35 / 62
この恋は狂暴です 35〈乃野side〉
この恋は狂暴です 35〈乃野side〉
しおりを挟む
《乃野side》
「ひぃや――――――――――――っつ!!」
ばかばか!なにが安全運転よっつ! 死ぬッ!死ぬっ!!
「乃野、目ぇ、つぶんな!開けてみろ!」 薫の声が聞こえた。
恐る恐る目を開けると、周りの景色が流れている。
草も木々も光までも ・ ・ ・
「キレイ」 つい、そんな言葉が出た。
風の音とメットで塞がれているのとで、薫には聞こえなかったみたいだけど、私は薫の腰に回した手を、少し緩めて、またしがみついた。
それに気付いたのか、薫は私の回した手を上から包み込んだ。
ん?手??って、
か、
薫っ!片手運転っ?!
「きゃ―――――――っつ!!やっぱり怖い~~~~っ!!」
そんなこんなで、ウチの近くのコンビニまでたどり着いた。
「あはははははは♪乃野、ビビりすぎっ♪」 腹をかかえて笑う薫。
「はぁはぁ、だってっ!バイクなんて原付しか乗ったコトないしっ! それに!全然安全運転じゃないんだもんっ!!」
「え?俺、事故ったりしたコトねぇよ?」
「だから~~~そーゆうー ・・ 」 しゃべりかけて、私は一瞬、言葉を失った。
薫がバイクに少しもたれかかって、笑う姿が、あまりにもサマになってて
う/// 見とれてしまったっ。
「あれ、薫くんじゃない?」 「え?どこどこ~♪」
「わっ!ホントだっ!あいかわらずカッコいい~♪」
その声に振り向くと、5人くらいのギャル系の女の子達が薫を見て騒いでる。
はぁ~ どこ行っても目立つんだな薫は。
ため息をついてると、ギャル系の女の子達が近寄って来た。
「薫く~ん♪LALIELにもどったの?」 「LALIELの頃からファンだったのー♪」 「私も私も♪」
この子達、薫の悪い時代を知っている。
すると、その中の1人が私に気付き、 「え?もしかして彼女?」
「まさか、薫くんの彼女って、アノ人でしょ?」 ・・と言った。
――――――― え?
な、なに?誰?
彼女って? アノ人って?
今まで、薫の彼女なんて聞いたことないのに。
パッと薫の方を向くと、 ――― え?薫の顔が歪んでる?
「お前ら、ウザイ。どっか行けっ!」
薫が履き捨てるように言い、
「こいつ俺の彼女だよ。」 と続けた。
「えっつ?ウソ!」「え、じゃ、アノ人と別れたのっ??」
皆、ビックリした顔をして口走った。
また
アノ人って ・・
「散れっ!」 薫の低い声と睨みのせいで、その子達は去っていった。
「・・」
薫は私と目を合わせようとしない。
どうして? アノ人って ・・・ 誰なの?薫。
「ちっ!あいつら余計な事、ベラベラとっ、」 薫はそれだけ言うと、私の手を取り歩き出す。
私は耐え切れなくて
「か、薫、 あの ・・」 と切り出した。
「お前が心配するような事じゃないから。」 私の声を遮るように薫は言い、そのまま家の前まで送ってくれた。
「明日の朝も向かえにくるから、待ってろよ。」 それだけ言って、薫はニッコリ笑うと元きた道を帰っていった。
ボスッ!
私は部屋に入るとクッションを投げつけた!!
「なによっ!だれよっ!アノ人ってっつ!!なんで、何にも言ってくれないのっ?!ばか薫っ!!」
ボスッ! ボスッ!!
ボ ・・・スッ・・
―――――― それに、薫のあの表情。
女の人のことで、あんな顔する薫なんて ・・ 初めて見た。
なんか
せっかく薫と一つになれた日なのに
・・ 最悪。
「ひぃや――――――――――――っつ!!」
ばかばか!なにが安全運転よっつ! 死ぬッ!死ぬっ!!
「乃野、目ぇ、つぶんな!開けてみろ!」 薫の声が聞こえた。
恐る恐る目を開けると、周りの景色が流れている。
草も木々も光までも ・ ・ ・
「キレイ」 つい、そんな言葉が出た。
風の音とメットで塞がれているのとで、薫には聞こえなかったみたいだけど、私は薫の腰に回した手を、少し緩めて、またしがみついた。
それに気付いたのか、薫は私の回した手を上から包み込んだ。
ん?手??って、
か、
薫っ!片手運転っ?!
「きゃ―――――――っつ!!やっぱり怖い~~~~っ!!」
そんなこんなで、ウチの近くのコンビニまでたどり着いた。
「あはははははは♪乃野、ビビりすぎっ♪」 腹をかかえて笑う薫。
「はぁはぁ、だってっ!バイクなんて原付しか乗ったコトないしっ! それに!全然安全運転じゃないんだもんっ!!」
「え?俺、事故ったりしたコトねぇよ?」
「だから~~~そーゆうー ・・ 」 しゃべりかけて、私は一瞬、言葉を失った。
薫がバイクに少しもたれかかって、笑う姿が、あまりにもサマになってて
う/// 見とれてしまったっ。
「あれ、薫くんじゃない?」 「え?どこどこ~♪」
「わっ!ホントだっ!あいかわらずカッコいい~♪」
その声に振り向くと、5人くらいのギャル系の女の子達が薫を見て騒いでる。
はぁ~ どこ行っても目立つんだな薫は。
ため息をついてると、ギャル系の女の子達が近寄って来た。
「薫く~ん♪LALIELにもどったの?」 「LALIELの頃からファンだったのー♪」 「私も私も♪」
この子達、薫の悪い時代を知っている。
すると、その中の1人が私に気付き、 「え?もしかして彼女?」
「まさか、薫くんの彼女って、アノ人でしょ?」 ・・と言った。
――――――― え?
な、なに?誰?
彼女って? アノ人って?
今まで、薫の彼女なんて聞いたことないのに。
パッと薫の方を向くと、 ――― え?薫の顔が歪んでる?
「お前ら、ウザイ。どっか行けっ!」
薫が履き捨てるように言い、
「こいつ俺の彼女だよ。」 と続けた。
「えっつ?ウソ!」「え、じゃ、アノ人と別れたのっ??」
皆、ビックリした顔をして口走った。
また
アノ人って ・・
「散れっ!」 薫の低い声と睨みのせいで、その子達は去っていった。
「・・」
薫は私と目を合わせようとしない。
どうして? アノ人って ・・・ 誰なの?薫。
「ちっ!あいつら余計な事、ベラベラとっ、」 薫はそれだけ言うと、私の手を取り歩き出す。
私は耐え切れなくて
「か、薫、 あの ・・」 と切り出した。
「お前が心配するような事じゃないから。」 私の声を遮るように薫は言い、そのまま家の前まで送ってくれた。
「明日の朝も向かえにくるから、待ってろよ。」 それだけ言って、薫はニッコリ笑うと元きた道を帰っていった。
ボスッ!
私は部屋に入るとクッションを投げつけた!!
「なによっ!だれよっ!アノ人ってっつ!!なんで、何にも言ってくれないのっ?!ばか薫っ!!」
ボスッ! ボスッ!!
ボ ・・・スッ・・
―――――― それに、薫のあの表情。
女の人のことで、あんな顔する薫なんて ・・ 初めて見た。
なんか
せっかく薫と一つになれた日なのに
・・ 最悪。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
傷痕~想い出に変わるまで~
櫻井音衣
恋愛
あの人との未来を手放したのはもうずっと前。
私たちは確かに愛し合っていたはずなのに
いつの頃からか
視線の先にあるものが違い始めた。
だからさよなら。
私の愛した人。
今もまだ私は
あなたと過ごした幸せだった日々と
あなたを傷付け裏切られた日の
悲しみの狭間でさまよっている。
篠宮 瑞希は32歳バツイチ独身。
勝山 光との
5年間の結婚生活に終止符を打って5年。
同じくバツイチ独身の同期
門倉 凌平 32歳。
3年間の結婚生活に終止符を打って3年。
なぜ離婚したのか。
あの時どうすれば離婚を回避できたのか。
『禊』と称して
後悔と反省を繰り返す二人に
本当の幸せは訪れるのか?
~その傷痕が癒える頃には
すべてが想い出に変わっているだろう~
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる