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ラスティアの街
冒険者ギルド
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ラスティアの街は、プレイヤーが始めてログインする場所で。
辺境の地にある街ではあるのだが、とんでもなく危険な地域で
魔物の襲撃なんて日常茶飯事、吐いて棄てても、どこからともなくやってくる。
そのお陰で、この街に住む住人はどいつも精鋭揃い。
人手はいつでも足りていない、冒険者になりたいならラスティアへ。
あなたは冒険者になる為に、ラスティアへと足を踏み入れた。
というのが設定だったか、見た限りではゲームとの違いは無さそうだが
門の左右に立っている、金属鎧を来た門番を見つつ
開いてある街に向かって、歩みを進める。
「止まれっ! ラスティアの街に何の用だ!」
鋭い声で制止を求められたが、その声が日本語で聞こえてきたことに安堵する。
「森を跨いで、最寄の街に来ただけだ、通してくれないか?」
訝しげな目でこちらを見ていたが、隣の門番と目配せすると
通れ、と声をあげたので通らせてもらう。
通行料とか取らないのかと、思いつつ横を通りすぎる。
「おいっ! ラスティアで面倒を起こすなよ」
「ああ、お疲れさん」
街に入り改めて回りを見やる、シンボルである時計塔はもちろん。
住居やそこかしこから聞こえてくる喧騒。
まるで、田舎から出てきたかのように辺りへと、視線を滑らせる。
音が、匂いがあるだけでこんなにも、印象が違うのかと感動する。
飲食店から漂う香ばしい匂い、訝しげにこちらを見る視線。
武具屋から独特の鉄の匂い、親に強引に連れられて離れていく子供と、目が合う。
店舗へと入っていく馬車、目が合うなり逃げ出す、客引きらしき店員。
…………いや、おかしいだろ!
明らかに兵士だった、門番達から訝しげに見られるのは、まだわかる。
まるで、犯罪者を見たような親の反応や、不良に絡まれたように、逃げ出されたり。
今にも、こちらに拳を振り上げそうなほどに、睨み付けられる覚えはないぞ!?
こちらが帯剣しているから、という理由ではない。
現に、オレより前に居るヤツには、一切そんな視線が向けられていないからだ。
…………居心地は最悪だが、できる事から始めていこう。
まずは、冒険者ギルドがちゃんと存在しているか確認しよう。
冒険者ギルドはすぐに見つける事ができた。
飲食可能なスペースがあるのか、それなりに賑わっていた。
だが、オレが一足踏み入れた途端に、こっちに気づいた男が黙り込む。
相席していたヤツが、こちらを振り向き黙る、それが連鎖していった。
中に入って暫くすると、ポツポツと会話がされていくが
まるで、先ほどまでの喧騒が嘘のように、静かに会話をしている。
受付らしき場所では、かなりの列ができていたのだが。
物凄い速さで列が無くなっていた。
受付で色々と聞きたいのだが、この空気で並びたくないなぁ
なんて思っていると、ギルドのルールについて纏めてある本を見つけた。
読み進めると、今のオレに必要な情報が載っていた。
【冒険者の身分はギルドが保証する】と。
つまり、その国で登録した冒険者は、その国出身とするといった感じだろうか。
正確には、違うようだが噛み砕いた言い方をすればそうなる。
最後まで読み終わると、受付にも何人か並んでいたのでその列に入る。
途中、オレに気づいた前のヤツが、すごい勢いで離れて行ったのが印象深い。
オレの順番が回って来た途端に、受付嬢がしかめっ面に変わった。
「用件は?」
「ギルドに登録したい」
その声を聞くと、紙とペンを取り出し机に置いた、無言で。
他の相手に丁寧に接していたのは、聞こえてきてたので特別対応だ。
用紙には名前、年齢、職業、身体情報、スキルとある。
果たしてこの対応で、質問したら答えてくれるのだろうか?
「全部埋める必要はあるか?」
「書きたくないならそうすればいい」
「……スキルは何の為だ?」
「能力の把握」
「身体情報」
「本人確認」
「職業は?」
「系統把握」
聞けば最低限は、答えてはくれるのか。
能力の把握って事はパーティの斡旋、或いは受けれるランクか?
身体情報は、埋めなくても目測で埋めそうだな、指名手配する場合の為に。
職業は恐らく、スキルツリーの事だろう正直、書かなくてもよさそうだが
職業によって派生するツリーを把握するのは大変だからな。
念の為に、認識が合っているかどうかを質問したが、それでいいらしい。
さくさく項目を書いていって、最後にレスティア・ツヴァイと
ゲームの時に使っていた名前を記入して渡す。
「バカにしているの?」
「……なにがだ?」
「読めない字で書くのはおかしい、書けないなら代筆を依頼するのが常識」
本に書いてあったように、書いただけなんだが。
少し気になり、同じ言葉を漢字、ひらがな、魔法文字で書いて見せる。
「これは読めるか?」
「……魔法文字? こっちは文字じゃない、ふざけるなら帰って」
「魔法文字は読めるのか?」
「普通は読めない」
オレは読むことはできても、書くことができないという事実に
頭を悩ましながらも、とりあえず代筆を頼む事にした。
「5コルセ」
ポケットに手を入れ、10コルセを取り出す。
迷惑料代わりに、上乗せしてやろうと思ったからだ。
「ッ」
「……これでいいか?」
「…………釣り取ってくる」
迷惑料代わりに取っておけと言って、10枚でてきたうちの
2枚だけを渡す、途中、大金を見るような目に変わったのが、引っかかったからだ。
しばしこちらを見つめたのちに、すごい勢いで二枚を懐にしまいこむ受付嬢。
反応から考えると、どう考えても渡しすぎだが。
紙幣価値を調べるまでの間だけだ、始めは騙されそうだが。
まぁ仕方ないだろう、少しだけ自覚を持って行動した方がよさそうだ。
代筆依頼のついでに、フルネームではなくレスティアのみにした。
他には特に何もなく、最後に血を一滴、垂らして登録が終わったらしい。
血から何を読み取ったのかが気になるが、聞いた所で教えてもらえないだろう。
発行されたギルドカードには、レスティアと名前もあり懐に仕舞い込む。
オレでもできそうな依頼があるか、依頼表を見ていた時だった。
「たっ大変です! 魔物氾濫が発生しました!!!」
辺境の地にある街ではあるのだが、とんでもなく危険な地域で
魔物の襲撃なんて日常茶飯事、吐いて棄てても、どこからともなくやってくる。
そのお陰で、この街に住む住人はどいつも精鋭揃い。
人手はいつでも足りていない、冒険者になりたいならラスティアへ。
あなたは冒険者になる為に、ラスティアへと足を踏み入れた。
というのが設定だったか、見た限りではゲームとの違いは無さそうだが
門の左右に立っている、金属鎧を来た門番を見つつ
開いてある街に向かって、歩みを進める。
「止まれっ! ラスティアの街に何の用だ!」
鋭い声で制止を求められたが、その声が日本語で聞こえてきたことに安堵する。
「森を跨いで、最寄の街に来ただけだ、通してくれないか?」
訝しげな目でこちらを見ていたが、隣の門番と目配せすると
通れ、と声をあげたので通らせてもらう。
通行料とか取らないのかと、思いつつ横を通りすぎる。
「おいっ! ラスティアで面倒を起こすなよ」
「ああ、お疲れさん」
街に入り改めて回りを見やる、シンボルである時計塔はもちろん。
住居やそこかしこから聞こえてくる喧騒。
まるで、田舎から出てきたかのように辺りへと、視線を滑らせる。
音が、匂いがあるだけでこんなにも、印象が違うのかと感動する。
飲食店から漂う香ばしい匂い、訝しげにこちらを見る視線。
武具屋から独特の鉄の匂い、親に強引に連れられて離れていく子供と、目が合う。
店舗へと入っていく馬車、目が合うなり逃げ出す、客引きらしき店員。
…………いや、おかしいだろ!
明らかに兵士だった、門番達から訝しげに見られるのは、まだわかる。
まるで、犯罪者を見たような親の反応や、不良に絡まれたように、逃げ出されたり。
今にも、こちらに拳を振り上げそうなほどに、睨み付けられる覚えはないぞ!?
こちらが帯剣しているから、という理由ではない。
現に、オレより前に居るヤツには、一切そんな視線が向けられていないからだ。
…………居心地は最悪だが、できる事から始めていこう。
まずは、冒険者ギルドがちゃんと存在しているか確認しよう。
冒険者ギルドはすぐに見つける事ができた。
飲食可能なスペースがあるのか、それなりに賑わっていた。
だが、オレが一足踏み入れた途端に、こっちに気づいた男が黙り込む。
相席していたヤツが、こちらを振り向き黙る、それが連鎖していった。
中に入って暫くすると、ポツポツと会話がされていくが
まるで、先ほどまでの喧騒が嘘のように、静かに会話をしている。
受付らしき場所では、かなりの列ができていたのだが。
物凄い速さで列が無くなっていた。
受付で色々と聞きたいのだが、この空気で並びたくないなぁ
なんて思っていると、ギルドのルールについて纏めてある本を見つけた。
読み進めると、今のオレに必要な情報が載っていた。
【冒険者の身分はギルドが保証する】と。
つまり、その国で登録した冒険者は、その国出身とするといった感じだろうか。
正確には、違うようだが噛み砕いた言い方をすればそうなる。
最後まで読み終わると、受付にも何人か並んでいたのでその列に入る。
途中、オレに気づいた前のヤツが、すごい勢いで離れて行ったのが印象深い。
オレの順番が回って来た途端に、受付嬢がしかめっ面に変わった。
「用件は?」
「ギルドに登録したい」
その声を聞くと、紙とペンを取り出し机に置いた、無言で。
他の相手に丁寧に接していたのは、聞こえてきてたので特別対応だ。
用紙には名前、年齢、職業、身体情報、スキルとある。
果たしてこの対応で、質問したら答えてくれるのだろうか?
「全部埋める必要はあるか?」
「書きたくないならそうすればいい」
「……スキルは何の為だ?」
「能力の把握」
「身体情報」
「本人確認」
「職業は?」
「系統把握」
聞けば最低限は、答えてはくれるのか。
能力の把握って事はパーティの斡旋、或いは受けれるランクか?
身体情報は、埋めなくても目測で埋めそうだな、指名手配する場合の為に。
職業は恐らく、スキルツリーの事だろう正直、書かなくてもよさそうだが
職業によって派生するツリーを把握するのは大変だからな。
念の為に、認識が合っているかどうかを質問したが、それでいいらしい。
さくさく項目を書いていって、最後にレスティア・ツヴァイと
ゲームの時に使っていた名前を記入して渡す。
「バカにしているの?」
「……なにがだ?」
「読めない字で書くのはおかしい、書けないなら代筆を依頼するのが常識」
本に書いてあったように、書いただけなんだが。
少し気になり、同じ言葉を漢字、ひらがな、魔法文字で書いて見せる。
「これは読めるか?」
「……魔法文字? こっちは文字じゃない、ふざけるなら帰って」
「魔法文字は読めるのか?」
「普通は読めない」
オレは読むことはできても、書くことができないという事実に
頭を悩ましながらも、とりあえず代筆を頼む事にした。
「5コルセ」
ポケットに手を入れ、10コルセを取り出す。
迷惑料代わりに、上乗せしてやろうと思ったからだ。
「ッ」
「……これでいいか?」
「…………釣り取ってくる」
迷惑料代わりに取っておけと言って、10枚でてきたうちの
2枚だけを渡す、途中、大金を見るような目に変わったのが、引っかかったからだ。
しばしこちらを見つめたのちに、すごい勢いで二枚を懐にしまいこむ受付嬢。
反応から考えると、どう考えても渡しすぎだが。
紙幣価値を調べるまでの間だけだ、始めは騙されそうだが。
まぁ仕方ないだろう、少しだけ自覚を持って行動した方がよさそうだ。
代筆依頼のついでに、フルネームではなくレスティアのみにした。
他には特に何もなく、最後に血を一滴、垂らして登録が終わったらしい。
血から何を読み取ったのかが気になるが、聞いた所で教えてもらえないだろう。
発行されたギルドカードには、レスティアと名前もあり懐に仕舞い込む。
オレでもできそうな依頼があるか、依頼表を見ていた時だった。
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