異世界で愛され幸せに生きる話

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本編

27.

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ふわふわと頭を撫でられる感覚にゆっくりと目を覚ましていく。


「おはよう、モモ。お寝坊さんだね?」


「……る、んっ、けほっ…」


あれ…声、出ない?…………あ、昨日の夜…


思い出して、ふと自分の体を見ると新しいパジャマを着ていて、シーツも変わっていた。



「いっぱい声出したからね。他は大丈夫?」


こくこく、と頷くと、安心したように微笑んでシーツごと抱き上げられた。


そのままソファーに座ったところで疑問を抱いた。



「る、う……おしご、と、は?」


時計を見れば、お昼に近い時間になっている。


「とりあえず飲みのも飲もっか。仕事は休みだよ。」


チリン、とベルを鳴らすと、執事のトミーさんが入ってきた。


トミーさんはお城の中でもベテランさんで侍女さん達が厳しいって噂してた。


でも、廊下で会ったらいつも飴ちゃんをくれるから、僕にとっては親戚のおじさんみたい。


……実際の親戚のおじさんは分からないけどね。



「おはようございます。こちらに果実水をご用意しております。」


グラスに果実水が注がれ、目の前のテーブルに置かれた。


「あ、りがと…。」


そう言うとトミーさんは、にこっと笑みを浮かべ、はい。と答えた。



ルーがグラスを手にとり、背中を支えながら飲ませてくれる。


こくりと、1口飲むと少し声が出るようになった。



「モモ、今日は俺とデートしてくれる?って言っても敷地内だけどね。」



「でーと…お庭、行くの…?」



「いや、お庭はお庭でもいつもと違うとこ。着いてからのお楽しみ。」


別のところ…どこだろう。お庭しか行ったことないからたのしみ…


それにるーとデートできるんだぁ。


そう思うと嬉しくなってきた。


「そんなににこにこして、可愛いね。」


「るーとでーと、うれしいっ」


「喜んでくれたのは良いけど、体調が悪くなったら言うんだよ。」


「はいっ!」









準備を終え、連れてこられたの敷地内にある森の入口だった。


木々がまるでトンネルのように1本の道を作っている。


「……きれい。」


木の隙間から光が漏れ、なんとも言えない神秘的な光景だ。


「でしょう?でも、連れてきたかったのはここじゃあないんだ。」


そう言ってさらに奥に進むと─────



「…わぁっ!お花、いっぱいっ。」


どこまでも続いているのではないかと思うほどの花畑が広がっていた。


こんなの、初めて……!



「ふふ、気に入ってもらえた?」


興奮して言葉が出ず、こくこくと何度も頷く。


「真ん中の方に東屋があるから、そこで昼にしよう。」


再び歩き出すが、視線は周りの花達に釘付けだ。


ルーと手を繋ぎ、てくてくと歩いていたのだが、すぐにひょいっと抱き上げられた。


「転けたらいけないからね、あと……」


ちゅっ、と頬にキスをされる。


「モモの可愛い顔、近くで見させて?」


「ふふ、ルー。連れてきてくれてありがとう。」


今日も今日とて、幸せいっぱい。














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