ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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作戦開始

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 私は、丸山 柚花、カレンダホテルでブライダルの仕事をしている。

 
 昨日、会社帰りの男性から相談をされ、依頼を受けたのだ。


 その男性の名前は、新井 進次郎さん。


 依頼内容というのが、サプライズ プロポーズの演出なのだった。


 そのプロポーズが成功したら、当ホテルで婚礼式をするという約束をして、婚礼チームで作戦を練ったのだ。


 そこで、私は、今!
 成功へ導く為の第1ステップの“仕込み”の真っ最中なのだ!


「支配人、お忙しいところ、私に会って頂いてありがとうございます。

 実は、支配人に協力をお願いしたい事がありまして……」


 柚花は、手短かに説明をして協力を求めた。


 皆が支配人と呼んでいるのが、倉田チーフの同期、根岸君こと、カレンダホテルの根岸総支配人なのだ。


 彼は、倉田チーフと同世代であるから、総支配人としては若く、大出世をした人物といえる。


 近頃、若干、ぜい肉が付いたようにも見えるが、それでも、笑顔が爽やか素敵な男性と言われ、独身女性から多くのアプローチを受けているらしい。


「えっ?私もそれに参加するのですか?

 えー、参ったなぁ。この歳で、そんなゲームだなんて……。


倉田さんも参加するのか……。

 ただ、私の勤務日だと周囲の目がありますから、そのプロポーズの日が私の休みと合えば……」


 支配人は、日程が合えば参加すると言ってくれた。


 支配人の休みの日を聞いたし、よし、日程を決めて、準備をしないとね!


 それから、依頼者の新井さんと打ち合わせをして、話しを煮詰めたのだった。

……………………

「まっるやまさーん、まっるやまさーん」

 軽米がいつもと違う呼び方で、私を呼んだ。


「何?なんか気持ちが悪いなー!何なの?」

 柚花が怪訝けげんな顔をして聞いた。


「あのぉ、プロポーズ大作戦の日、前沢さんと西崎さんもサクラとして参加してくれるそうですよ。


 昨夜、合コンで話したら、乗り気で、参加したいって言っていました!」


「えっ?軽米さんが誘ったの?

 うちには、若い男性スタッフが2名いるから彼氏役は、足りているでしょう?」


 柚花としては、スタッフだけで、ひっそりコソコソやってしまうつもりでいたのだ。


「えー、駄目だったんですか?

 だって、丸山さんが1人で、進行するのはキツくないですか?アシスタントがいないと、だから、緑川さん、外崎さんはスタッフ要員かなぁって、思っていました。

 すみません、では、断ります」


 軽米さんなりに考えてくれていたのね。

 それもそうだ、私だけでは大変だ。


「あっ、断らなくてもいいわ。

 じゃあ、お花屋さん達に頼んで下さい。

 日にちは言ってあるのね?」   


「はい、言ってあります。

それで、折原さんは都合が悪いから来れないそうです。

 まあ、丸山さんがサクラにならないなら、折原さんが来ても意味がないので、よかったです」

 
「あはは、どういう意味かは、わからないけど。

 こじんまりと、ひっそりと、小さく静かめにゲームをしましょうね。

 あくまでも、お客様の成功を目指して、我々は頑張るのですから、お忘れなく!」


 折原さん、都合が悪いのか……。

 ま、私には関係ない人なんだし、プロポーズ大作戦に集中しないとねっ!

………………

 さて、いよいよプロポーズ大作戦 当日となった。


 彼女以外の宝探しゲームの参加者と婚礼チームスタッフは、サロンに集合している。


 新井さんが彼女と待ち合わせている時間の、2時間も前なのだ。


 これも失敗を防ぐ、綿密な打ち合わせをするためだ。


 私と外崎さん、緑川さんは、いつものブライダル部の制服を着ている。


 支配人は、白っぽいセーターに濃紺ブレザー、黒っぽいスラックスで、コートを手に持っている。


 お花屋さんの西崎さんは、灰色のブイネックのシャツに白っぽいダウンコートに黒のチノパン。

 前沢さんは、チェックのカジュアルシャツに黒のダウンジャケット、黒のソフトジーンズという服装だ。


 女性陣は、本日は休日で、あくまでもプライベートで参加をするのだ。   


 3人とも、凄く気合いの入ったメイクだし、髪型もバッチリ決めているし、いつもと違う服装だわ!

倉田チーフまで、お洒落なスカートスーツを着てきたから、驚いた。

 
いつもは、ズボンしか履いていないのにな。

 
 軽米さん、アイメイクが濃いね!

 フサフサの付けまつ毛……凄いね。


 野村さん、そのワンピース、短過ぎなんじゃない?

 風邪をひいちゃうよ。


 今、1番ドキドキしているのは、間違いなく新井さんだが、私も結構、ドキドキしている。

……が、軽米さん、野村さん、倉田チーフは、別の意味のドキドキを求めているでしょう?


 皆さん、新井さんのサポートをしっかりとお願いします。

………………

 「それでは、皆さん、プロポーズ大作戦を開始します。

よろしくお願いします。

 新井さんは、待ち合わせの噴水広場に行って下さいね。

 では、皆さん、カップルになって下さい。

 支配人と倉田チーフ、西崎さんと野村さん、前沢さんと軽米さんは、そろそろレストランに行って、本当に食事をして下さい」

 柚花が開始の号令をかけた。

 サクラの皆んなは、移動を始めたのだった。


「さあ、外崎さん、緑川さんも、サポートを頼みます。頑張りましょうね」


「はい!成功させましょう」


「はい、お客様のために頑張ります!」


 外崎が返事をすると、緑川も続いて言った。


 ああ、胸が半端なく鼓動を打っている。

 
 ふぅ。


 プロポーズ大作戦、開始します!

  


 
  



 
 


 




 
 
  
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