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入団試験⑤
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20分後。
残ったのは、ただ立っていただけの私と、隣の青年。それと、この激戦を潜り抜けた10人の人達。
その中にウィンさんも見えた。
かなり怪我を負っているようだけど、何とか勝ち残ったようだ。
ウィンさんの適性魔法は火魔法のようで、所々、地面が焼け焦げていた。
本当はウィンさんを勝たしてあげたいところだけど……私はまだ、暴れたりない。
少しだけ、付き合ってよ。
私は投げナイフを四方八方に放つ。当然のごとく防がれたが、私の目的は一瞬でもいい、周りの人達の注意をナイフに向けること。
隣の青年は何かを察したのか、私から距離をとろうとする。
そんなことさせないけどね。雷魔法Lv.6
「弾けろ 痺れろ エリクトリック·ショック」
感電させる魔法で、皆を動かせなくする。
「「「!!??」」」
皆が息を飲む。私の適性魔法を風だと思い込んでいたようだ。
試験官も、驚いている。
そして私はもう一度投げナイフを投げる。
私を除いた11名は、感電によるショックと、ナイフの中に仕込んでいた麻酔薬によって、気絶した。
「終わり、ですね」
さて、帰って寝るか
30分後、宿に戻った私はここ、タースリク王国の騎士団について、考えを巡らせていた。
タースリク王国騎士団は第1班~第8班まであり、各班80人前後で構成されている。各班には役割があり、
第1班は王族の護衛(時には作戦立案や拷問係)。
第2班は王族、王城の警備。
第3班は王城、王都の警備。
第4班は王都の警備と魔物退治。
第5·6班は魔物退治。
第7班は国境警備。
第8班は回復係。
という感じだ。
細かく分けられているが、実際は余り関係なく、第8班であろうが普通に戦う。
しかも、こういう風に動けるのは騎士団に2年以上いる人のみ。
新人は、どこの班にいようが魔物退治に向かわされる。まあ、班によって細かい訓練内容は異なるだろうが。
この理由としては新人だから戦闘経験を積むため、というのもそうだが、個人的には"スパイかどうか見極める期間"ではないかと思っている。
タースリク王国は大国がゆえに敵が多い。スパイがやってくることも多々ある。スパイを騎士団という、ある意味国の一角を担っているところに所属させるのは、致命的。
だから1年という期間を使い、新人が信用できるのか、スパイではないのかをじっくり見極める。そうすることで、タースリク王国騎士団はより強く、団結力のある組織へとなっていくのではないかと思っている。
……まあ、考えすぎかもしれないが。
そして時は過ぎ、一週間が経った。
合格発表の紙は騎士団本部に貼り出される。
ウィンさんと一緒に本部に行くと早く来たお陰か、まだ数人しかいなかった。
合格者の受験番号が貼り出されているところに行く。
私の受験番号は1569。ウィンさんの受験番号は1570。
番号が近いから、二人とも合格してるならすぐにわかる。
1569…1569…
「「!!」」
マジか……
「ウィンさん……!」
「っ……!」
結果
1569 合格
1570 不合格
残ったのは、ただ立っていただけの私と、隣の青年。それと、この激戦を潜り抜けた10人の人達。
その中にウィンさんも見えた。
かなり怪我を負っているようだけど、何とか勝ち残ったようだ。
ウィンさんの適性魔法は火魔法のようで、所々、地面が焼け焦げていた。
本当はウィンさんを勝たしてあげたいところだけど……私はまだ、暴れたりない。
少しだけ、付き合ってよ。
私は投げナイフを四方八方に放つ。当然のごとく防がれたが、私の目的は一瞬でもいい、周りの人達の注意をナイフに向けること。
隣の青年は何かを察したのか、私から距離をとろうとする。
そんなことさせないけどね。雷魔法Lv.6
「弾けろ 痺れろ エリクトリック·ショック」
感電させる魔法で、皆を動かせなくする。
「「「!!??」」」
皆が息を飲む。私の適性魔法を風だと思い込んでいたようだ。
試験官も、驚いている。
そして私はもう一度投げナイフを投げる。
私を除いた11名は、感電によるショックと、ナイフの中に仕込んでいた麻酔薬によって、気絶した。
「終わり、ですね」
さて、帰って寝るか
30分後、宿に戻った私はここ、タースリク王国の騎士団について、考えを巡らせていた。
タースリク王国騎士団は第1班~第8班まであり、各班80人前後で構成されている。各班には役割があり、
第1班は王族の護衛(時には作戦立案や拷問係)。
第2班は王族、王城の警備。
第3班は王城、王都の警備。
第4班は王都の警備と魔物退治。
第5·6班は魔物退治。
第7班は国境警備。
第8班は回復係。
という感じだ。
細かく分けられているが、実際は余り関係なく、第8班であろうが普通に戦う。
しかも、こういう風に動けるのは騎士団に2年以上いる人のみ。
新人は、どこの班にいようが魔物退治に向かわされる。まあ、班によって細かい訓練内容は異なるだろうが。
この理由としては新人だから戦闘経験を積むため、というのもそうだが、個人的には"スパイかどうか見極める期間"ではないかと思っている。
タースリク王国は大国がゆえに敵が多い。スパイがやってくることも多々ある。スパイを騎士団という、ある意味国の一角を担っているところに所属させるのは、致命的。
だから1年という期間を使い、新人が信用できるのか、スパイではないのかをじっくり見極める。そうすることで、タースリク王国騎士団はより強く、団結力のある組織へとなっていくのではないかと思っている。
……まあ、考えすぎかもしれないが。
そして時は過ぎ、一週間が経った。
合格発表の紙は騎士団本部に貼り出される。
ウィンさんと一緒に本部に行くと早く来たお陰か、まだ数人しかいなかった。
合格者の受験番号が貼り出されているところに行く。
私の受験番号は1569。ウィンさんの受験番号は1570。
番号が近いから、二人とも合格してるならすぐにわかる。
1569…1569…
「「!!」」
マジか……
「ウィンさん……!」
「っ……!」
結果
1569 合格
1570 不合格
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