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日焼けあと
2:正二郎side
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グラスに入れた麦茶を二つ手に持って隣に来る。ローテーブルに置いて、手のひらの水滴をタンクトップの裾で拭った。そんなところで拭くなよと思うのに、だらしなく子どもっぽい仕草が可愛く思えてしまうくらい、俺の頭はイカれているのだろう。
「見てこれ」
肩の日焼けあとを見せつけてくる。二の腕の皮が少し剥けているようだ。
「痛そ」
「もう痛くないよ」
皮が剥けるほどの日焼けなんて、大人になってからしたことがない。日に焼けてすぐはヒリヒリと痛むが、そのあとはむしろ痒くなるのだったか。
育海がプールでバイトしているのは知らなかった。てっきりコンビニか飲食店だろうと想像していたから、詳しく聞くこともしなかった。
こんなに焼けるまで、素肌を晒していたのか。俺のいないところで。知らないヤツらに。
ジリ、と胸が焼ける。
「こっちもほら」
俺の気も知らないで、育海が短パンの裾を持ち上げる。
太ももにくっきりと水着のライン。こんがり焼けた膝上と、さらにその上の白い肌とのコントラスト。
もう、我慢できない。
「カッコ悪いだろ?焼くならもっと……」
笑いながら続ける育海の唇をキスで塞いだ。
驚いたように、小さく「えっ」と漏らした声。
え、じゃないよ。電話でも好きだって言っただろ。それなのに、無視して切るなんて。
中途半端に開いた唇に、もう一度口づける。
元の関係には戻れない。
大切に守ってきた宝物は、自らの手で汚してしまった。
「見てこれ」
肩の日焼けあとを見せつけてくる。二の腕の皮が少し剥けているようだ。
「痛そ」
「もう痛くないよ」
皮が剥けるほどの日焼けなんて、大人になってからしたことがない。日に焼けてすぐはヒリヒリと痛むが、そのあとはむしろ痒くなるのだったか。
育海がプールでバイトしているのは知らなかった。てっきりコンビニか飲食店だろうと想像していたから、詳しく聞くこともしなかった。
こんなに焼けるまで、素肌を晒していたのか。俺のいないところで。知らないヤツらに。
ジリ、と胸が焼ける。
「こっちもほら」
俺の気も知らないで、育海が短パンの裾を持ち上げる。
太ももにくっきりと水着のライン。こんがり焼けた膝上と、さらにその上の白い肌とのコントラスト。
もう、我慢できない。
「カッコ悪いだろ?焼くならもっと……」
笑いながら続ける育海の唇をキスで塞いだ。
驚いたように、小さく「えっ」と漏らした声。
え、じゃないよ。電話でも好きだって言っただろ。それなのに、無視して切るなんて。
中途半端に開いた唇に、もう一度口づける。
元の関係には戻れない。
大切に守ってきた宝物は、自らの手で汚してしまった。
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