ビアンカ嬢の波瀾万丈異世界生活っ!!

葵里

文字の大きさ
21 / 27

勢いで告白!?

しおりを挟む
現在、私は半泣きです。えぇ、それはもう半泣きな状態なのです。

なぜなら…








足が痺れているからなのです!
魔王様が…魔王様がっ……!
「疲れた」と言って魔法で強制膝枕なんて迷惑以外の何者でもありません。私は古代魔術書を読んでいたのに…
いいところだったのに…


恨んでやる~(涙)
しかもぐっすりと寝ているだなんて…


…動くに動けないじゃ無いですか!



……まぁ、こんな美顔を間近で見られるのは役得ですけどね。それにしてもまつ毛長いし肌もきめ細かい。
……世の女性達が泣くでしょうね。


最初は顔が綺麗だから無表情で余計に怖く感じてしまったけど、接してみると意外と甘えん坊さんなんですよね~
なんだか、息子ができたみたいね~



…はっ!いけないいけないっ!
私はまだ見た目7歳なのよ!
変な目で見られないように気をつけなくちゃっ!









一人で百面相しているビアンカは魔王が実は起きている事に気が付かない。

魔王は、かつて誰かに触れられて眠るなどあっただろうか?と考えていた。

今、百面相している少女は、私の魔力の移り器として攫ってきたというのに。
魔王の我が家畜に等しい人間に情が湧いたのか?
それともこの人間が変わっているからか?
はたまた、まだ人質としての利用価値があるからか?




嫌、我は此奴を人質にはしないだろう。





ただ、此奴の膝に寝て政務に疲れたら共に茶を飲めたらいい。

この気持ちはなんなのか?
今の我にはわからない………












最近、魔王様の訪室が増えているような気がする。

私は魔王様の魔力の器として連れて来られたた生贄であるのにこんな贅沢なくらしをしていても良いのだろうか?

ここに来て暫く経つ。このままなあなあではいけないだろう。魔国の人達とも大分仲良くなったとはいえ、けじめは必要だろう。


「ねぇ、魔王様。私いつまでここに置かれるのですか?私は魔王様の魔力の器としての力はありません。ここに来て2年ほどが経ちます。魔国の人達は優しく、ここでの生活は楽しいですが、、、」

「ならば、良いではないか。このまま暮らせば良い。私はお前が思いのほか気に入っている。嫌なことがないのならこのままここで暮らせば良い。」


確かにこのまま暮らせれば楽しいし、楽だろう。
けれど、それでも私は、前世と今世の記憶があり何より公爵令嬢としてのプライドがある。家族に嫌われてはいるが、、、

……まだまだ、複雑で葛藤もあるが、このままでいいわけがない!


「いいえ。どんなに仲良くなろうとも居心地がよくなっても私は魔国の敵である人間です。」

「っ!お前はあのような野蛮で利己的な家畜ではないっ!」


そう。魔国では、人間は魔族をモンスターと同じと括る低脳な種族と認識されている。

まぁ、わかります。だって、人間とサルを見て同じだと言われれば腹も立つだろう。
私は嫌です。


「…私もそのような人間にはなりたくないですが、同じ人間なのです。理不尽な理由で魔国と戦争を始めようとする愚かな人間の上位貴族の娘です。」


低脳な種族と魔族に認知されている人間の、更には魔国を侵略しようとしている国のトップ2です。


「ならばっ!お前が15になったら我の花嫁になれば良いのだっ!」


それは嬉しい…。けれど私はまだ7歳ですわよ?
きっと大きくなる頃には魔王様の興味も移り、相手になどされなくなるでしょう。

そんな惨めな思いをするならばいっそ最初から手など取りません。


「ふっ、ふふふ。魔王様ったらなんて我儘仰ってるんですか?」



今なら、冗談だと聞き流せます。



「我は冗談で言っているわけではないぞ。本気なのだ。」


興奮しているのか、赤い目がギラリと輝いている。真剣な表情で私を見ています。

魔王様は本当に私のことを好いていらっしゃるのかしら?
私はまだ7歳でちんちくりんな見た目で、どうしたって魔王様の目に止まらないと諦めて、只々移り器としての役目を果たすことだけを考えておりましたのに。

こんな真剣な表情で言われたら、私だって思いが溢れてしまうじゃないですか!

今までうまく隠していたと言うのに!

もう隠しきれないではないですか!



「えぇ、そのようですね。私はあなたをお慕い申し上げています。」

恥ずかしくてサラッと言ってみた。
えぇ、えぇ、お気付きでしょうけど私、今顔が真っ赤になっていることでしょう。


視線も受け止められず、思わず逸らす。

人生初の告白です。恥ずかしいので早く返事が欲しいのですが、、、


「……っ!//////
ちっ!なんで今そんなこと(そんな顔で)を言うんだっ!//////(抱きしめたくなっちまうだろう!)」


魔王様は右手で顔を覆い、顔を背ける。魔王は心の中で葛藤していた。




(くそっ!マジで可愛いな。まだ7歳とか拷問すぎる。てか、我はロリコンなのか?好きなのか?こんな幼子を愛しているなんて我はロリコンなのか!?いやっ!我が好きなのはビアンカであるからにして幼子が好きなわけではない!断じて違うぞ……………___)
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~

こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】 「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...