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第6話

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そしてついに、社内でポーションの存在とその効果、私の正式な褒賞式が行われました。
「これは製薬界に革命が起きるぞ」
「上原くんは我が社の宝だ」
 と式が中断されるほど大騒ぎになりました。
 報奨金も社長からもらった額のなんと4倍の金額をもらい、昇進して主席研究員(課長待遇)になってしまいました。
 そして新しくポーション事業部を設立し、私がその責任者になることが決定しました。
 会社の帰り道とぼとぼと歩きながら、とても後悔してました。
 どうして私しか作れないものを作っちゃったんだろう。
 ルイーザさんと出会えたは良かったけど…
 私しか作れないなんて事はすぐにばれてしまう。
 誰かに魔法を教えることできるかもしれないけど、やってしまうとポーションの存在より恐ろしいことになりそう。
「よし、国外に逃げよう」
 ルイーザさんに助けを求めることも考えましたが、異世界がどんなところか分からないし、魔法も師団長よりも強いらしいから、絶対宮廷魔術師に入らされそう。
 私は薬の研究とか、そういうことがしたいんです。
 ルイーザさんに言えば何とかなるかもしれないけれど、逃げてお世話になるのにこちらの要求ばっかり通すわけにはいかない。
 うん、ルイーザさんに迷惑はかけられない、ポーション事業部の開設までまだ時間があるし、希望者が殺到して人事も結構困ってるらしいし、とっとと退職届を置いて国外に逃げちゃおう。
 荷物は全部アイテムボックスに入れれるし、早いとこ家を売って、お金もスイス銀行に移して追跡されないようにしよう。お金は報奨金もあるし結構持ってるからしばらく大丈夫だしね。念のために金とか宝石にして、ある程度の現金はアイテムボックスに入れておけば大丈夫だろう。家を売ったお金はすぐには入金されないだろうから、どこかの国で引き出してすぐに別の国に移動すればいいかな。これからどれだけお金が必要になるか分からないからできるだけあったほうがいいものね。
 女性の一人旅は危険だというけど、たぶん私はめちゃくちゃ強い。拳銃の弾も魔眼があるから止まってるくらいに見える。強化魔法を使えば車より速く走れるし、転移魔法を使えばすぐ逃げれる。隠蔽魔法を使えば見えなくなるし、護身術もルイーザさんから教えてもらってるので、相手の方が怪我をするだろう。
 高速処理と、並列思考があるので外国語もすぐ覚えられる。
 よし完璧だ。
 もうすぐ29歳だから、捜索願が出されても警察はちゃんと動かないだろうし、でも会社は必死で追跡してくるだろう。その道のプロを雇うかもしれない。
 国によってはお金さえ出せば身分をくれるところもあるだろうし、しばらく逃げ回ってどこかで名前を変えて市民権を獲得して、またどこかの国に移動しちゃえば、追跡が不可能になる。転移魔法で他の国に飛んじゃうこともできるけど不法入国になるからね。
 そこで薬屋さんでもやって生計を立てていけばいいかな。


 そこからの私の動きは速かったです。
 まず銀行の口座を作り、家を不動産屋に売却し行った。結構安く売ったから売れるのも早いだろう。
 それからすべての預金をスイス銀行に変え、1部引き出したお金で金と宝石を買いました。
 1000万円ぐらいはアイテムボックスにしまい、ビザの申請を行った。
 家のものも全部もちろん車もアイテムボックスにしまい、退職届を書いて夜中にこっそり会社に行って自分のデスクの上に置いて、がらんとした家に帰りました。
 転移魔法で行きたかったけど、セキュリティーの関係で会社に誰が入って出たかログが残るので、ログもなく、監視カメラ写ってないのに退職届だけが置かれているのも変なので仕方がなかったんです。
 次の日ビザが出来上がったので、取りに行ってそのまま飛行場に行きました。


 ちょっと疲れたのでファーストクラスをとってしまいました。
 そして、着いた国でホテルに泊まり、しばらく観光したりして、でも10日以上滞在せず他の国を転々としました。
 そんなことを5回ぐらい繰り返しあと、ある国で、市民権が買える事が分かり、早速買いました。日本は物価が高いのか、思ってたよりはるかに安く市民権を買いました。
 名前は好きだった物語の主人公を使い、ソフィア・シルバータニアに変えました。
 今日から私は美里という名前を捨てて、ソフィアとして生きていこう。
 お父さん、お母さんごめんなさい。
 姓はもちろんルイーザさんと同じにしました。歳は離れてるけどお母さんみたいに思ってたので、あ、そうそうルイーザさんの歳って800歳は超えてるらしい。
 魔女と魔法使いの違うってこういうところも関係してるのかな?
 その国で、家を売ったお金を引き出し、一応アイテムボックスにしまっておきました。
 そしてまた5回ほど国を転々とし、名前も知らない小さな国に辿り着きました。
 たくさんの国に行ったので、その国がどんなところなのか、直感でわかるようになっていました。
 それにその国の言葉もすぐに覚えれます。もう10カ国語くらい喋れます。もちろん読み書きも問題なし。恐るべし高速処理と、並列思考。
 この国は小国だけど雰囲気の凄い良い所でした。
 治安も良さそうでこの国に定住しようと決めました。
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