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誕生日ss3
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…すごかった…。
レストランを出てもまだ夢心地で、正直もうこれ以上何かされたら罪悪感でどうにかなりそうだ。
「じゃあ次、少し電車で移動するよ。」
「これ以上は本当に…俺、すでにお返しできません…。」
例えば夏休みにバイトで働きまくったって到底返せない気がする。
しかし由良さんは足を止めないし、それどころかにこやかに微笑んで言った。
「物なら要らないよ。僕は今、幹斗君の笑顔が見たい。生まれて初めて誕生日を幸せだと思う、その瞬間に立ち会えるのならそれ以上の宝物はないからね。」
それとも楽しくない?と尋ねられ、言葉に詰まる。
幸せすぎてどうにかなりそうなのに、楽しくないなんてありえない。
「…楽しいです…。」
「じゃあ、今日は何も気にしないで僕のプランを楽しんでほしい。こんなふうに祝いたい誰かができたことなんてなかったから、僕も考えるのがとても楽しかったんだよ。」
立て続けに嬉しい言葉をかけられ、今日は気にしないように努めようと思った。
こんなふうに言ってもらえる俺はなんて幸せ者なのだろう。
「はい、幹斗君。」
駅に着くと、由良さんはわざわざ切符を二枚買って片方を俺に渡してくれた。
「ありがとうございます。」
交通費くらい携帯でも、と思った言葉は口に出さないようぐっと堪え、素直に感謝を伝える。
「たまたまいい部屋が空いていてね。景色が綺麗なところなんだ。」
電車の中では由良さんが今日泊まるホテルについて教えてくれた。
「由良さんは泊まったことがあるんですか?」
「ないよ。実はその、……咲に聞いて知ったんだ。」
照れ臭そうにそう言って笑う、そんなところも愛おしい。きっと頑張って考えてくれたのだろう。
「嬉しいです。」
急に肩の力が抜けて笑みがこぼれてしまった。
「あっ、今の顔かわいい。」
「!?」
…ずるい。
不意打ちでそんなこと言われたから、また顔が真っ赤になって固まってしまう。
結局目的の駅に着くまでの間、身体が熱くてたまらなかった。
レストランを出てもまだ夢心地で、正直もうこれ以上何かされたら罪悪感でどうにかなりそうだ。
「じゃあ次、少し電車で移動するよ。」
「これ以上は本当に…俺、すでにお返しできません…。」
例えば夏休みにバイトで働きまくったって到底返せない気がする。
しかし由良さんは足を止めないし、それどころかにこやかに微笑んで言った。
「物なら要らないよ。僕は今、幹斗君の笑顔が見たい。生まれて初めて誕生日を幸せだと思う、その瞬間に立ち会えるのならそれ以上の宝物はないからね。」
それとも楽しくない?と尋ねられ、言葉に詰まる。
幸せすぎてどうにかなりそうなのに、楽しくないなんてありえない。
「…楽しいです…。」
「じゃあ、今日は何も気にしないで僕のプランを楽しんでほしい。こんなふうに祝いたい誰かができたことなんてなかったから、僕も考えるのがとても楽しかったんだよ。」
立て続けに嬉しい言葉をかけられ、今日は気にしないように努めようと思った。
こんなふうに言ってもらえる俺はなんて幸せ者なのだろう。
「はい、幹斗君。」
駅に着くと、由良さんはわざわざ切符を二枚買って片方を俺に渡してくれた。
「ありがとうございます。」
交通費くらい携帯でも、と思った言葉は口に出さないようぐっと堪え、素直に感謝を伝える。
「たまたまいい部屋が空いていてね。景色が綺麗なところなんだ。」
電車の中では由良さんが今日泊まるホテルについて教えてくれた。
「由良さんは泊まったことがあるんですか?」
「ないよ。実はその、……咲に聞いて知ったんだ。」
照れ臭そうにそう言って笑う、そんなところも愛おしい。きっと頑張って考えてくれたのだろう。
「嬉しいです。」
急に肩の力が抜けて笑みがこぼれてしまった。
「あっ、今の顔かわいい。」
「!?」
…ずるい。
不意打ちでそんなこと言われたから、また顔が真っ赤になって固まってしまう。
結局目的の駅に着くまでの間、身体が熱くてたまらなかった。
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