追放からはじまる異世界終末キャンプライフ

第一章

第三十話 氷の大地

 次の日、ぼくたちは冒険に必要な装備や食料を集め始めた。
　北方の大陸に適した防寒具や、氷の魔法に対抗できるアイテムを手に入れるために、みんなと一緒に街を回っていた。アルフは、フェンのために特別な防寒用の装備を見つけてきた。それはフェンの大きさに合わせたかのように作られており、彼が寒さに耐えることができるようになっていた。

　それから数日後、ぼくたちは準備が整い、遠い北方の大陸へ向けて出発することになった。アリシアが水鏡で調べてくれた情報によれば、まずは手掛かりとなる場所へ向かう必要があった。そこには、氷の神器についての古文書があるという。

　ぼくたちは氷の神器に関する古文書があるとされる場所へと向かっていた。途中、厳しい雪山の道を進むことになった。風が強く吹き、雪が激しく降っていた。リリアとアルフは、防寒具を身にまとっても凍える寒さに耐えるのがやっとだった。フェンも防寒用の装備をしていたが、寒さに耐えるのは容易ではないようだ。

ぼくたちが氷の神器に関する古文書があるとされる場所へ向かう道中、リリアは道を歩きながら不安そうな顔をしていた。

「この寒さ、本当に大丈夫かな？」

「大丈夫だって。防寒具もしっかりしてるし、何とかなるさ」

「それに、僕のファイアーコントロールもあるじゃないか。焔の杯のおかげで、僕の火を使った技も強力になってるし」

「そうね。ちょっと安心した」

「フェンもこの寒さに慣れてきたみたいだしな」

　フェンは、アルフが見つけてくれた防寒用の装備に包まれていた。フェンはすっかりその暖かさに慣れていて、歩くスピードも以前より速くなっていた。

「古文書を手に入れたら、氷の神器を手に入れるためにどんな試練が待っているんだろう」

「まあ、それは現地に行ってみないとわからないよ。ただ、焔の杯を手に入れた経験があるんだから、何とかなるだろうさ」

「そうだね。それに、僕たちはこれまで色々な困難を乗り越えてきた。きっと、氷の神器も手に入れられるはずだ。」

「みんなの言葉を聞いて、自信が湧いてきた。ありがとう」

　ぼくたちは互いに励まし合いながら、氷に閉ざされた古びた祠のような建物へと歩を進めていった。

　途中で何度も迷いそうになるほどの吹雪に見舞われたが、街で手に入れたコンパスとフェンの神獣としての感覚を頼りに、なんとか道に迷わずに進んでいくことができた。そして、やがて雪山を越えると、山間の渓谷にたどり着いた。渓谷には、美しい氷の滝や氷柱が立ち並び、圧倒的な光景が広がっていた。しかし、美しい光景の裏には危険も潜んでいた。滑りやすい道や、突然崩れる氷の壁、さらには氷のモンスターたちがぼくたちの前に立ちはだかった。

　ぼくはファイアーコントロールを使って氷のモンスターたちを退け、リリアは弓矢を使って遠くの敵を狙い撃ちにした。フェンも火の息吹を使って氷を溶かし、道を切り開いていった。ぼくは、仲間たちのサポートをしながら、戦術を考えて先へと進んでいった。

　こうして、ぼくたちは数々の困難に立ち向かいながら、氷の神器に関する古文書があるとされる祠にたどり着いた。そこは、氷に閉ざされた古びた祠のような建物で、中には氷の神器について記された文書が置かれていた。これを手がかりに、氷の神器を手に入れるべく、次なる冒険が始まるのだった。

「氷の神器は、北方の大陸の最も奥深くにあるということが分かった。そして……そこは、強大な氷の竜が住むとされる場所らしい。恐らく、氷の竜が神器を守っているんだろう」

　氷の竜と聞いて、リリアやアルフは、顔がこわばった。しかし、焔の杯を手に入れることができたぼくたちには、氷の神器も手に入れる自信があった。フェンも、力強い目をしていた。