異世界で邪神を拾ってしまった

ミナヅキ@jasin

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ラスティアの街

足がかり

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目的地である場所は、クズが居た屋敷だった。
ウルグが早歩きで向かって行くのに追随していく。

――フィーネも伴ってその場所に行くことになってしまった。
『レティー、逃げそう』と言われ、始まりそうな口論から逃げる為だ。

急いで対処したそうなウルグの態度に、向かったのだが。

「おい、まさか、この程度で騒ぎ始めたのか?」
「レスティアにとっては、他人事かもしれないが! 大事だろうが!?」
「……もう一度聞きたいんだな? どうやら理解できなかったみたいだ」

確かに、一見すれば、思わず騒ぎ立てたくなる有様だ。
だが、冷静に判断するのであれば、緊急事態ではない。

呼ばれた理由にも合点がいく、確かにオレが呼ばれるだろう。

何が起きているか? 屋敷の地下にあるダンジョンから魔物が溢れてきている。
なぜ呼ばれたか? 冒険者達が、役に立たないからだ。

「1つ、街にまで溢れ出てきていない、2つ、入り口だけは死守できてる
 3つ、倒せないほどの脅威が現れたわけでは、無い」
「ウルグ……お前は、人の目を気にする立場だろう?
 なら、オレはどう見られたんだろうなぁ?」

その言葉に反論できずに、黙り込んでいるウルグを更に追い詰めるヤツが居た。

「頭が悪いと、レティーに反論できないよ? 自業自得だよね、強く生きて」

正座させていた・・・・・・・ウルグの足を、無慈悲にも刺激しながら。
率先して、トラウマになりそうな言葉をぶつけるフィーネ。

おい! わざとやってるんだろ!?
ウルグのせいで、自分が動く事になったと気づいてるよな!?

強く生きてって、お前は頭が悪いから学習して
二度と手を煩わせるなって意味だと気づいて発言してるよな!?

「ウルグ……オレは善意から忠告してやる、フィーネを怒らせるな
 正確には利用しようとしない事だ、どうやら許せないらしい」
「……お前の、悪影響なのか?」
「オレが怒っているのは、この程度で騒いだ事だ、状況は理解してるだろう?
 フィーネはオレの影響じゃない、気が晴れるまで、続けるんじゃないか?」

断じて、オレの悪影響ではない。
だからと言って、助けてやるつもりも、無い。

オレが一日も早く平穏に過ごす為だ、二度は繰り返させない。

そうして、ウルグが解放された時には、満足に足が動かせないほど痺れたようだ。



「酷い目に合ったぜ……まさか、あんな方法で立てなくなるとは
 一体、どうしてそんな方法を知っていたんだ?」
「優先付けろって意味を、体で理解するまで、座るか?」
「私は一向に構わない、どれだけ、悔い改めさせても足りないから」

改めて、考える。

使えない冒険者は2種類だ、戦えるヤツと、戦えないヤツ。
戦えないヤツは――ゾンビの生々しさ――で吐いていた。

元は、人間だったのでは無いかと思うほどに、気持ち悪い見た目なのだ。
精神的嫌悪感から、戦える精神状態に無い事を責めるヤツは少ないだろう。

戦えるヤツは、物量に押されてしまう。
有効な攻撃法である、聖属性を使っていないから、当然なのだが。

つまり、聖属性を使える人間が居ないか
それが、有効だと伝わっていない可能性がある。

幸いにもまだ、大きな怪我をしたヤツは、居ないようだ。

「フィーネ、そこまでにしてやれ、次にウルグが何かした時には止めないから」
「お、おい、助けてるように見せかけて、煽るんじゃねぇよ!?」
「むー、まぁめんどーだし、もういっか…………次は無いよ?」
「で、ウルグはオレに何をさせたかった? 言わずに伝わるとでも?」

報復は終わったんだよな? どうして強調する?
という疑問の表情は浮かべたものの、考えを教えてくれる。

この場所は危険だから、できれば全域の魔物を倒して欲しい。
必要なら人員を送る、騒ぎを大きくしたくない。

そう言い切られた。

「そうか、断る」
「助け合いの精神はねぇのか!? できるだろう?」
「ウルグ、許せないことはあるよな? オレは利用されるのはゴメンだ」
「……放っておけば、ラスティアに居られなくなるぞ?」
「本音を言ってみろよ? ラスティアの発展の為に働けってな
 …………オレはここの地下が吹き飛んでも、構わないぞ?」

オレが安請け合いすれば報酬を考えなくて済むとでも思ったか?

「レティーは性格悪いから、裏の意味なんてすぐに理解するよ? 残念だね」
「おい、もう許してやれって言ったよな!?」

同じ男として同情する、フィーネは一見すれば可愛いのだ。
それにウルグの年齢なら、娘を投影するかもしれないような背だ。

その衝撃と言えば、いい年をした男なのに
私よりも、言葉を理解できないの? と言われるものだろう。

可愛い女の子から、言質を取られないようにするのが大人でしょ?
と、遠まわしに伝えられる事は、どれだけ残酷なのだろうか。

しかも、私でもできるんだよ、と言葉を選んでくる。

もはや詐欺だろう、あの表情を見てやれ!
一気に老けたと錯覚するほど、表情が消えてるじゃないか!?

……一先ず、地下への入り口を塞いだり、冒険者達を見送ったり。
掃除をしたり、時間を置いてから、改めてウルグと話し合う。

「……何を、約束すれば動いてくれるんだ?」
「オレはお前が、何をできるのかを知らないぞ?」
「…………条件付で、オレの庇護下に置く、それでどこまで動く?」

庇護下ねぇ? 悪いな、オレは街の人間を信用はできない。
しかもそれは、ウルグにとってのメリットもあるだろう?

この際だから、この状況を利用するか……?
さて、ラスティア・ウルグ? 気合を入れて反論をしろよ。

恩はあっても、使えないバカはいらないからな。
まぁ、無茶な要求はしないさ。





「こ……この…………邪神共がっ!!?」

例え、屋敷中にウルグの声が響き渡ったとしても。
無茶な要求は、していない――筈だ――
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