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09知ったかぶりの失落貴族は元婚約者を知る
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もっとよく見たくて近づこうとすると、前に人が現れたことで足を止めた。
「お久しぶりです」
「ええ。お久しぶりです」
本当はちっとも覚えてなかったが、社交というのは良くも悪くも足し算。笑顔で嘘をつき、相手が誰か会話の中で探れば良い。
このような立ち位置になって、嫌になる程瞳が見下されていることに気づくようになった。それを飲み込み、なんとか立っている。
「ええ。この夜会は……楽しんでいただけていますか?」
「はい。楽しんでます。とてもよい飾り付けが目を楽しませてくださって、誰がやったのか気になりますね」
「はは。実はうちの妻なんです」
「ほう、奥様が……羨ましい限りです」
なんだ、自慢かとさらに興味を無くす。だが、彼が後ろを向き男が妻の名前を呼んだことで意識が変わる。
「イレーヌ、こっちだ」
「イレーヌ?」
復唱していたら、煌びやかでありながら眩しすぎないドレスを着た女性が優雅に歩いてきた。その姿に懐かしさと過ぎ去った過去が到来。
「どうしたの?」
「ほら、彼がこの場所の飾り付けを褒めたから」
「そうなんですのね。それはありがとうございます」
こちらの姿や肩書を認識しているはずなのに、まるで初対面のように挨拶してくる。酷い。僕はこんなに苦労しているのに。どうしてなかったことにするんだ。
「ドミニク様、聞いてください。先ほど大公家の婦人が注文をしてくださったんですのよ」
「よかったですね」
オリジナルの作品を作る、だとか気に入ってくださったのだ、とこちらのことを無視して話し込む。失礼じゃないのか?
「なんなんだ、君は」
少し声が大きかったからか、周りがこちらを見るのを感じた。けれど、周りのことなど気にならず目の前のことしか目に入らない。
「あら、どうなさったの。大きな声を出して」
「な、わ、わかってるくせに、意地悪を言うなっ」
「意地悪、ですか?」
「ああ!私は王太子で」
言いかけて止まる。つい今までの癖で言ったがもう違う。
「継承権が最上位ではなくなったと伺いましたが」
イレーヌが首を傾げて問いかけてくることに顔を赤くした。恥ずかしさでだ。なんて女だ。幼馴染を辱めるなんて。
「失礼じゃないか?」
「えっ?本当のことを、言っただけで……?」
「ほ、本当……って。すぐに、元に戻る」
酷い言葉を告げられて目の下が赤くなるほどの怒りと羞恥心が湧き上がった。幼馴染に愛想一つ向けようとしないなんて薄情だ。
「酷いじゃないかっ!婚約までしてた仲なのに……!情すら与えないなんてそんな女性だったのかい?知らなかった」
言い続けると女は諦めた顔つきでぱらりと扇子を広げる。
「私のことを知らないって。何一つ元々知らないのに、知ったかぶりはやめてください」
「なっ!?」
驚いたこちらにさらに詰る口調で言い募る。
「私の好きなものを一つも知らないのに、私のことをあたかも知っているように語るのは不愉快ですの」
「……は」
言い草に口を開こうとしたが、男の方が追って発言したために言えなくなる。
「私からもお願いします。彼女は私のパートナーだ。馴れ馴れしくしないでもらいたい」
「な、馴れ馴れしく?私は彼女と幼い頃から、婚約していて、彼女とは」
何が言わなくてはと言葉を繋いでいくけれど、ぷつりとなる人生の時間になると何も言えなくなる。婚約をなくしたときだ。ぐっと唇を引き結ぶ。
「婚約破棄したので元婚約者でしてよ、元王太子様」
「もと……酷い」
酷くて悲しくて思ったことを声に出すが、相手は手を緩めてくれはない。むしろ、勢いが増す。露骨に顔を顰める周り。
幼馴染なのだから周りに大切な男だと言いふらしたくれたっていいじゃないかと、ジルベールは思った。けれど、彼女から出たものは正反対のもの。きつい声音で、こちらを責める。
「ジルベール様……あなた、お子様はいかがしておりますの?ご健在ですよね?」
「!―そ、れは」
痛いところを突かれた、赤ん坊のことを聞かれたって知るわけがない。イレーヌの元に持って行った日以降、顔を見てもいない。マリシアも顔を見たら詰りたくなるので会ってない。
父と母はもうこちらを優秀な息子ではないし、バカな継承権を下位に落としたとしか見ていないのだ。完全に信頼と信用を落とした。王族として再起はありえない。
問われて言葉に詰まる。それを見たイレーヌは瞳を細めて呆れたように口元を閉じる。やっぱりねといいだげで悔しく思う。どうしてそうも責められるのだろうか。
嬉しいと普通は思うはずなのに。マリシアに女として、婚約者、ジルベールの妻候補としての立場を奪われたから。だからマリシアが朽ちればまた返り咲けると教えよう。
「イ、イレーヌ。君に朗報が」
「だから、呼び捨てにしないでくれるかしら?敬意を示してくれる?失礼なのよ。さっきから同じことを言っているのに、相変わらず人の話を聞かない男ですね」
「え、あ、え?なに、言って」
喜びの言葉をかけたのに。まだ途中なのに彼女は忌々しそうに言い始める。イレーヌと呼ぶのは婚約者としての特権だったからいつもの調子で呼びかけただけだ。
失敗の一つや二つ、そんなに目くじらを立てなくても。この国に来て誰かに感化されたのか?
感化されたとしたら隣にいるドミニクという男。父がイレーヌはドミニクという男と婚約したなどと冗談を言っていたが、信じるわけがない。
イレーヌはあの時、自分との婚約がなくなってそんなに経過していなかったのだ。いくらなんでも早過ぎる。
「お前、まさか婚約者のフリをしているという男か?」
「いいえ」
否定するのでやはりな!と腕を組んでイレーヌに勝気な顔を向ける。ジルベールに一度くらいフラれたからと婚約者ができたなんて虚偽を言うなんて。そんなに婚約の破棄が嫌だったのだなと笑う。
「婚約者のフリ、ではなくイレーヌ様の父上に正式に認められた婚約者ですよ。最近籍を入れたので妻となりました」
「ドミニク様、また私に様つけをしてますよ」
「ふふ、すみません」
「……へ」
ぽかんとなる男はドミニクを見る。見たことがあるような気がして思い出そうとするが、なぜか頭にモヤがかかって、思い出せない。赤ん坊をプレゼントしに行った日のことは、そこまで詳細に思い出せないのだ。
医者にかかったのだが、その日のことが認められなくて、記憶に鍵をかけているのだとか。首を傾げて、そんなの知るわけがないだろうと注意してやったのだ。
医者なのに鍵という物理的な言葉を使えば、腕の悪さを誤魔化せると思っているのかもしれない。最近の王宮もおかしいので、医者もサボっているのだ。
「はは、面白い余興だ」
笑い出した元王太子。他国の男にドミニクは首を振り黒服の男たちに何か言うとジルベールは腕を掴まれて会場の外に強制的に出された。
「何をする!」
「ジルベール様!おやめください!」
お目付役としてついてきてきた男がなんてことをしたのだと叱ってくる。ジルベールより爵位が低いくせにと掴まれた腕を振り払う。
「離れろ!帰る!」
不愉快で国に帰国するとイレーヌとドミニクからの抗議文が先に届けられており、国王の父と王妃の母からかなり酷く叱責された。なぜ!?
「聞いてください父上!イレーヌが酷いのです!私を裏切って他の男と婚約しているなどと嘘をついて」
「はぁ?お前は何を言っている?裏切ったのは貴様だろう!そんなことを言っている暇があるのなら、公務くらいまともにこなせっ」
「母上!」
母に顔を向けるとマリシアのことを詰められる。会いに行けと。
「あの子は托卵により国外追放に決まったと伝えたのに、いつになれば会うのですか?お前が選んだものからずっと目を逸らすことなど許されませんからね」
「え?ああ、追放でしたね。別に処刑でもいいと思ったのですが、随分と偽物に甘いのですね」
「は?前も言いましたよね?相変わらず忘れやすくなった後遺症が……もうお前はダメなのかしら」
「忘れてないです!失礼ですよ、母上!」
忘れてなんかいない。考えることがたくさんあるので、もう捨てたもののことなんて覚える必要がないと思っただけじゃないか。
ジルベールは一度精神に負荷がかかったことにより、後遺症で覚えることが多くできなくなった。そのことすら忘れて日々を生きている。
マリシアのことも、子供のこともたまに思い出してはすぐに忘れる王子。社交界がまともにこなせるわけもなく、公務も将来的にさせてもらえなくなるだろう。
「衛兵、こいつを部屋に戻せ」
国王の声が遠く聞こえるのをぼんやりと聞いて、イレーヌに求婚の手紙を書かないといけないと。もう二度と会うことができないことすら知らずに、国王と王妃の失落のきっかけを作った王家の結晶。
「うう、イレーヌさえ選んでいればっ」
「王妃、意味のないことはもう言うな」
夢見る瞳をしながら、がちゃんと鍵をかけられる音と共に閉じ込められた。
「お久しぶりです」
「ええ。お久しぶりです」
本当はちっとも覚えてなかったが、社交というのは良くも悪くも足し算。笑顔で嘘をつき、相手が誰か会話の中で探れば良い。
このような立ち位置になって、嫌になる程瞳が見下されていることに気づくようになった。それを飲み込み、なんとか立っている。
「ええ。この夜会は……楽しんでいただけていますか?」
「はい。楽しんでます。とてもよい飾り付けが目を楽しませてくださって、誰がやったのか気になりますね」
「はは。実はうちの妻なんです」
「ほう、奥様が……羨ましい限りです」
なんだ、自慢かとさらに興味を無くす。だが、彼が後ろを向き男が妻の名前を呼んだことで意識が変わる。
「イレーヌ、こっちだ」
「イレーヌ?」
復唱していたら、煌びやかでありながら眩しすぎないドレスを着た女性が優雅に歩いてきた。その姿に懐かしさと過ぎ去った過去が到来。
「どうしたの?」
「ほら、彼がこの場所の飾り付けを褒めたから」
「そうなんですのね。それはありがとうございます」
こちらの姿や肩書を認識しているはずなのに、まるで初対面のように挨拶してくる。酷い。僕はこんなに苦労しているのに。どうしてなかったことにするんだ。
「ドミニク様、聞いてください。先ほど大公家の婦人が注文をしてくださったんですのよ」
「よかったですね」
オリジナルの作品を作る、だとか気に入ってくださったのだ、とこちらのことを無視して話し込む。失礼じゃないのか?
「なんなんだ、君は」
少し声が大きかったからか、周りがこちらを見るのを感じた。けれど、周りのことなど気にならず目の前のことしか目に入らない。
「あら、どうなさったの。大きな声を出して」
「な、わ、わかってるくせに、意地悪を言うなっ」
「意地悪、ですか?」
「ああ!私は王太子で」
言いかけて止まる。つい今までの癖で言ったがもう違う。
「継承権が最上位ではなくなったと伺いましたが」
イレーヌが首を傾げて問いかけてくることに顔を赤くした。恥ずかしさでだ。なんて女だ。幼馴染を辱めるなんて。
「失礼じゃないか?」
「えっ?本当のことを、言っただけで……?」
「ほ、本当……って。すぐに、元に戻る」
酷い言葉を告げられて目の下が赤くなるほどの怒りと羞恥心が湧き上がった。幼馴染に愛想一つ向けようとしないなんて薄情だ。
「酷いじゃないかっ!婚約までしてた仲なのに……!情すら与えないなんてそんな女性だったのかい?知らなかった」
言い続けると女は諦めた顔つきでぱらりと扇子を広げる。
「私のことを知らないって。何一つ元々知らないのに、知ったかぶりはやめてください」
「なっ!?」
驚いたこちらにさらに詰る口調で言い募る。
「私の好きなものを一つも知らないのに、私のことをあたかも知っているように語るのは不愉快ですの」
「……は」
言い草に口を開こうとしたが、男の方が追って発言したために言えなくなる。
「私からもお願いします。彼女は私のパートナーだ。馴れ馴れしくしないでもらいたい」
「な、馴れ馴れしく?私は彼女と幼い頃から、婚約していて、彼女とは」
何が言わなくてはと言葉を繋いでいくけれど、ぷつりとなる人生の時間になると何も言えなくなる。婚約をなくしたときだ。ぐっと唇を引き結ぶ。
「婚約破棄したので元婚約者でしてよ、元王太子様」
「もと……酷い」
酷くて悲しくて思ったことを声に出すが、相手は手を緩めてくれはない。むしろ、勢いが増す。露骨に顔を顰める周り。
幼馴染なのだから周りに大切な男だと言いふらしたくれたっていいじゃないかと、ジルベールは思った。けれど、彼女から出たものは正反対のもの。きつい声音で、こちらを責める。
「ジルベール様……あなた、お子様はいかがしておりますの?ご健在ですよね?」
「!―そ、れは」
痛いところを突かれた、赤ん坊のことを聞かれたって知るわけがない。イレーヌの元に持って行った日以降、顔を見てもいない。マリシアも顔を見たら詰りたくなるので会ってない。
父と母はもうこちらを優秀な息子ではないし、バカな継承権を下位に落としたとしか見ていないのだ。完全に信頼と信用を落とした。王族として再起はありえない。
問われて言葉に詰まる。それを見たイレーヌは瞳を細めて呆れたように口元を閉じる。やっぱりねといいだげで悔しく思う。どうしてそうも責められるのだろうか。
嬉しいと普通は思うはずなのに。マリシアに女として、婚約者、ジルベールの妻候補としての立場を奪われたから。だからマリシアが朽ちればまた返り咲けると教えよう。
「イ、イレーヌ。君に朗報が」
「だから、呼び捨てにしないでくれるかしら?敬意を示してくれる?失礼なのよ。さっきから同じことを言っているのに、相変わらず人の話を聞かない男ですね」
「え、あ、え?なに、言って」
喜びの言葉をかけたのに。まだ途中なのに彼女は忌々しそうに言い始める。イレーヌと呼ぶのは婚約者としての特権だったからいつもの調子で呼びかけただけだ。
失敗の一つや二つ、そんなに目くじらを立てなくても。この国に来て誰かに感化されたのか?
感化されたとしたら隣にいるドミニクという男。父がイレーヌはドミニクという男と婚約したなどと冗談を言っていたが、信じるわけがない。
イレーヌはあの時、自分との婚約がなくなってそんなに経過していなかったのだ。いくらなんでも早過ぎる。
「お前、まさか婚約者のフリをしているという男か?」
「いいえ」
否定するのでやはりな!と腕を組んでイレーヌに勝気な顔を向ける。ジルベールに一度くらいフラれたからと婚約者ができたなんて虚偽を言うなんて。そんなに婚約の破棄が嫌だったのだなと笑う。
「婚約者のフリ、ではなくイレーヌ様の父上に正式に認められた婚約者ですよ。最近籍を入れたので妻となりました」
「ドミニク様、また私に様つけをしてますよ」
「ふふ、すみません」
「……へ」
ぽかんとなる男はドミニクを見る。見たことがあるような気がして思い出そうとするが、なぜか頭にモヤがかかって、思い出せない。赤ん坊をプレゼントしに行った日のことは、そこまで詳細に思い出せないのだ。
医者にかかったのだが、その日のことが認められなくて、記憶に鍵をかけているのだとか。首を傾げて、そんなの知るわけがないだろうと注意してやったのだ。
医者なのに鍵という物理的な言葉を使えば、腕の悪さを誤魔化せると思っているのかもしれない。最近の王宮もおかしいので、医者もサボっているのだ。
「はは、面白い余興だ」
笑い出した元王太子。他国の男にドミニクは首を振り黒服の男たちに何か言うとジルベールは腕を掴まれて会場の外に強制的に出された。
「何をする!」
「ジルベール様!おやめください!」
お目付役としてついてきてきた男がなんてことをしたのだと叱ってくる。ジルベールより爵位が低いくせにと掴まれた腕を振り払う。
「離れろ!帰る!」
不愉快で国に帰国するとイレーヌとドミニクからの抗議文が先に届けられており、国王の父と王妃の母からかなり酷く叱責された。なぜ!?
「聞いてください父上!イレーヌが酷いのです!私を裏切って他の男と婚約しているなどと嘘をついて」
「はぁ?お前は何を言っている?裏切ったのは貴様だろう!そんなことを言っている暇があるのなら、公務くらいまともにこなせっ」
「母上!」
母に顔を向けるとマリシアのことを詰められる。会いに行けと。
「あの子は托卵により国外追放に決まったと伝えたのに、いつになれば会うのですか?お前が選んだものからずっと目を逸らすことなど許されませんからね」
「え?ああ、追放でしたね。別に処刑でもいいと思ったのですが、随分と偽物に甘いのですね」
「は?前も言いましたよね?相変わらず忘れやすくなった後遺症が……もうお前はダメなのかしら」
「忘れてないです!失礼ですよ、母上!」
忘れてなんかいない。考えることがたくさんあるので、もう捨てたもののことなんて覚える必要がないと思っただけじゃないか。
ジルベールは一度精神に負荷がかかったことにより、後遺症で覚えることが多くできなくなった。そのことすら忘れて日々を生きている。
マリシアのことも、子供のこともたまに思い出してはすぐに忘れる王子。社交界がまともにこなせるわけもなく、公務も将来的にさせてもらえなくなるだろう。
「衛兵、こいつを部屋に戻せ」
国王の声が遠く聞こえるのをぼんやりと聞いて、イレーヌに求婚の手紙を書かないといけないと。もう二度と会うことができないことすら知らずに、国王と王妃の失落のきっかけを作った王家の結晶。
「うう、イレーヌさえ選んでいればっ」
「王妃、意味のないことはもう言うな」
夢見る瞳をしながら、がちゃんと鍵をかけられる音と共に閉じ込められた。
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