ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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揺れる想い

皆様のお陰です。 ★

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 只今、元木様と菊乃様のブーケプルズが終了したところ。


 ちょっと失敗したけれど、次の演出に進まないと!


 開き直って、頑張るしかない。


 新郎 新婦は、再びチャペルの中に戻ってもらい、扉を開けたら、外へと出て来てもらうことにしている。
 

 花嫁が着ている純白のウェディングドレスは、長袖に、ドレスの広がりは控えめなストンとしている感じの物。


 軽米は、花嫁が歩きやすい様にドレスの裾を軽く持ち一緒に歩く用意をしている。

 
 2人の退場の時が迫る。


「では、先程、説明した通りにお願いします。

御協力してくださる方は、カゴの中から 袋をお取り下さい。

この小さな物は使用した後、この袋にしまい、お持ち帰られてもかまいません。

どうぞ、御協力をお願い致します」


 柚花が言うとバイトの永井がカゴを持ってゲストの前を歩いた。


「お土産として、お持ち下さってもかまいません。どうぞお受け取り下さい」


 永井がそう話しかけながら、ひと回りする。


 よし、だいたいの方は受け取ってくれた。


「先程、男性の方に説明をしましたが、こちらは使用後、返却をしていただく物ですが、使用してみたい方はどうぞ」


 今度は、外崎が話しながらカゴを持ち、協力者を待つ。


 先頭切って、取りに来たのは折原 匠海だった。


 たっ君、協力してくれるのね、ありがとう!

 柚花は、心から感謝した。


 すると、用意した10個が あっと言う間に無くなったので、スタッフたちはホッとしたのだった。


 良かった。皆様、協力してくださるのね。


 バイトの小形君と永井さんの分は、あらかじめ、用意しておいた。

 率先して、この演出を盛り上げる役目があるのだ。

 2人は、やる気満々の様子、互いに目を合わせ頷き合っている。


 さあ、移動を開始だ。

「小形君、永井さん、打ち合わせ通りにゲストを誘導して!

片側のみ、スペースを空けて、並ばせて下さい」


 柚花が指示を出すと、2人はゲストを連れて移動を開始した。


 ゲストを2つのチームに分けて、行動してもらう事にしている。


「お着物の方や服を汚したくないは、こちらの方から、チャペル右側通路に片側だけに、お並び下さい」


  緑川さんは、既に披露宴会場の方に移動していて、今から外崎さんも会場の方に移動する予定だ。


 ここは、バイトと私でモリモリに盛り上げて、野村さんと軽米さんに手伝ってもらう。

……………………

「野村さん、こちらはスタンバイOKです」

 柚花が連絡をした。


 外のスピーカーから、新郎が選んだ曲が聴こえてきた。


「もうすぐ、お2人が出て来ます。

皆さん、よろしくお願いします」


 小形が並んで待っているゲストに言った。


「はい、わかりました。

 皆さんで、祝福しましょう!」


匠海が返事をして、盛り上げる。


「おっ、今日の折原くんは、元気いっぱいだな!

もう、飲んできたのか?」


 そんな風に会社の人に言われるくらい、積極的に盛り上げているのだった。


「あのぉ、オリハラさん?これって、ここを握るだけで、いいですか?」


 隣の隣に並んでいた若菜が、ゆったりとした口調で聞いてきた。


  匠海と同じ物を持つ彼女に「はい、握るだけだと説明されたから、それでいいと思いますよ」と答えたのだった。

………………………

 花嫁、花婿を最初に出迎えたのは両親たち、祖父母たち、幼児を連れた母親。

「おめでとう、菊乃!」

 新婦 母が言う。


「菊乃さん、翔太を頼んだよ。

翔太、しっかり家庭を守るんだぞ!」

新郎 父が言う。


 祖父母たちは、拍手をしながら感無量の様子。

 彼等の願いは、ただ一つ。

「早く、ひ孫を見せておくれよ!」

 どっちかの祖父が言ったのだ。


「はい、お任せ下さい」

 新郎が返事をした。



「先へ お進み下さい……」

 新郎新婦 担当の軽米は、時間を考えながら誘導する。


 拍手や言葉掛けのみのコースは終了だ。


 その奥の方、チャペルの建物を過ぎた所から、柚花を先頭にゲスト達が片側に広がって並んでいる。


 ここは、新郎新婦の専用裏通路なのだ。

 雨天時に使用しようとしていたが、通路の両側の柵には、赤いツル薔薇が巻き付いて、とても美しいから、ここにしようと決めた。


 柚花の足元には、なぜか業務用 充電式扇風機が置いてある。

……………………
 
「おめでとうございます!」

 パァンッ!


  新郎 新婦が柚花の前を通過する時に、柚花がクラッカーを鳴らした。


 びくんっ!


 新郎新婦は、知ってはいても、つい驚いてしまった。


 クラッカーを合図に、奥の方から風に乗り、シャボン玉が飛んで来た。


「わぁ、綺麗……すごーい」


「綺麗、可愛い!これ、いいな!」

 菊乃をはじめ、ゲスト達も 沢山飛んでくるシャボン玉に感動している。


 その頃、奥の方にいるチームが一生懸命にシャボン玉を作成しているのだった。


先頭側のチームは、新郎新婦に「おめでとう」と声を掛け、写真を撮る人もいる。


 柚花はもう一度、クラッカーを鳴らし、扇風機を持ち上げ構えた。

 向かい風に対抗する為だ。


「皆さん、新郎新婦の近くに行きましょう。

 バブル始めて下さい!」

 
 バイトの小形君が、張り切って言ってくれた。


 先頭チームが新郎新婦の後方からシャボン玉を噴射した。


 よし、扇風機スイッチ オン!


 ブーーーン、ブーーーン。


 ふわっ、ふわっ、ふわっとシャボン玉は、奥のチームのいる方向へ飛んで行った。


 皆さん、寒いですが少し我慢して下さい!


 長袖のウェディングドレスでも、寒いでしょうが、菊乃さん、暫し耐えて下さいませ。


 このウェディングドレスにも節約の秘策があるが、それは またという事にして、今はバブルシャワーに集中だ!


 バブルガンを使用している人からは、勢いよくシャボン玉が出てくるから とても綺麗なのだ。


 小さなシャボン液を持つ人は、楽しみながら慎重に作っている。


 童心に戻っているようで、自然に笑顔になっていた。


 ゲストの皆様の力で、バブルシャワーは、成り立っている。ありがとうございます!


 柚花は、バイトの子を含めて皆んなに感謝をしていた。


 今度は、奥のチームが声を掛けたり、写真を撮ったりして、和やかに新郎新婦をホテルの中へと見送っている。


「皆さん、素敵なバブルシャワーをありがとうございました」


 新郎新婦は、そう言って深くお辞儀をした。


 自分たちがバブルシャワーを希望したのだ。

 それなのに、手が濡れるのも構わずシャボン玉を作ってくれるゲスト達の気持ちが、2人には嬉しかった。


 菊乃は、シャボン玉の美しさと皆んなの優しさに感激涙を流し、ホテルの中へと入って行ったのだった。


 よしっ!これはOKだ。成功ね。


 後は、野村さん お願いしますね。


 次に行かなくっちゃ!


「皆様、御協力を頂き ありがとうございました。

こちらの おしぼりで手をお拭き下さい。

 バブルガンの方は、こちらの箱に返却をお願い致します」


 柚花は、後方から聞こえてくる野村の声を聞きながら、会場に向かって歩き出していた。

…………………


 ウェディングケーキは、どうなったのかしら?

 会場に入り司会者台にいる倉田チーフと支配人を見つけ、柚花は声を掛ける。


「あ、倉田チーフ、挙式の方は終了致しました。

支配人、本日は御無理を言いまして、本当に申し訳ございません。

 どうか、お客様の為に よろしくお願いします」


「カレンダホテルのお客様のためですから、精一杯務めさせて頂きます。

 倉田さんもサポートしてくれるそうだから、頑張りますよ。

 私は、ちょっとブライズルームに行ってきます」


 支配人はそう言い、会場から出て行った。


「丸山さん、ウェディングケーキの方は 何とかなりそうよ。

 さっき見たら、ケーキの飾り付けをしていたから、きっと大丈夫」


「えっ、倉田チーフ、本当ですか。

 はぁ、良かった!」



「さあ、もうすぐ披露宴が始まるわね!

 丸山さん、気を引き締めて頑張りましょうね」


「はい!頑張ります」





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