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20 俺、流されて遠藤とする※
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リアル猫耳を生やした遠藤の姿に俺は茫然とする。
「遠藤……その姿」
「ああ。満月に性的に興奮したら、こういう中途半端な姿になるみたいだな。気持ち悪いか?」
「い、いや別に」
遠藤は俺を逃がさないようにするためか、俺の身体の上を陣取って軽く俺の腕を抑える。片手で面倒臭そうに自分のシャツを脱いで半裸になると、俺の衣服を脱がせにかかった。
「ちょ、ちょい待て! 心の準備が……」
「身体の方の準備はできているみたいだぞ。今更じたばたするのはよせ」
淡々と言った遠藤は膝先で俺の息子さんを押さえた。遠藤の言う通り、身体の方はすっかり熱くなってその気になってしまっている。満月のせいか、このまま流されて気持ち良いことをしたい方に気持ちが傾いていた。
「くっそー」
やられっぱなしでは気が済まない。
俺は覚悟を決めると、自分でシャツのボタンを外した。
どうにでもなれ。
ついでに、気になっていた遠藤の銀色の尻尾を自由な方の手で掴もうとする。手を伸ばすと、銀の被毛がさらさらとして、尻尾が俺の手の中で暴れた。
「幸宏、尻尾を掴むな。そこは敏感なんだ……」
「良いことを聞いたぜ」
「おい、何を他人事みたいに言ってるんだ。僕の尻尾で遊ぶつもりなら、今度は君の尻尾を触らせてもらうからな」
「う」
遠藤の猫耳も尻尾も他人事ではない。
自分の場合に置き換えて……考えたくない。
恐れおののく俺の首筋を、遠藤が軽く噛む。電撃のような快感が走って、俺は息を弾ませた。スイッチが入ったらしい遠藤は、興奮した様子で俺の身体をまさぐる。その手が尻にのびるにあたって、俺は焦った。
男同士だと、どこを使うか。
やっと現実に理解が追いついてきたからだ。
「俺が下なのかよ?!」
「こういうのは早い者勝ちなんだ」
「ええ?!」
すっかり遠藤にリードを許してしまっている。
くそう……いつか逆襲してやるからな。密かに心に誓った俺だが、今のところ遠藤と体勢を入れ替えてナニができる自信が無かった。掘られるのが嫌だからって途中で終了もできない。身体の奥でうずく熱は、何かのかたちで放出しない限り苦しい状態が続くことは容易に想像できる。
ベッドの脇から謎のチューブを持ち出した遠藤が、謎のクリームを尻に塗り付けてくる。排泄に使う穴に指を突っ込まれて俺は呻いた。けど満月のせいか、痛みや拒否感をそれほど感じずに為すがままになってしまう。
「いれるぞ」
「う……ああっ」
蕩けた身体は驚くほど柔軟に遠藤の雄を受け入れた。
猫は身体が柔らかい生き物だから、猫族の俺達もそうなんだろうか。とにかく、ありえないところに、ありえないモノを突っ込まれているのに、快感しかない。いつの間にか本能のままに身体を揺らして、セックスに夢中になっていた。
「……はっ」
体勢を入れ替えて後ろから俺を犯す遠藤から、汗がぼたぼたと背中に落ちる。
息を吐いた遠藤が達した気配がした。
俺は中途半端に煽られた熱が解放できずに苦しい思いをしていた。初めての同性とのセックスで、どういう風に快感を追いかけたものか、よく分からない。ずるいぞ、先に気持ちよくなりやがって。
「悪い、手伝おう」
「……遅いんだよ」
熱を放出した遠藤は少し冷静になったみたいだ。俺の状態に気づくと、俺に手を伸ばした。
やっと頂点まで上り詰めた俺は、熱を吐き出すと同時に猛烈な眠気に襲われた。無意識に猫の姿になって、遠藤のベッドの枕の上で丸くなって寝てしまったらしい。
後始末をせずに先に寝たんで翌朝文句を言われたんだが、それはまた別の話だ。
「遠藤……その姿」
「ああ。満月に性的に興奮したら、こういう中途半端な姿になるみたいだな。気持ち悪いか?」
「い、いや別に」
遠藤は俺を逃がさないようにするためか、俺の身体の上を陣取って軽く俺の腕を抑える。片手で面倒臭そうに自分のシャツを脱いで半裸になると、俺の衣服を脱がせにかかった。
「ちょ、ちょい待て! 心の準備が……」
「身体の方の準備はできているみたいだぞ。今更じたばたするのはよせ」
淡々と言った遠藤は膝先で俺の息子さんを押さえた。遠藤の言う通り、身体の方はすっかり熱くなってその気になってしまっている。満月のせいか、このまま流されて気持ち良いことをしたい方に気持ちが傾いていた。
「くっそー」
やられっぱなしでは気が済まない。
俺は覚悟を決めると、自分でシャツのボタンを外した。
どうにでもなれ。
ついでに、気になっていた遠藤の銀色の尻尾を自由な方の手で掴もうとする。手を伸ばすと、銀の被毛がさらさらとして、尻尾が俺の手の中で暴れた。
「幸宏、尻尾を掴むな。そこは敏感なんだ……」
「良いことを聞いたぜ」
「おい、何を他人事みたいに言ってるんだ。僕の尻尾で遊ぶつもりなら、今度は君の尻尾を触らせてもらうからな」
「う」
遠藤の猫耳も尻尾も他人事ではない。
自分の場合に置き換えて……考えたくない。
恐れおののく俺の首筋を、遠藤が軽く噛む。電撃のような快感が走って、俺は息を弾ませた。スイッチが入ったらしい遠藤は、興奮した様子で俺の身体をまさぐる。その手が尻にのびるにあたって、俺は焦った。
男同士だと、どこを使うか。
やっと現実に理解が追いついてきたからだ。
「俺が下なのかよ?!」
「こういうのは早い者勝ちなんだ」
「ええ?!」
すっかり遠藤にリードを許してしまっている。
くそう……いつか逆襲してやるからな。密かに心に誓った俺だが、今のところ遠藤と体勢を入れ替えてナニができる自信が無かった。掘られるのが嫌だからって途中で終了もできない。身体の奥でうずく熱は、何かのかたちで放出しない限り苦しい状態が続くことは容易に想像できる。
ベッドの脇から謎のチューブを持ち出した遠藤が、謎のクリームを尻に塗り付けてくる。排泄に使う穴に指を突っ込まれて俺は呻いた。けど満月のせいか、痛みや拒否感をそれほど感じずに為すがままになってしまう。
「いれるぞ」
「う……ああっ」
蕩けた身体は驚くほど柔軟に遠藤の雄を受け入れた。
猫は身体が柔らかい生き物だから、猫族の俺達もそうなんだろうか。とにかく、ありえないところに、ありえないモノを突っ込まれているのに、快感しかない。いつの間にか本能のままに身体を揺らして、セックスに夢中になっていた。
「……はっ」
体勢を入れ替えて後ろから俺を犯す遠藤から、汗がぼたぼたと背中に落ちる。
息を吐いた遠藤が達した気配がした。
俺は中途半端に煽られた熱が解放できずに苦しい思いをしていた。初めての同性とのセックスで、どういう風に快感を追いかけたものか、よく分からない。ずるいぞ、先に気持ちよくなりやがって。
「悪い、手伝おう」
「……遅いんだよ」
熱を放出した遠藤は少し冷静になったみたいだ。俺の状態に気づくと、俺に手を伸ばした。
やっと頂点まで上り詰めた俺は、熱を吐き出すと同時に猛烈な眠気に襲われた。無意識に猫の姿になって、遠藤のベッドの枕の上で丸くなって寝てしまったらしい。
後始末をせずに先に寝たんで翌朝文句を言われたんだが、それはまた別の話だ。
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