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「ラピ・・・そろそろ動いてもいいだろうか・・・」

「んぇ?」

僕の涙はようやく止まって、いま2人でピッタリと向かい合わせで抱き合っている。幸せで胸も身体もいっぱいで、ちょっと忘れていたけど、僕のお尻には・・・ジルが入ったままだった。しかも全然萎えてない。

「あっ、え、そ、その、僕、もう抜いてもらってもだいじょ、」
「俺が無理だ。動くぞ。・・・気持ち良くなろうな?」
「ひゃっ、ジ、ルぅ、ああっ、うあっ、んんん、」

それから激しい抽送が開始されて、僕はひたすら喘いだ。それはもう、声がカラカラになるくらい。
ジルは終始甘い言葉を囁き続け、僕は一生分の告白をされた気がした。




「ラピ、おやすみ。あとは全部任せてくれ。いい子だから。」

ずるり、とジルの立派なモノが引き抜かれた後、疲労感と強すぎる快感でヘトヘトになっていた僕が最後に聞いた言葉だった。

次にパチリ、と目が開いた時にはもう真夜中で、窓の外には森の深い闇が広がっている。
隣には僕の身体をがっしり固定するジルが寝ていて、ちらり、と頸を覗き込むと僕の小さな歯形が残っていた。
僕は何だかとっても嬉しくなって思わず「ふふふ」と笑ってしまった。

「・・・ん、ラピ?どうした?起きたのか?お腹すいたか?」

「ふふっ、お腹すいたけど、もうこのまま寝よう、ふふ」

「・・・嬉しそうだな。」

「ん?そりゃあ、ジルと番になったんだもん。嬉しくて・・・ふふ、笑っちゃう。」

「はぁ・・・俺の番はどうしてこうも・・・はぁ、可愛い。ラピ、匂い嗅がせてくれ。」

くんくんくんくんくん・・・と僕に綺麗な形の鼻を擦り付けるジルにまた僕は笑ってしまって、すっかり目が覚めてしまった。

僕はジルに抱えられたままキッチンに向かい、ホットミルクと素焼きした胡桃を用意した。


「あ、今度、ヴァル様とジョルテさんにお詫びのお菓子を焼こうと思うんだ。ミハスそっちの騎士団の詰所に行ったら会えるかな?」

「・・・・・・・・・・・・俺が預かろう。ヴァル様には2度と会わせない。ジョルテなら・・・まあ会ってもいい。」

「ええ・・・?あ、じゃあジョルテさんに渡すから、ジル一緒に行こう。それならいいでしょ?」

「・・・・・・分かった。俺からくれぐれも離れないと約束してくれ。ニール団長もいるからな・・・はぁ。」

「?うん、分かった。ありがとう、ジル!」













後日、ミハスの騎士団の詰所に現れた僕を驚愕の眼差しで見ている騎士団の人たちと、またもやお腹を抱えて笑っている団長様、そして顔が引き攣って苦笑いのジョルテさんが出迎えてくれた。

「お、お仕事中ごめんなさい!団長様、お久しぶりです。あの、これ皆さんで召し上がってください。僕の・・・つ、番がいつもお世話になってます・・・!うわぁっ、」

「・・・ラピ、そんな可愛い顔を見せる必要は無い。では私は午後休みいただいてますので。失礼します。」

「ギャハハハハハ!そこまで大っぴらに嫉妬されると清々しいな!ラピくん、またおうちに遊びいくからねぇ~!お菓子ありがとう!」

「・・・ヴァル様には私からお渡ししておきます。お元気で、ラピさん。」

「んむ、むむむ、むむ!んん!」


沢山の騎士団の視線を浴びながら、僕はジルに抱えられ、口をジルの手で覆われていてまともに喋れなかった。は、恥ずかしい・・・!赤ちゃんみたいだ。
ジロリ、とジルを睨んだが、ジルは当然だ、と言わんばかりの顔をした後、ちゅ、と額に口づけてから騎士団を後にした。

僕とジルがいなくなった詰所では、「あの氷を!あの分厚い副団長の氷を、あんな可愛い子が溶かしただと!?」「羨ましい!」「俺も番になりたい!」「お前殺されるぞ!!?」と軽い騒動になったらしい。後日、兄ジョルテから事情を聞いた弟のフィードがケタケタ笑いながら教えてくれた。「もう恥ずかしくてあそこには行けない・・・」と僕は真っ赤な顔を覆ったのだった。
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