ、火を扱うって点で必要なのかもしれないな。こじつけに近いけど。〈料理〉は、木を蒸し焼きにするからか? 食べ物の製作じゃなくても応用が利く可能性があったのか。一番分からないのが〈薬剤〉だが……何らかの反応を起こすために必要なのかもな。

「つまり、自分が持っている四種類の生産スキルを身に付けていないと、他のスキルのレベルが高くてもこの方法はダメという可能性が……?」

 自分の呟きに、職人さんたちが一斉に頷く。
 同じようにやって、自分だけが成功して他が全員失敗となれば、確かにその線が一番有力なのかもしれない。そうすると、どうすべきか……
 いや、待てよ? 今までこの世界で、一から十まで一人で材料を揃えて加工して作らなきゃ品物ができない、なんてことがあったか? 自分の弓のときだって、弦なんかは他の職人さんの作った材料を使用した。となると、今回の炭作りにもその法則が適用されるのではないだろうか?

「ちょっと聞いてほしい。やれそうな方法を思いついたんだけど、試してみないか?」

 つまり、籾殻の小山を作るのは〈木工〉スキルを持った人が。火をつけるのは〈鍛冶〉持ち、経過を見守るのは〈料理〉持ち、最後に灰の中から取り出すのを〈薬剤〉持ちがやる――例えばこんな風に、職人さんたちに役割分担させるのだ。
 正直〈薬剤〉の位置はよく分からないものの、最後の仕上げに何らかの要素が絡むのでは、とアタリをつけて、この立ち位置にしてある。そんな風にトライ&エラーが必要になるだろうが、自分一人しかこの方法を使えないのでは生産性が悪すぎて話にならないから、とにかく試してみるべきだ。

「――そうね、そもそも生産は色々挑戦して物を作り上げるんだものね。何回かやってみましょう」

 女性職人さんのこのひと言で、分業制を試してみることが決定。その後も数回の失敗こそあったが──〈木工〉職人が籾殻の小山を組み立て、〈鍛冶〉職人が火をつけて籾殻が全て灰になるまで見守り、〈料理〉と〈薬剤〉職人さんが炭を取り出す、という形にすると、失敗せずに作れるようになった。
 それぞれのスキルがどう関わっているのかは想像するしかないが……肝心なことは、炭を失敗せずに作り出せるようになったという一点だけだ。

「出来たぞ、評価5の炭だ!」
「評価4だけど、こっちも完成よ!」

 そんな声があちこちから上がる。作り方が安定すれば、スキルレベルも含めて自分などよりよほど腕のある職人さんチームは、製作評価値がそこそこ高い炭を量産できるようになった。
 途中で木材が足りなくなったので、何回か〈木工〉スキル持ちの職人さんたちに切り出しに向かってもらった。もちろんツヴァイをはじめとした護衛付きで。
 更にツヴァイが『ブルーカラー』のメンバーに指示を飛ばし、龍の国から籾殻と稲藁を追加調達し始めた。この場所に届けられるのは明日になるが、今日のところは自分が用意しておいた分で何とかまかなえる。

「これだけ炭があれば、少しは状況を良くすることができるでしょうか」

 自分と『ブルーカラー』の職人さんたちが次々と作り上げていく炭の山を見つめて、カザミネがそう漏らした。

「そうだとよかったんだが、状況はもっと悪くなってるようだ。アース、ちょっと手を止めてこれを見てくれ!」

 ツヴァイに呼ばれた自分は、いったん炭作りを職人さんたちに任せて持ち場を離れる。何か問題があったのだろうか?

「ツヴァイ、何があった?」

 自分の問いかけに対して、ツヴァイはプレイヤー同士の情報交換の場となっているある掲示板を、こちらにも見えるように表示させた。

「なるほど……これは荒れそうだ」

 急いでその内容に目を走らせると、こんなことが書かれていた――
 いくつかのギルドがダンジョン探索のために無理やり炭を買い集めていた影響で、街に住む魔族の皆さんに行き渡らなくなり、暖を取るのが困難化。そのため、全ての店はいったんプレイヤーへの販売を停止して、魔族の人たちを優先する形に切り替えたらしい。
 掲示板にはそういった情報の他にも、店に脅しをかけたりして炭を買い占めていたギルドへの怒りのコメントや、それへの反論、そもそもこんな状況を作る運営が悪い……などといった声が上がっており、書き込みが進むごとに物々しい雰囲気になっていた。

「これは、尚更この炭作りに力を入れなきゃマズいな……プレイヤーは炭がなくても冒険できない程度だからまだいいが、魔族の皆さんの中に凍死者が出たりしたら、両者の間で争いが起きかねない。そうなったら魔王領での冒険どころじゃないぞ……」

「ワンモア」の世界ではどんなことであれ、想像できることは現実になり得る。今まで発生しなかったから、という理由で今後も発生しないと断言できることは、何一つないのだ。
「ワンモア」ではプレイヤーがプレイヤーを無差別に襲う行為、いわゆるプレイヤーキラー行為は不可能である。しかし、プレイヤーが「ワンモア」世界の住人を襲ったり、また逆に「ワンモア」世界の住人からプレイヤーが襲われたりすることは普通に起きている。実際、自分も「ワンモア」の住人である悪党を斬っているし、ツヴァイのように魔剣目当てに襲われた例もあるからな。
 そして、より大きな単位での争い、つまり一国の住人全員&その国を支援するプレイヤーVSプレイヤー、という構図の戦争も十分に起こり得る。

「ゲヘナクロスのときのような事態は御免だぜ……そのためにも、申し訳ないがアースたちには頑張ってもらうことになるな……出来上がった炭は俺たちが必ず無事届けるからよ、頼むぜ」

 事態は予想より深刻化しているな……よし、今日ログアウトする前に、あいつらの手を借りることにしようか。


【スキル一覧】

風迅狩弓ふうじんかりゆみ〉Lv50(The Limit!) 〈砕蹴さいしゅう(エルフ流・限定師範代候補)〉Lv42 〈百里眼ひゃくりがん〉Lv38 〈技量の指〉Lv55 〈小盾〉Lv42 〈蛇剣武術身体能力強化〉Lv3 〈ダーク・スラッシャー〉Lv3 〈義賊頭ぎぞくがしら〉Lv47 〈隠蔽いんぺい・改〉Lv7 〈妖精招来〉Lv18(強制習得・昇格・控えスキルへの移動不可能)

 追加能力スキル
黄龍変身こうりゅうへんしん〉Lv13 〈偶像の魔王〉Lv1
 控えスキル
〈木工の経験者〉Lv13 〈上級薬剤〉Lv47 〈釣り〉(LOST!) 〈料理の経験者〉Lv27 〈鍛冶の経験者〉Lv31 〈人魚泳法〉Lv10
 ExP27
 称号:妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 ドラゴンと龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル 悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人 魔王の代理人 人族半分辞めました 闇の盟友 魔王領の知られざる救世主 無謀者 魔王の真実を知る魔王外の存在 天を穿うがつ者
 プレイヤーからの二つ名:妖精王候補(妬) 戦場の料理人
 強化を行ったアーツ:《ソニックハウンドアローLv5》




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