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「ひあぁんっ!」
「……っく!」


 ひときわ高い瞳の嬌声がこぼれた瞬間。
 二人同時に精を放てば、二人の腹が汚れ、瞳の奥には円の欲情が注ぎ込まれる。円は欲望に抗えずに瞳の唇に獰猛なキスを送った。
 日付けが変わったとほぼ同時に達したことにすら、二人が気付くことはないだろう。どのくらいこうしているのか。薄暗い部屋の中は欲情した雄の空気に満たされ、瞳の嬌声が響いている。


「ひ、あぁ……んっ! んぅ、や、また……っ!」
「ん。俺はまだ一回、、、、だからね。付き合ってもらうよ……」
「んぁ、あぁ……っ、むりぃ……っ」
「無理じゃない。いつもちゃんとシてるでしょ」
「あぁ!」


 硬度を保ったままの『円』をナカでグリッと押し付けられて、瞳は思わず喘いだ。


「も……、だって……オレ、なんかいも……っ!」
「うん、何回もイってるね。瞳、可愛い」
「ふ……っ」
「瞳? 俺まだ動いてないけど……」
「んぁ……っ、あ」
「ん、少し締まった。もしかして、名前呼ばれて感じてるの?」
「や、ちが……っ」
「瞳。愛してる」
「あっ! や、あぁ……っ!」


 繋がったまま、何か察したらしい円が甘い声で囁けば、瞳はびくりと身体をのけぞらせた。瞳の勃ち上がって震えるモノから白濁がピュッとこぼれ出る。


「は……。可愛すぎでしょ」
「や……、みるな……っ」


 瞳は円の視線から逃れようと、腕で顔を隠すけれど、その手を、する、とベッドに縫い止められる。


「あ……」


 逃がさない。そんな円の意志を感じて、瞳はふるりと震えた。受け入れたままの楔が、ゆっくりと引き抜かれ、再びぐちゅりと奥までおかしてくる。


「ひ、あ……っ!」


 ゆっくりとした抽挿を繰り返されて、ぐちゅ、ぐぷり、と淫猥な水音が耳に響く。
 瞳のナカで感じる『円』は熱くて大きくて。今日はそのまま挿入れてほしいと、瞳がねだった。
 円の声が好き。顔も性格ももちろん好きだけど、時折強引な所も、優しい所も好き。優しいぬくもりも好き。円が瞳の名前を呼ぶのが好きだし、キスも好き。そんなの、セックスの最中にされたら、感じないはずがない。


「瞳……」
「は、ぁん……っ! んぅ、あ、あぁ……ん!」
「瞳。可愛い、瞳……」
「や、あ、あ……っ、きす、して……っ!」
「ん」
「んぅぅっ! ん、ん……っ、んぁ……っ、んく、う……っ」
「…………っは、トロトロだね。奥と、コッチ」


 キスで散々に翻弄された瞳は、もうぼんやりとしか考えられない。
 円は瞳の奥まで挿入したままで、下腹部の辺りをトントンと軽く叩いた。


「……ひっ!?」


 瞳がナカで感じるポイント。前立腺のあたりだ。


「両方したら、どのくらい気持ちいいかやってみる?」


 言いながら、円は外からの刺激を止めない。


「や、こわい……っ!」
「怖くないよ、大丈夫」


 円は繋がった場所を、ぬるりと撫でる。


「ひぁっ!」


 瞳がびくりと震えて嬌声を上げるから、円は瞳を宥めながら繋がった部分を撫でてはゆっくりと解し始める。


「や、や、あぁ……っ! んぅ、あ、あぁ……んっ!」
「そろそろ、いいかな……」


 呟き、円は瞳のナカに楔を挿入れたままで指を挿入する。


「い、あぁぁっ!」


 ゆっくりと挿入した指は、相当な圧迫感となる。瞳は悲鳴のような声を上げてのけぞった。


「……やっぱりキツいか」


 そう言いながらも、円はうねって絡み付いてくる瞳の内襞に誘われるように、ポイントを探った。指で届く場所に、それはある。
 コリコリとしたソコ、、に触れれば、瞳の身体が跳ねた。


「ひあぁんっ!」


 瞳の嬌声と共に、白濁がピュクッと飛んだ。


「今、甘イキしたね?」
「あ……、あ、はぁ……っ!」
「瞳……」
「あ……っ!」


 円が丁寧に奥を突き上げ、前立腺をコリコリと撫でてやれば、瞳は生理的な涙をポロポロと零す。ギリ、とシーツを掴んで、いやだと訴えるように頭を振った。


「やっ! それ、りょうほうしたら……いやぁ……っ!」
「でも気持ちいいね? ずっとイってる」
「きもち、よすぎて……っ、あたま、くちゃくちゃに、なる……っ!」
「ごめんね、いじめすぎた? 瞳、好きだよ」
「ん、あ、あぁぁんっ!」
「……っ!」


 瞳が達した瞬間にナカがうねり、円も一緒に持っていかれた。


「は、はぁ……、あ」


 今までにない感覚にまだ呼吸の整わない瞳の蕾から、円が指とペニスをずるりと引き抜くと瞳がびくりと震えた。


「っあ! やぁ……っ! ぬかないで……!」
「瞳。でもツラいでしょ?」
「やぁ……っ! いかないで、いっちゃやだ……っ!」
「……瞳?」


 泣きながら円に縋り付く瞳に、円は戸惑いを覚えた。


「まどか……、きえないで……」
「瞳……」


 ほろり、と零された言葉に、何を言いたいのかは明白だった。風の精霊との契約は、瞳の心を苦しめ続ける。円がどんなに大丈夫だと言っても、瞳の罪悪感は消えないだろう。
 けれど、深層心理が現れた今だからこそ告げなければならないと円は思う。
 むくむくと再び熱を持ち頭をもたげ始めた己の欲望を、再び瞳の蕾へと挿入する。


「は、あぁ……っ、あ」


 限界まで拡げたソコは、熱い楔をすんなりと飲み込んだ。
 ぐちゅ、ぬぷり、とやわらかく律動を繰り返し、円は瞳の耳元で囁く。


「瞳。瞳、聞いて」
「ぁん、ん、……っふ、は……ぁ」
「瞳。俺が分かる?」
「んく、ふ……、まどか……ぁ、あ」
「うん。俺は、消えないよ。ずっと、瞳と一緒にいる」
「あ、はぁ……ん、ん……っ、ほんと……に? っあ……ぁ、あ……っ」
「本当に。絶対に、一人にしない」
「んは……、あぁ……ん、う、ふぅ……、うれし……、あ、あぁ……んっ」


 嬉しそうに瞳がふわりと笑うから、ゆるやかだった円の律動は、途端に激しいものになる。


「瞳。瞳、好き。大好き、愛してる」
「あ、あ、あぁ、んぅ……っく、はぁ……んっ! あ、も、イ……く……っ!」
「ん、イって」


 円が瞳の腰を抱えて深く突き上げ、腹のイイ所もグリ、と押してやれば、瞳は今日いちばんのつやめいた声で白濁を放った。


「あ、あああぁぁぁんっ!」
「……っふ!」


 瞳の声に煽られ、円も絶頂を迎える。どくりと放った白濁は、瞳の奥を更に刺激して吐精を長引かせる。


「あ、あ、あぁ……っ! んく、ぅ」
「瞳」
「あ、はぁ……、まどか……キス、して……」
「ん……」
「んぅ、ん……、ぁん、ふ……はぁ、あ、……ん……」


 円を引き寄せた瞳の腕から不意に力が抜けて、ぱさりとシーツの上に落ち、瞳は意識を手放した。
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