この恋は狂暴です

三三

文字の大きさ
32 / 62
この恋は狂暴です 32〈乃野side〉

この恋は狂暴です 32〈薫side〉+〈乃野side〉

しおりを挟む
《薫side》

はあ?2年も?  って、え?
それっておかしくね?

俺に告る前から彼氏がいた。しかも、伯子夜の・・

―――――― っつ!!!!
もしかしてっ!!
もともと、美和って奴のねらいって
俺でも、大紀くんでもなく、

そのバック!
LALIELとスカルドールの潰しあいかっ?

大紀くんはわかる、でもなんで俺?
「たぶん、薫がLALIELとスカドルの潰し、ジャマしたからじゃね?」 
桃がたぶん同じ事を考えてたのだろう、そう言った。

「あ、ああ・・そっか。 なるほどねぇ ・・・ ちっ!あの女っ!!」
「2大勢力潰させようとするくらいだから、もしかして相田の彼氏って伯子夜の幹部?」 桃の言葉にななちゃんは、
「う――――――んっ ・・どうだったかなぁ」 と首を傾げる。

「大紀くんに聞いてみるか。」 俺はスマホを取り出して、大紀くんにかけた。

~~~♪~~~~~~♪~~♪ ブツッ!
「は?切りやがったっ?大紀くん!」
するとすぐに、 ~~~~♪~~♪~~~ 俺のスマホが鳴る。  ピッ。

「もし~大紀くん?」  「お――っ!薫、悪ィ!電話取ろうとしたら切っちまったっ、悪ィ悪ィ。」

「ふ――ん。泉に切られたんじゃなく?」 俺の問いかけに、
「うっ!なんでバレたっ?おめースゲーなっつ!!」

はぁ。 「まだ、会議室にいたんすか?タフっすね。」
「当たり前でしょ!私が相手なんだから♪」 いきなり泉が横からしゃべってきた。

「はいはい。お楽しみのところ悪いんですけど、伯子夜の事、ちょっと教えて。」

俺が伯子夜の名前を出すと、二人して 「あ?」 と声をあげた。




《乃野side》


なんか、 

・・なんかすごく話が大きくなってる気がする。

ううん、 なってるんじゃなくて、もともとこんな大きな事が仕組まれてたんだ。
その伯子夜の彼と美和の手によって。

美和は平気なのかな。 泉や大ちゃん、薫や私、ななちゃんまでも。
すべて敵にまわす様なことして。
薫は何か険しい顔をして、大ちゃんと電話で話してる。
桃も隣で聞いているみたい。

ななちゃんは、 「っつ?!え?」 ななちゃんっ?
私のすぐ真横にいる?いつのまに?

「乃野さん、大丈夫?」 そんな言葉をかけてくれた。

「うっ、っ ・・うん。 」私は泣きそうになるのをグッと我慢して笑顔を見せる。
すると、ななちゃんは
「はぁ―っ良かった――っ♪ずっと俯いているから心配しちゃったよっ。」と笑った。

「あっと ・・ ごめん。」
「ぷっ!ホント乃野さんイメージ違うッ!!マジかわいい♪」
「え?」
「私、今までの分、ううん、それ以上に乃野さんに協力するから何でも言って!」
ななちゃんはそう言うとガシッと両手を握りしめてきた。

なんか ・・ 嬉し。こんな事、高校に入ってから初めて。
去年は、話とかしててもまだ深くは仲良くなれる友達いなかったし、それに何かと美和が、周りの子たちとの距離をつくってて・・ 今思うと、最初から 
・・ 全部 ・・・っ、

「―――― っつ!!」
私はななちゃんの手を握り返し、
「ななちゃん、ありがとっ!」 そう言って笑った。

そう!いつまでもくじけてなんていられない!
私も闘う! もう守ってもらってばかりは嫌!

本来、泉と同様、昔から暴れまくってたんだ、私は弱くはない。 
ただ、気持ちで負けてただけ。

美和、私だけじゃなく私の大事な人たちを苦しめた罪は大きいよ。

私の顔つきが変わった。
桃はそれに気付いて、ヤベぇなって顔してる。
薫もその変化に気付いたらしく 、ふっと微笑んで、
「今、ココに大紀くんたちが向かってる。」 と言った。


私は負けない!




《薫side》


乃野の顔つきが変わった。 ふ。いい顔してるじゃん。
また惚れ直しちゃったかも(笑)

あの泉とタッグ組んでたくらいだから、乃野もかなりの戦歴はあるハズ。
でも、油断はできない、あっちもなかなかの策士だからな。


ゼッテー、乃野には指一本触れさせねぇ!



俺が、守る!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

課長と私のほのぼの婚

藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。 舘林陽一35歳。 仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。 ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。 ※他サイトにも投稿。 ※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。

傷痕~想い出に変わるまで~

櫻井音衣
恋愛
あの人との未来を手放したのはもうずっと前。 私たちは確かに愛し合っていたはずなのに いつの頃からか 視線の先にあるものが違い始めた。 だからさよなら。 私の愛した人。 今もまだ私は あなたと過ごした幸せだった日々と あなたを傷付け裏切られた日の 悲しみの狭間でさまよっている。 篠宮 瑞希は32歳バツイチ独身。 勝山 光との 5年間の結婚生活に終止符を打って5年。 同じくバツイチ独身の同期 門倉 凌平 32歳。 3年間の結婚生活に終止符を打って3年。 なぜ離婚したのか。 あの時どうすれば離婚を回避できたのか。 『禊』と称して 後悔と反省を繰り返す二人に 本当の幸せは訪れるのか? ~その傷痕が癒える頃には すべてが想い出に変わっているだろう~

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

処理中です...