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身代わり花嫁
びっくりなんですけど!
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キィ。
静かに扉を開け、1人の男性が部屋へと入る。
中は、テーブルセッティングで慌ただしい雰囲気だ。
メインテーブルに置いてある大きなガラスの器いっぱいに、オレンジ色を基調といた薔薇が生けてあるのを見て、彼は満足した表情となった。
「披露宴会場の花のセッティングは。バッチリだ。さすが、うちのスタッフだな!」
長身で、かなりのイケメンの彼が独り言を言った。
近くで、テーブルセッティングをしていた男性スタッフが、明らかにゲストだとわかる姿の この男性に声を掛ける。
「あのぉ、まだ、披露宴の時間には早いので、ロビーでお待ち頂けますか。
ウェルカムドリンクがございますので、そちらで 、お寛ぎ下さいませ」
「あっ、すみません。こちらの花のセッティングをしている花屋“ガーデンプロデュース”の者です。お疲れ様です。
いつもの癖で、勝手に入ってしまいました。
すみません、お邪魔しました」
そう言って、彼は会場から出て行った。
「あっ、智也、どこに行ってたんだよ!
探したんだぞ。これから、匠海の所に冷やかしに行こうぜ」
「あっ、和希。
もうすぐ披露宴の時間だろう?
匠海は忙しいんじゃないのか?行って大丈夫か?」
…………………
私、丸山 柚花、カレンダホテルのウェディングプランナーをしている。
うちのホテルと豪華客船キャプテンソフィア号とのコラボ企画として、船上結婚式を行なっているのだが、披露宴を目前に、花嫁が逃亡してしまったのだ!
残された者達は、当然、慌てふためくし、現場は大混乱となっているのだ!
新婦を探しに行ったカレンダホテルのスタッフ達は、見つけられず、皆、ブライズルームに戻ってきたのだった。
新郎新婦の支度部屋であるブライズルームは、只今、修羅場となっている!
「樋口さん!お宅は、いったい、どういう教育をしているのですか?
こんな大切な時に逃げ出すなんて、非常識にも程があります!」
新郎父は、凄い剣幕で新婦両親に言った。
「おっしゃる通りです。本当に本当に申し訳ございません」と新婦側は、平謝りするしかないのだ。
責める お気持ちは、お察しします。
……が、しかし、時間が過ぎて行く。
もう、時に猶予はありません。
「あのぉ、これから、どのように致しましょうか?新婦、急病の為、不在ということにして、通常進行もできますが……」
私が提案してみると、即座に新郎父から反撃を食らうこととなった。
「何だと!花嫁無しで、披露宴なんて、聞いた事がない!そんな、恥ずかしい事、出来るわけ無いだろう!
私は、会社を経営する身だ!
取り引き先の方々も来るんだ!
結婚式場の貴女が何とかしてくれなきゃ、困ります!早く、連れ戻して下さい」
ひぃ、何とかしろと言われても、どうする事も出来ません……。
「ほんとに、もう!私は この結婚は気が進まなかったのよ。たっ君たら、勝手に決めちゃうから、こんな事になるのよ!」
新郎 母が言った。
たっ君!って……。
この新郎は28歳で、母親から そう呼ばれているんだ……。
まあ、人それぞれ、呼び方は自由だけど……
……って、こんな事、考えている場合じゃなかった!
「それでは、披露宴は中止になさいますか」
見かねた倉田チーフが口を挟んだ。
「それは、僕としても困る。
自分の会社関係の人もいるので、披露宴はしておかないと、立場が無くなる」
新郎も披露宴をするつもりでいる。
「でしたら、新婦、急病という事にして、披露宴続行で……」
倉田チーフが言いかけた。
「だから、息子1人では、カッコがつかないだろうと言っているんだ!」
倉田チーフの言葉を遮り、新郎父が怒鳴った。
新婦母は、いたたまれない気持ちでいたが、思いついた事があって、目を輝かせた。
「そうだ、誰かに娘の振りをしてもらいましょう。
幸い、この船の中には、女性のスタッフさんが多いようですから、うちの娘に似た体型、雰囲気の方がいらっしゃいますよね?」
「……」
一同、おし黙る。
そして……。
何だか、視線を感じるのは、気のせい?
「えっ?」
何、皆んなの視線が私に集中しているじゃないのぉ!
「ま、まさか、私にやれと?私ですか?」
「丸山さん、 あなたの年齢、体格、顔の輪郭からして、春菜さんを演じる為にここにいるといっても、過言ではありません。
ねえ、皆さん?」
……と、倉田チーフが言い、スタッフ達は、無言で頷いた。
ちょっと、本気ですか?
この、たっ君の偽花嫁をやるしかないのですかぁー?
ひぃ!無理ですってばぁ!
静かに扉を開け、1人の男性が部屋へと入る。
中は、テーブルセッティングで慌ただしい雰囲気だ。
メインテーブルに置いてある大きなガラスの器いっぱいに、オレンジ色を基調といた薔薇が生けてあるのを見て、彼は満足した表情となった。
「披露宴会場の花のセッティングは。バッチリだ。さすが、うちのスタッフだな!」
長身で、かなりのイケメンの彼が独り言を言った。
近くで、テーブルセッティングをしていた男性スタッフが、明らかにゲストだとわかる姿の この男性に声を掛ける。
「あのぉ、まだ、披露宴の時間には早いので、ロビーでお待ち頂けますか。
ウェルカムドリンクがございますので、そちらで 、お寛ぎ下さいませ」
「あっ、すみません。こちらの花のセッティングをしている花屋“ガーデンプロデュース”の者です。お疲れ様です。
いつもの癖で、勝手に入ってしまいました。
すみません、お邪魔しました」
そう言って、彼は会場から出て行った。
「あっ、智也、どこに行ってたんだよ!
探したんだぞ。これから、匠海の所に冷やかしに行こうぜ」
「あっ、和希。
もうすぐ披露宴の時間だろう?
匠海は忙しいんじゃないのか?行って大丈夫か?」
…………………
私、丸山 柚花、カレンダホテルのウェディングプランナーをしている。
うちのホテルと豪華客船キャプテンソフィア号とのコラボ企画として、船上結婚式を行なっているのだが、披露宴を目前に、花嫁が逃亡してしまったのだ!
残された者達は、当然、慌てふためくし、現場は大混乱となっているのだ!
新婦を探しに行ったカレンダホテルのスタッフ達は、見つけられず、皆、ブライズルームに戻ってきたのだった。
新郎新婦の支度部屋であるブライズルームは、只今、修羅場となっている!
「樋口さん!お宅は、いったい、どういう教育をしているのですか?
こんな大切な時に逃げ出すなんて、非常識にも程があります!」
新郎父は、凄い剣幕で新婦両親に言った。
「おっしゃる通りです。本当に本当に申し訳ございません」と新婦側は、平謝りするしかないのだ。
責める お気持ちは、お察しします。
……が、しかし、時間が過ぎて行く。
もう、時に猶予はありません。
「あのぉ、これから、どのように致しましょうか?新婦、急病の為、不在ということにして、通常進行もできますが……」
私が提案してみると、即座に新郎父から反撃を食らうこととなった。
「何だと!花嫁無しで、披露宴なんて、聞いた事がない!そんな、恥ずかしい事、出来るわけ無いだろう!
私は、会社を経営する身だ!
取り引き先の方々も来るんだ!
結婚式場の貴女が何とかしてくれなきゃ、困ります!早く、連れ戻して下さい」
ひぃ、何とかしろと言われても、どうする事も出来ません……。
「ほんとに、もう!私は この結婚は気が進まなかったのよ。たっ君たら、勝手に決めちゃうから、こんな事になるのよ!」
新郎 母が言った。
たっ君!って……。
この新郎は28歳で、母親から そう呼ばれているんだ……。
まあ、人それぞれ、呼び方は自由だけど……
……って、こんな事、考えている場合じゃなかった!
「それでは、披露宴は中止になさいますか」
見かねた倉田チーフが口を挟んだ。
「それは、僕としても困る。
自分の会社関係の人もいるので、披露宴はしておかないと、立場が無くなる」
新郎も披露宴をするつもりでいる。
「でしたら、新婦、急病という事にして、披露宴続行で……」
倉田チーフが言いかけた。
「だから、息子1人では、カッコがつかないだろうと言っているんだ!」
倉田チーフの言葉を遮り、新郎父が怒鳴った。
新婦母は、いたたまれない気持ちでいたが、思いついた事があって、目を輝かせた。
「そうだ、誰かに娘の振りをしてもらいましょう。
幸い、この船の中には、女性のスタッフさんが多いようですから、うちの娘に似た体型、雰囲気の方がいらっしゃいますよね?」
「……」
一同、おし黙る。
そして……。
何だか、視線を感じるのは、気のせい?
「えっ?」
何、皆んなの視線が私に集中しているじゃないのぉ!
「ま、まさか、私にやれと?私ですか?」
「丸山さん、 あなたの年齢、体格、顔の輪郭からして、春菜さんを演じる為にここにいるといっても、過言ではありません。
ねえ、皆さん?」
……と、倉田チーフが言い、スタッフ達は、無言で頷いた。
ちょっと、本気ですか?
この、たっ君の偽花嫁をやるしかないのですかぁー?
ひぃ!無理ですってばぁ!
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