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番外編2
憧れの日
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「た、大変です!柚花が!
花嫁がまだ来ません!
待ち合わせの時間が過ぎたのに、まだ来ないんです!」
血相変えた智也が、ブライダルサロンへ飛び込んで来た。
「はっ?」
ブライダルサロンに居たのは、倉田チーフと軽米で、2人は一瞬キョトンとするが、我に返った倉田チーフが時計を見た。
「あ、私どもとのお支度のお約束まで、あと5分程ございますし、慌てなくてもよろしいですよ」
「いいえ!俺との待ち合わせの時間に、来ないんです!
いつも時間を確実に守る人で、むしろ早く来て、待っている人なんです……。
ど、どうしよう、何かあったのかも?
はっ!!
まさか?まさか逃げられた?
匠海の様に、俺も花嫁に逃げられた?
ああ、最悪だ!どうしたらいいんだろう?」
衣装に着替える前の 西崎 智也はパニックになり、いつもはよそゆきで、私と言っているところを、俺と言っている事にも気づいていなかった。
(あーあ、いつものイケメン顔が、崩れてしまって、見る影なしですよ。って、落ち着かせないとね)
「西崎さん、丸山さんが逃げるなんて、あり得ません。
この婚礼式を楽しみにしていたのを、私は知っていますから!
独身最後の日は、家族に感謝の気持ちを伝えたくて、実家で過ごす!って結婚する気満々で言っていましたし……。
だから、心配はいりません。
少し遅れるだけでしょうから、待っていてあげて下さい」
軽米がなだめるように言うと、倉田チーフも援護する。
「そうですよ。丸山さんは必ず来ますから、大丈夫です。
きっと昨夜は、なかなか寝付かれなかったのでしょう。
西崎さんは、良く眠れましたか?」
「えっ?あ、ドキドキして、なかなか寝付かれなかったです……」
「そうですよね。
それで寝坊をされる方もいらっしゃいます。
ですから、お支度の時間には、多少余裕を持たせてあります。
丸山さんを信じて待ちましょう」
「はい……。すみません。
あっ、でも事故に遭っていたりとか……」
智也は、今にも泣き出しそうな顔をした。
「まあ西崎さん、そんな縁起でもない事を言わないで下さい。
さあ、こちらにお座りになって。
軽米さん、温かいものをお出しして!」
ピロリン!
「柚花からメッセージだ!」
そう言った智也は、神妙な顔をして、読みはじめた。
「えぇ!事故?
あ、なんだ事故渋滞に巻き込まれた……。良かった、こっちへ向かってくれてる……。はぁ、なんだか疲れた」
「西崎さんは、本当に丸山さんの事が、好きなんですね。
どうかその気持ちを、ずっとずっと持続していて下さい。
私が言うのも変ですが、丸山さんを泣かせたりしないで下さい。お願いします」
「軽米さん、お客様に失礼ですよ。
西崎さん、申し訳ごさいません。
……でも、私からも、うちの丸山を よろしくお願い致しますと言わせて頂きます」
その言葉に、背筋を伸ばした智也は、軽米と倉田チーフに頷き、
「私に任せてください」と言った。
すると、ブライダルサロンへ向かって、走って来る音が聞こえてきた。
「花嫁さんがやって来たようですね。
西崎さん、これからは新郎として西崎様とお呼び致します。
本日は、誠におめでとうございます」
「えっ、倉田チーフ、いつも通りで構いません。
様なんて付けられたら、緊張してしまいます。
軽米さんも、他のスタッフの方も いつもと同じで、お願いします」
倉田チーフと軽米が頷いていると、勢いよく柚花が入って来た。
「遅くなって、すみません!ハァハァ……」
こうして、柚花たちの婚礼式が始まったのだった。
…………………
「はい、取り敢えず、花嫁さんの出来上がり。
私と吉田さんで、バッチリ着付けたし、最高の仕上がりよ!
さっ、丸山さん、全身を見てみて、バックスタイルもね。
とっても綺麗でしょう?
これからベールを付けるから、今は、シンプルなシニヨンにしてありますよ」
「わぁ、細く見える。ブライダルインナー(補正下着)のアドバイスをありがとうございました。
これで腰に付いてる大きなバックリボンが、良い感じになりました。
松本さんに、髪を小さくまとめてもらったから、少しは小顔に見えるといいな……」
「大丈夫、小顔になっていますよ。
丸山さんは、化粧映えする顔立ちだし、とびきり綺麗だから、安心して。
やっと、本当のウェディングドレスを着れたわね……」
「吉田さん、ありがとうございます。
やっと、やっと現実になりました……」
柚花は、感極まり瞳がウルウルしてきた。
「わっ、丸山さん、ストップ!
今は、泣かないで!挙式前にやめて!
泣いたら、鼻水が出ちゃうでしょ?
大変な顔になっちゃうから、我慢をして!」
「はいっ!」
あっ、思い出した!
そういえば智也さんの前で、クシャミをして2本氷柱を見られた事があったわ。
あれは、超恥ずかしかった……。
あんな姿を見たのに、よく私を好きになってくれたよね。
智也さんに感謝です。
そんな柚花だが、自分がいびきをかいたり、寝言を言ったりしたのを、智也に見られた事など、今だに知らないでいるのだった。
…………………
「柚花、寒いね」
2人は、新郎新婦の専用裏通路を介助する軽米と歩いていた。
「そうね、今日はゲストには気の毒なくらい寒い日だわ。
でも私は、レースではあるけど長袖だし、それに貸してもらった あったかショールを掛けているから、大丈夫!
何より、興奮しているみたいで、寒くないの」
確かに、柚花の頬に赤みが増していた。
チャペルの表扉前に着くと、軽米が智也に話す。
「西崎さん、お一人で、チャペルへと入って頂きますが、扉を開けたら一礼して、打ち合わせ通りでお願いしますね」
「はい」
智也の顔が、キリリと引き締まる。
すると、オルゴール音の優しいメロディーが、チャペル全体に流れてきた。
そして、緑川が扉を開け、智也を中へと促し、扉を閉めたのだった。
花嫁がまだ来ません!
待ち合わせの時間が過ぎたのに、まだ来ないんです!」
血相変えた智也が、ブライダルサロンへ飛び込んで来た。
「はっ?」
ブライダルサロンに居たのは、倉田チーフと軽米で、2人は一瞬キョトンとするが、我に返った倉田チーフが時計を見た。
「あ、私どもとのお支度のお約束まで、あと5分程ございますし、慌てなくてもよろしいですよ」
「いいえ!俺との待ち合わせの時間に、来ないんです!
いつも時間を確実に守る人で、むしろ早く来て、待っている人なんです……。
ど、どうしよう、何かあったのかも?
はっ!!
まさか?まさか逃げられた?
匠海の様に、俺も花嫁に逃げられた?
ああ、最悪だ!どうしたらいいんだろう?」
衣装に着替える前の 西崎 智也はパニックになり、いつもはよそゆきで、私と言っているところを、俺と言っている事にも気づいていなかった。
(あーあ、いつものイケメン顔が、崩れてしまって、見る影なしですよ。って、落ち着かせないとね)
「西崎さん、丸山さんが逃げるなんて、あり得ません。
この婚礼式を楽しみにしていたのを、私は知っていますから!
独身最後の日は、家族に感謝の気持ちを伝えたくて、実家で過ごす!って結婚する気満々で言っていましたし……。
だから、心配はいりません。
少し遅れるだけでしょうから、待っていてあげて下さい」
軽米がなだめるように言うと、倉田チーフも援護する。
「そうですよ。丸山さんは必ず来ますから、大丈夫です。
きっと昨夜は、なかなか寝付かれなかったのでしょう。
西崎さんは、良く眠れましたか?」
「えっ?あ、ドキドキして、なかなか寝付かれなかったです……」
「そうですよね。
それで寝坊をされる方もいらっしゃいます。
ですから、お支度の時間には、多少余裕を持たせてあります。
丸山さんを信じて待ちましょう」
「はい……。すみません。
あっ、でも事故に遭っていたりとか……」
智也は、今にも泣き出しそうな顔をした。
「まあ西崎さん、そんな縁起でもない事を言わないで下さい。
さあ、こちらにお座りになって。
軽米さん、温かいものをお出しして!」
ピロリン!
「柚花からメッセージだ!」
そう言った智也は、神妙な顔をして、読みはじめた。
「えぇ!事故?
あ、なんだ事故渋滞に巻き込まれた……。良かった、こっちへ向かってくれてる……。はぁ、なんだか疲れた」
「西崎さんは、本当に丸山さんの事が、好きなんですね。
どうかその気持ちを、ずっとずっと持続していて下さい。
私が言うのも変ですが、丸山さんを泣かせたりしないで下さい。お願いします」
「軽米さん、お客様に失礼ですよ。
西崎さん、申し訳ごさいません。
……でも、私からも、うちの丸山を よろしくお願い致しますと言わせて頂きます」
その言葉に、背筋を伸ばした智也は、軽米と倉田チーフに頷き、
「私に任せてください」と言った。
すると、ブライダルサロンへ向かって、走って来る音が聞こえてきた。
「花嫁さんがやって来たようですね。
西崎さん、これからは新郎として西崎様とお呼び致します。
本日は、誠におめでとうございます」
「えっ、倉田チーフ、いつも通りで構いません。
様なんて付けられたら、緊張してしまいます。
軽米さんも、他のスタッフの方も いつもと同じで、お願いします」
倉田チーフと軽米が頷いていると、勢いよく柚花が入って来た。
「遅くなって、すみません!ハァハァ……」
こうして、柚花たちの婚礼式が始まったのだった。
…………………
「はい、取り敢えず、花嫁さんの出来上がり。
私と吉田さんで、バッチリ着付けたし、最高の仕上がりよ!
さっ、丸山さん、全身を見てみて、バックスタイルもね。
とっても綺麗でしょう?
これからベールを付けるから、今は、シンプルなシニヨンにしてありますよ」
「わぁ、細く見える。ブライダルインナー(補正下着)のアドバイスをありがとうございました。
これで腰に付いてる大きなバックリボンが、良い感じになりました。
松本さんに、髪を小さくまとめてもらったから、少しは小顔に見えるといいな……」
「大丈夫、小顔になっていますよ。
丸山さんは、化粧映えする顔立ちだし、とびきり綺麗だから、安心して。
やっと、本当のウェディングドレスを着れたわね……」
「吉田さん、ありがとうございます。
やっと、やっと現実になりました……」
柚花は、感極まり瞳がウルウルしてきた。
「わっ、丸山さん、ストップ!
今は、泣かないで!挙式前にやめて!
泣いたら、鼻水が出ちゃうでしょ?
大変な顔になっちゃうから、我慢をして!」
「はいっ!」
あっ、思い出した!
そういえば智也さんの前で、クシャミをして2本氷柱を見られた事があったわ。
あれは、超恥ずかしかった……。
あんな姿を見たのに、よく私を好きになってくれたよね。
智也さんに感謝です。
そんな柚花だが、自分がいびきをかいたり、寝言を言ったりしたのを、智也に見られた事など、今だに知らないでいるのだった。
…………………
「柚花、寒いね」
2人は、新郎新婦の専用裏通路を介助する軽米と歩いていた。
「そうね、今日はゲストには気の毒なくらい寒い日だわ。
でも私は、レースではあるけど長袖だし、それに貸してもらった あったかショールを掛けているから、大丈夫!
何より、興奮しているみたいで、寒くないの」
確かに、柚花の頬に赤みが増していた。
チャペルの表扉前に着くと、軽米が智也に話す。
「西崎さん、お一人で、チャペルへと入って頂きますが、扉を開けたら一礼して、打ち合わせ通りでお願いしますね」
「はい」
智也の顔が、キリリと引き締まる。
すると、オルゴール音の優しいメロディーが、チャペル全体に流れてきた。
そして、緑川が扉を開け、智也を中へと促し、扉を閉めたのだった。
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