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第一章

第二十九話 帰還

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 翌朝、太陽が昇ると共に、ぼくたちはキャンプを撤収し、アリシアのもとへと戻ることにした。焔の杯が持つ力を彼女に報告するのが楽しみだった。フェンも朝の光に気分よさそうに目を細めていた。

 古代王国の地下神殿を後にして、ぼくたちはアリシアの住む場所へと向かった。途中、モンスターたちとの戦いもあったが、焔の杯を手に入れたおかげで、炎属性のスキルや魔法が強化されたことを感じることができた。

 やがて、アリシアの住む場所に到着した。彼女の住んでいる家の扉を叩いて、訪れたことを告げた。アリシアはすぐに扉を開けて、微笑んで出迎えてくれた。

「おかえりなさい、皆さん。焔の杯は無事に手に入れられたようですね」

 彼女は嬉しそうに言った。

「はい、おかげさまで」とぼくたちは頷いた。

「実は、焔の杯についてすごい効果があることが分かりました。炎属性のスキルや魔法を強化できるんです。昨晩、杯に入れた水で炎属性のモンスターを使った料理を作ってみたら、その効果を実感できました」

アリシアは目を輝かせ、興味津々だった。

「それは素晴らしい!皆さんにとって、これからの冒険がさらに楽しくなるでしょうね」

「さて、焔の杯については解決したわけですが、次の神器である氷の神器についてお話ししましょう。氷の神器は、この国の外にあると言われています」

「外の世界にあるのですか?そんなところに神器があるなんて」とリリアが言った。

 アリシアはうなずいて、さらに詳しく説明を始めた。

「氷の神器は、遥か北方の氷河が広がる大陸にあると言われています。その地には、氷の力を操る魔法使いや、氷の力を持つ強大なモンスターが生息しているといわれています。神器の名前や詳しい位置は分かりませんが、それに関する手掛かりがある場所は水鏡で見つけることができました。ここから北にある大きな街です」

「なるほど。では、ぼくたちはまず、その手掛かりを探しに行く必要がありますね」

「そうです。氷の神器を手に入れるためには、その手掛かりを探し出し、北方の大陸へと向かう必要があります。ただし、北方の大陸は厳しい寒さに耐えられるだけの装備や準備が必要です。また、氷の力を操る者たちが待ち構えているでしょうから、その対策も考えておくべきです」

「氷の神器を手に入れるためには、大変な試練が待ち受けているようですね」とぼくは言った。

 フェンもその話に耳を傾け、身じろぎもせずに聞いていた。

「そうですね。しかし、焔の杯を手に入れることができたのですから、きっと皆さんならば氷の神器も手に入れることができるでしょう」とアリシアは励ましてくれた。

ぼくたちは、新たな目標を胸に、名もわからぬ氷の神器を求めて、遠い北方の大陸へと向かう準備を始めることになった。その先に待ち受ける試練を乗り越え、氷の神器を手に入れることを誓い合った。
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