ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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想いはどこへ

幻聴か?

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 私、丸山 柚花は恋人無しの28歳。

 そんな私なのだが、去年から男性との関わりが増えたように思える。

 
 これから会う男性2人は、とにかくイケメンなのだ。


 ショッピングモールの中にあるカフェに行くことにしたから、レストラン街がある1階中央エントランス内で、待ち合わせをしている。


「あっ、丸山さん、あそこにいます。

 案内板の所にいますよ。

 和希さんとお花屋さん、えっと西崎さんは、イケメンで長身だから目立ちますね」


「そうだね……」

  
 改めて言われるとその通りで、私が智也さんの隣を歩いていいのか躊躇ためらってしまう。

 今日は、軽米さんが前沢さんと並んで歩くだろうから、必然的に私は智也さんの隣となるだろう。



「こんばんは。お待たせしました」

 私は、軽米さんと一緒に挨拶をした。


 すると、智也さんが私たちの側にやって来て言う。

「今日の結婚式は、お疲れ様でした。
俺が言うのも変だけど、菊乃さん達がお世話になりました。

ありがとうございました」


「いえいえ、ガーデンプロデュースさんには、全面協力して頂き、感謝しております。

 菊乃さん、おふたり共、素敵なお花に感激していましたよ。

 菊乃さんから智也さんへ、感謝をしていますと伝えて欲しいと頼まれました。

 本当に装花もブーケも良かったです。

 お疲れ様でした」


 柚花が言うと軽米も頷いていた。



「さあ、2人ともカフェに行こう」


 和希が軽米と柚花に言った。


「あっ、和希と軽米さんとで行っていいよ。

どうせ2人で、逢いたかったんだろう?

 俺たち別動して帰るから、カフェでも何処でも行っていいよ。ねえ、柚花?」


 えっ、何、別動って……。

 はあ?私は何のために来たのよ?

 付いてきた私は、お邪魔虫という事ですか?

 でも、ここでゴネるのも変だし……。


「あっ、はい……軽米さん、楽しんで来て……」 


「えー、そんなぁ!丸山さん、何だか、すみません。

じゃあ、行かせて頂きます……」


 軽米は、行きづらそうに、でも、行ったのだった。

 
 それで、私は どうしたらいいの?


 柚花は、軽米たちを見送りながら立ち尽くしている。


「それじゃあ、俺たち どこに行こうか?」


 智也から聞かれて、少しイラっときていた柚花は言った。


「ノープランなら、明日、仕事だから帰ります」


 モヤモヤ気分を吹き飛ばしたくて食事をしていたのに、中断して来てみたら、お邪魔虫扱いなんて、酷いわっ!


 智也さんって、自分勝手な人なのかしら?


 別のモヤモヤが誕生しそうだよ……。



「あ、ごめん。怒ってる?

 軽米さんといたかったよね?

 勝手にごめんね。ちょっと、向こうに移動しよう」

………………………


 手を掴まれて、人通りの少ない隅の方へと連れていかれた。


 よその人の通行の邪魔と言いたいの?


 また、お邪魔虫ってこと?


 もう、来るんじゃなかった!


 帰ろう!



「本当にごめん。正直言うと、2人になりたかったのは、俺なんだ」


「 ! 」


 柚花は、驚いて智也の顔をガン見した。

 何か言われた気もするけど、幻聴だよね?

 絶対、そうに決まっている。

 欲求不満になっていて、そんな言葉が聞こえてきたのかしら?

 違う、疲れているんだわ!そうだよ!



「いや、そうにらまないでくれる?

 そんなに怒っちゃった?どうしたら、許してくれるのかな?

本当にごめんね……」


 知らない人が見たら、パッとしない女がイケメンを困らせている様にしか見えないだろう。

 
“お前、何様だ”と非難され兼ねない!


「えっ?睨んでいません。驚いただけ!

なんか幻聴が聞こえてしまって……。

私、耳が変になったのかも、すみません。

疲れているみたいなので、帰ります」


 柚花は、真顔で言い駐車場へ戻ろうとする。


「待って!行かないで!」


 智也が引き止めても、外に向かって歩いている。


 ああ、疲れた……。


 腕もパンパンになってきた、何でだろう?


 そっか、扇風機を持ち上げていたんだ!



「捕まえた!」


 智也は外に出た柚花を追いかけて、腕を掴かんだ。


「ひやっ、えっ、何?」


 柚花が驚いて振り返った。


「もう、歩くのが早すぎる!待ってって言ったのに、行っちゃうから……」


「あ、ごめんなさい。ちょっと、疲れ過ぎたみたい。

それで、何か用があるの?」


(えー、さっき告白もどきをしたのに、そんな事を言うの?

 用があるの?って聞かれて、どう答えればいいんだろう?)


「少しだけでも話しがしたい。ダメかな?」


「あ、じゃあ、これ私の車だから、中へどうぞ」


(車の中か……直ぐに帰る気満々なんだな……)


 智也は、柚花の軽自動車の助手席ではなく、後部座席に通され、柚花も隣に座った。


(や、何でこんな風に座らされたんだ?
斬新な感じだな……この子は、普通の女性とは少し違う気がする……普通は、運転席と助手席に座って会話をすると思うけどな。

まあ、俺の想像を超えた行動をする君が気になって仕方がないんだよな)


「はい、それで話しというのは?」

 
 柚花は、ニコリともせずに聞いた。


(えぇ、話しずらい環境だ!俺は、こんなパターンを経験した事が無い!

ただ会話がしたいだけなのに、さあどうぞ的なのは、初めてだ!そんなに機嫌を損ねてしまったのか……やばい)


「何だか、今日は機嫌が悪いみたいだね?

何かあったの……かな?

でも、やっぱ俺が怒らせちゃったのかな?

ごめん、機嫌を直してくれないかな?」



「……えっ、別に普通ですけど。

ごめんなさい、幻聴が聞こえてきてしまったから、やばくて!

早く家で、休んだ方がいいと思って……。

だから、腹を立てているわけじゃないの。

気にしなくて大丈夫だから、心配をかけてごめんね」

 柚花は、そう言い微笑んだ。


「幻聴って、なんて聞こえたの?」

 智也が柚花に質問したのだった。


「そっ、それは、言えない。

恥ずかしくて言えない!自分から言えるわけない」


 ぷりぷりしながら話す柚花が、可愛いとさえ思う智也だった。


「あー、良かった。柚花が凄く怒っているのかと思ったよ。

 軽米さんと一緒にいたのを邪魔して、本当にすみませんでした!

 今度から気をつけます!」


「もう、いいから。で、何か私に用事があるんでしょう?」

 早く帰りたい柚花が智也を急かして聞いた。


「あのさ、言いにくいんだけど、家まで送って欲しいなぁって思っているんだけど?

和希の車でここに来ちゃったからさ……。

いいかな?」


「へっ?あ、いいですよ。じゃあ、送りますから!
前に乗ってね」


 そして、智也を乗せて車は動き出したのだった。
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