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十歳
今すべきこと、今したいこと
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「少しだけで、護身程度で構わないので、王立騎士団で護身術を学ぶ機会をいただけませんでしょうか」
アリアのお願いに目を瞬かせる王妃。
確かに令嬢とはほど遠いものだろうし、進んで認められるものでもないだろう。
ダメだったらしょうがない程度のお願いだ。
そうアリアは割り切っていた。
「いいでしょう」
王妃は少し間を開けたが、認めてくれた。
「もちろん、あなたは公爵令嬢であると同時に今は私付きの下級侍女。警護や時間的な都合上、どこまで面倒を見てもらえるかはあちらと掛け合わないと分かりませんが、私から口添えしておきましょう」
その言葉に胸を撫で下ろしたアリア。
「しばらくの間はあなたを下級侍女で遇します。いずれ時期が来たときには必ず上級侍女への格上げ、そしてそれ相応の報酬をだすわ」
だから、もうしばらく待っていて、と王妃は締めくくり、さあ、仕事の続きをして頂戴、と部屋から追い出された。
王妃の真意を聞けたアリアの足取りは決して軽くはなかった。
今はまだ成人してない王太子クリスティアンとは何の縁もない。
しかし、いずれは彼と婚約することになるだろう。
それはただの憶測ではない。
フレデリカとの確執がある以上、今すぐにというわけではないが、彼女を完全に追い出したとき、どのような成り行きになるかは分からないが、自分に『枷』が付けられるだろう。
それは図らずともスフォルツァ家の先代当主が望んだものになる。
そう言える。
平凡に生きようと思っていたけど、やっぱり無理か。
自室に戻ったアリアは業務に戻るまでの少ない時間の中、大きくため息をついて考えた。以前、ここに上がるときに国王から言われたことを王妃からも言われた。
すなわち、これは決められた道なのだということが、否が応でも分かってしまった。
未来の自分からしてみれば、こんなはずじゃなかったとは思ったとしても、今、フレデリカを追い出さない限りはいずれ、全てが破綻する。だから、今、こうするしかなかったと言い訳したくなるだろう。
「でも、今は目の前のことを片付けていこう」
そう思って、王妃に会うためのドレスから作業着に着替えた。
自室から出るとき、大きく息をすって足を踏み出した。その踏み出した足には小さな体に似合わない、大きな意思が宿っていた。
それから数週間後。
アリアのもとに一通の手紙が届く。王立騎士団副団長のセルドア・コクーンからのものだった。ようやく話がまとまったようだ。
『妃殿下からレディが護身術を学びたいという話を聞きました。僕でよければ教えてあげます。もちろん、この話は侍女たちの中で広がる可能性もありますので、妃殿下からの使いという形で、こちらに来てください』
王妃もセルドアもアリアの立場をよくわかってくれ、ありがたいことに王立騎士団へ行くことは内々してくれることになった。大々的に騎士団に行く、というのではいろいろな噂が立てられかねないし、またいじめが再発しないとも限らない。だから、『王妃の用事』で騎士団に向かうことにしてくれたのは、アリアとしては非常にありがたい。
今までも支えてくれる人は多かったが、セルドアも助けてくれるとなると非常に嬉しかった。今度、スフォルツァ家に帰ったときには、マチルダに何かお礼を持っていこう、と決めた。
彼から手紙を受け取ってから一週間後、とうとうその日がやってきた。
二人がともに非番の日だったので、訓練を行うことになったのだ。
アリアのお願いに目を瞬かせる王妃。
確かに令嬢とはほど遠いものだろうし、進んで認められるものでもないだろう。
ダメだったらしょうがない程度のお願いだ。
そうアリアは割り切っていた。
「いいでしょう」
王妃は少し間を開けたが、認めてくれた。
「もちろん、あなたは公爵令嬢であると同時に今は私付きの下級侍女。警護や時間的な都合上、どこまで面倒を見てもらえるかはあちらと掛け合わないと分かりませんが、私から口添えしておきましょう」
その言葉に胸を撫で下ろしたアリア。
「しばらくの間はあなたを下級侍女で遇します。いずれ時期が来たときには必ず上級侍女への格上げ、そしてそれ相応の報酬をだすわ」
だから、もうしばらく待っていて、と王妃は締めくくり、さあ、仕事の続きをして頂戴、と部屋から追い出された。
王妃の真意を聞けたアリアの足取りは決して軽くはなかった。
今はまだ成人してない王太子クリスティアンとは何の縁もない。
しかし、いずれは彼と婚約することになるだろう。
それはただの憶測ではない。
フレデリカとの確執がある以上、今すぐにというわけではないが、彼女を完全に追い出したとき、どのような成り行きになるかは分からないが、自分に『枷』が付けられるだろう。
それは図らずともスフォルツァ家の先代当主が望んだものになる。
そう言える。
平凡に生きようと思っていたけど、やっぱり無理か。
自室に戻ったアリアは業務に戻るまでの少ない時間の中、大きくため息をついて考えた。以前、ここに上がるときに国王から言われたことを王妃からも言われた。
すなわち、これは決められた道なのだということが、否が応でも分かってしまった。
未来の自分からしてみれば、こんなはずじゃなかったとは思ったとしても、今、フレデリカを追い出さない限りはいずれ、全てが破綻する。だから、今、こうするしかなかったと言い訳したくなるだろう。
「でも、今は目の前のことを片付けていこう」
そう思って、王妃に会うためのドレスから作業着に着替えた。
自室から出るとき、大きく息をすって足を踏み出した。その踏み出した足には小さな体に似合わない、大きな意思が宿っていた。
それから数週間後。
アリアのもとに一通の手紙が届く。王立騎士団副団長のセルドア・コクーンからのものだった。ようやく話がまとまったようだ。
『妃殿下からレディが護身術を学びたいという話を聞きました。僕でよければ教えてあげます。もちろん、この話は侍女たちの中で広がる可能性もありますので、妃殿下からの使いという形で、こちらに来てください』
王妃もセルドアもアリアの立場をよくわかってくれ、ありがたいことに王立騎士団へ行くことは内々してくれることになった。大々的に騎士団に行く、というのではいろいろな噂が立てられかねないし、またいじめが再発しないとも限らない。だから、『王妃の用事』で騎士団に向かうことにしてくれたのは、アリアとしては非常にありがたい。
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二人がともに非番の日だったので、訓練を行うことになったのだ。
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