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一章.魔法使いと人工キメラ
五話目-種族のるつぼと人情の街
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「奇跡的だね。 前腕を貫通しているのに骨にも当たらず、筋も切れていない」
キャスターの上に乗ったスライムはそう言った。
「ですので、修復かけときますね~」
後ろの看護師らしき女性は僕の腕に緑色の光波をあてた。
「わあ! すごいわね!」
みるみるうちに傷は塞がり、すっかり元通りになった。
「「お大事にー!」」
僕らは門前の救護施設をあとにした。
「まさかタダでこんなに面倒見てもらえるなんてね!」
「ほんとにね」
ゾーノにやって来る商人はよくモンスターに襲われる。
そのためこういったサービスが充実しているのだ。
で、なぜ万人にここまでの手厚い補償ができるかと言うと……。
「うっわあああああああ!」
セシリアが興奮のあまり両腕を広げその場で回った。
「すごーい! 車だぁ! エルフだー!それに……!」
「でっかあああああああああああぁぁぁい!!!!!!!」
セシリアは乱立する超高層ビルを目にそう叫んだ。
ゾーノは、魔法と科学で発展した商業都市である。
物流の中心にして技術の最前線とかっていう、属性てんこ盛りな街だ。
そればかりかゴブリンが車を運転していたり、リクルートスーツに身を包んだオーガが歩いていたり、人狼がカフェで働いていたりする。
村から出てきたばかりの目と脳みそには、いささか情報量が多すぎる。
しかし、僕らのような差別されやすい見た目をしている者でも、なんの心配も無く過ごすことができる最高の街である。
さて、そろそろ宿を見つけなければ……。
「セシリア! そろそろ宿を探しに行くよ!」
そう言って振り返るも、セシリアの姿は無かった。
まさかあいつ通りの方に走っていったんじゃ……?
「………ヤバい」
僕は十メートル走で息を切らすほどの体力だ。対するは、暴走機関車みたいな龍娘。
「……見つかるわけないだろぉぉぉぉ!」
ここは人種(獣種やらなんやら)のるつぼであり、いろんな奴がいる!
不思議な薬売ってる奴も居れば、もっとヤバイ奴もいる!ヤバい!完全にヤバい!
語彙が出てこないレベルでヤバい!
僕は全力でゾーノ中を駆ける――と、しばらくしてオーガの一人に呼び止められる。
「おい、あんちゃん。 こっちに来な」
振り向くと身長は優に二メートル半はあるだろう、筋肉隆々なオーガが声の主だとわかってしまった。
「え? はっ、はい!」
これは……最悪死んだな。
父さん、母さん、済みません。今からそちらに向かいます……。
「こいつかい? ねぇちゃんの探してる、 イーヴォって奴は?」
「うん! ありがとねタローさん!」
あ……? 嘘だろ?
そのオーガの後ろからセシリアが笑顔で出てきた……。
僕の心配を返してくれ……。
そしてセシリア、コミュニケーション力をどうか僕に分けてくれ……。
「おうよ! この街は危険だからな、 気を付けろよ。 なに考えてるかわからない奴がうじゃうじゃ居るから。 イーヴォだっけ? お前もだぞ! ちゃんとこの可愛いねぇちゃんのこと守ってやれよ! じゃあな!」
手を降りながらオーガはにこやかに言う。
「あっ、 はい! ありがとうございました!」
人は見かけによらないように、オーガでも同じことが言えるようだ。 見た目は鬼でも中身は仏だった。
「もう! まったく、 イーヴォったら私を心配させるんじゃないわよ! 迷子になっちゃって!」
ふくれながらにセシリアが言う。
その頬をつつきながら、
「迷子になったのはどっちだよ!」
「むぅー…… 仕方無いじゃない…… プレッツェルとか、 ソフトクリームとか、 この街には私を誘惑するものがたくさんあるのに……それに抗えだなんて無理に等しいわよ……」
思ったよりも遥かに危なかった。
典型的な鳥用の罠みたいな物でも簡単に引っかかりそうである……。
「ところでどこにいくの? まさかこんなとこまで来てなにもしないわけ無いわよね?」
「もちろん。 まず……服を買いに行こう。 いつまでもそんな服じゃ、 風邪引くよ?」
「やだ! 先にアイスがいい! 」
なんだこの可愛い生き物。
先程と比較して一.五倍に膨れて、目に涙を浮かべるセシリア。
雛鳥に餌を求められる親鳥は、常にこんな気分なのだろうか?
「でも、 この状態でアイスなんか食べたら……」
「やだ!やだ!先にアイスがいい!」
「分かった! 分かったから!」
「やったー!」
とんでもない食欲だ……。
「でもなー……」
「どうしたの?」
「イーヴォがまた迷子になるといけないし、 手を繋いで行こう!」
「ついでにそのアイス屋さんまで連れてってよ」
「分かった! じゃあいくよ!」
次の瞬間、腕がものすごい勢いで引っ張られ、僕は半ば引きずられる形になった……。
アイスの露店とは四、五百メートルほど離れていたのだが、あっという間に到着しまった。
僕は、着いてすぐにセシリアに引っ張られ続けた右腕に触れる。
…… 大丈夫だ、繋がってる。
「イチゴ味の……えーっと……二つ!おねがい! イーヴォ! 早く払って!」
「待って……八百ゴールド!? せっ、セシリアさーん? 他のにできませんかー?」
「やだ!ここのがいい!」
もうどうにでもなれ!
僕は店員に八百ゴールドを手渡す。
すると店員の人狼が、
「まだ子供なのに偉いねー、 二人は兄弟かなにかかな?」
「いえ、違います。 説明しにくいのですが……」
「もしかして、カップルかなんかかい?」
「ねえねえ、 イーヴォ? カップルってなあに?」
「セシリア、 後で説明するね。 あと店員さんさらにめんどくさい関係です。 説明は求めないでください」
セシリアの知識には相当な偏りがあるようだ。
そして店員は、申し訳なさそうに、
「ごめんね! トッピング一つサービスしとくね!」
「あ!私チョコがいい!」
「ああ! もう早くしてくれー!」
どうにかこうにか僕たちは、ソフトクリームにありつけた。
セシリアはそれに一思いにかぶり付き、頭を押さえる。
「頭がキーンってする……それに寒い……」
「だから言わんこっちゃない。 服を見に行くよ。寒いでしょ?」
僕たちはまた手を繋ぎながら歩き始めた。今度はゆっくりと。
ブティックは何軒も建ち並びどれも派手な看板を下げていた。
「わぁーすごい! どこに入ろう?」
色気より食い気とはよく言うが、こいつの場合はそうでもなかったようだ。
前言撤回である。
「ここにする! イーヴォ、付いてきて!」
「分かったよ。 待って」
そこはエルフが経営している店のようだった。
「いらっしゃーい! ようこそ、 ブティック “トルーキン”へ!」
「うん?カワイーねー♪ 君、 名前なんてんの?」
マネキンに服を着せていたダークエルフがセシリアに話しかける。
「 ありがとー!セシリアだよー!」
「じゃーねー、セシリアちゃんをドレスアップしたげるねぇー♪」
あぁ、俺のもっとも苦手とするタイプのテンションだ……。
類は友を呼ぶと言うやつなのか?
僕は近くの椅子に腰かける。
服屋の空気ってのはなぜか落ち着かない……。 すると横にエルフが近寄り、隣に腰かけた。
「あの娘たち……なんか似てるよね」
「そうですね、 気が合いそうで何よりです」
「あの娘ここに来たときはあんなに明るくなかったのにねぇ……」
「と、言いますと?」
「あぁ、あんまりあの娘には話すなって言われてるんだけどね、あの娘この店に住み込みで働いてんのよ……」
「職もない、服もない、住むところも無くなった。どうか働かせてください……って言ってね……」
「それから働いてくうちに徐々に明るくなっていったんだけどね? ……あそこまで明るくなったのはじめてなのよ……」
楽しそうにエルフは言った。
「多分、近いなにかを感じたんですよ。 あいつも」
あいつの底抜けに明るいのは、少しずつではあるが回りに伝染するようだ。
まあ僕も恐らくその一人なのだが……。
「ドレスアップ終わりぃー!ふぅーなかなかにイケテるよぉ!」
すると試着室からセシリアが出てきた。
長い髪を一つにまとめ、長めのカーディガンを羽織り、ベレー帽を被っている。
「どうかな?似合う?」
「うん。そういうの疎いからあんまりわからないけど、いいと思うよ」
「やったー!」
嬉しそうに跳び跳ねるセシリア。はち切れんばかりの笑顔である。
「よかったねぇー! 私もすごいインスピレーション貰っちゃったからねー。店長~値引きしたげようよー」
「まあ仕方ないな……。 私もあんなあんた初めて見たからね……よし!半額だ!私の気が変わらないうちに買っていきな!」
「済みません、 ありがとうございます!」
本当に僕は支えられてばかりである。
セシリアと会ってからは、それを更に痛感する……。
有り難いものだ……。
「じゃあ泊めてくれそうな宿探すよ」
「夜ご飯と朝ご飯を食べるところのリサーチも忘れずにね」
着飾ったセシリアが言う。
「本当にお前は食欲旺盛というかなんと言うか……」
そういえば、この街に来てからやりたかったことの半分もできていない気がする……。
魔力を制御する杖か指輪、もしもの時に備えて短剣か盾もほしいところだ……。
そしてできればベヒモスについてもう少し調べたいところだが……。それにあれやこれや……。
いや……流石に無理がある。
今日一日だけではとても消化しきれない。
……最悪ゾーノに二泊しなくては……。
そうこうしているうちにも時間は刻一刻と過ぎていく。
「まず宿を探そう。 僕も少しやりたいことがある。それは明日にするから、宿が見つかったらセシリアがやりたいことに付き合うよ」
「本当に!?」
「お財布と応相談だけれども、いい話じゃない? その代わり、明日は僕のやりたいことに付き合って貰うよ」
「もちろん!」
分かってるんだか分かってないんだか……。
まあいいや、ゾーノは広い。宿屋もたくさんある。
ものの五分ほどで見つかるはずだ。
僕らは、宿場街へ向かった。
キャスターの上に乗ったスライムはそう言った。
「ですので、修復かけときますね~」
後ろの看護師らしき女性は僕の腕に緑色の光波をあてた。
「わあ! すごいわね!」
みるみるうちに傷は塞がり、すっかり元通りになった。
「「お大事にー!」」
僕らは門前の救護施設をあとにした。
「まさかタダでこんなに面倒見てもらえるなんてね!」
「ほんとにね」
ゾーノにやって来る商人はよくモンスターに襲われる。
そのためこういったサービスが充実しているのだ。
で、なぜ万人にここまでの手厚い補償ができるかと言うと……。
「うっわあああああああ!」
セシリアが興奮のあまり両腕を広げその場で回った。
「すごーい! 車だぁ! エルフだー!それに……!」
「でっかあああああああああああぁぁぁい!!!!!!!」
セシリアは乱立する超高層ビルを目にそう叫んだ。
ゾーノは、魔法と科学で発展した商業都市である。
物流の中心にして技術の最前線とかっていう、属性てんこ盛りな街だ。
そればかりかゴブリンが車を運転していたり、リクルートスーツに身を包んだオーガが歩いていたり、人狼がカフェで働いていたりする。
村から出てきたばかりの目と脳みそには、いささか情報量が多すぎる。
しかし、僕らのような差別されやすい見た目をしている者でも、なんの心配も無く過ごすことができる最高の街である。
さて、そろそろ宿を見つけなければ……。
「セシリア! そろそろ宿を探しに行くよ!」
そう言って振り返るも、セシリアの姿は無かった。
まさかあいつ通りの方に走っていったんじゃ……?
「………ヤバい」
僕は十メートル走で息を切らすほどの体力だ。対するは、暴走機関車みたいな龍娘。
「……見つかるわけないだろぉぉぉぉ!」
ここは人種(獣種やらなんやら)のるつぼであり、いろんな奴がいる!
不思議な薬売ってる奴も居れば、もっとヤバイ奴もいる!ヤバい!完全にヤバい!
語彙が出てこないレベルでヤバい!
僕は全力でゾーノ中を駆ける――と、しばらくしてオーガの一人に呼び止められる。
「おい、あんちゃん。 こっちに来な」
振り向くと身長は優に二メートル半はあるだろう、筋肉隆々なオーガが声の主だとわかってしまった。
「え? はっ、はい!」
これは……最悪死んだな。
父さん、母さん、済みません。今からそちらに向かいます……。
「こいつかい? ねぇちゃんの探してる、 イーヴォって奴は?」
「うん! ありがとねタローさん!」
あ……? 嘘だろ?
そのオーガの後ろからセシリアが笑顔で出てきた……。
僕の心配を返してくれ……。
そしてセシリア、コミュニケーション力をどうか僕に分けてくれ……。
「おうよ! この街は危険だからな、 気を付けろよ。 なに考えてるかわからない奴がうじゃうじゃ居るから。 イーヴォだっけ? お前もだぞ! ちゃんとこの可愛いねぇちゃんのこと守ってやれよ! じゃあな!」
手を降りながらオーガはにこやかに言う。
「あっ、 はい! ありがとうございました!」
人は見かけによらないように、オーガでも同じことが言えるようだ。 見た目は鬼でも中身は仏だった。
「もう! まったく、 イーヴォったら私を心配させるんじゃないわよ! 迷子になっちゃって!」
ふくれながらにセシリアが言う。
その頬をつつきながら、
「迷子になったのはどっちだよ!」
「むぅー…… 仕方無いじゃない…… プレッツェルとか、 ソフトクリームとか、 この街には私を誘惑するものがたくさんあるのに……それに抗えだなんて無理に等しいわよ……」
思ったよりも遥かに危なかった。
典型的な鳥用の罠みたいな物でも簡単に引っかかりそうである……。
「ところでどこにいくの? まさかこんなとこまで来てなにもしないわけ無いわよね?」
「もちろん。 まず……服を買いに行こう。 いつまでもそんな服じゃ、 風邪引くよ?」
「やだ! 先にアイスがいい! 」
なんだこの可愛い生き物。
先程と比較して一.五倍に膨れて、目に涙を浮かべるセシリア。
雛鳥に餌を求められる親鳥は、常にこんな気分なのだろうか?
「でも、 この状態でアイスなんか食べたら……」
「やだ!やだ!先にアイスがいい!」
「分かった! 分かったから!」
「やったー!」
とんでもない食欲だ……。
「でもなー……」
「どうしたの?」
「イーヴォがまた迷子になるといけないし、 手を繋いで行こう!」
「ついでにそのアイス屋さんまで連れてってよ」
「分かった! じゃあいくよ!」
次の瞬間、腕がものすごい勢いで引っ張られ、僕は半ば引きずられる形になった……。
アイスの露店とは四、五百メートルほど離れていたのだが、あっという間に到着しまった。
僕は、着いてすぐにセシリアに引っ張られ続けた右腕に触れる。
…… 大丈夫だ、繋がってる。
「イチゴ味の……えーっと……二つ!おねがい! イーヴォ! 早く払って!」
「待って……八百ゴールド!? せっ、セシリアさーん? 他のにできませんかー?」
「やだ!ここのがいい!」
もうどうにでもなれ!
僕は店員に八百ゴールドを手渡す。
すると店員の人狼が、
「まだ子供なのに偉いねー、 二人は兄弟かなにかかな?」
「いえ、違います。 説明しにくいのですが……」
「もしかして、カップルかなんかかい?」
「ねえねえ、 イーヴォ? カップルってなあに?」
「セシリア、 後で説明するね。 あと店員さんさらにめんどくさい関係です。 説明は求めないでください」
セシリアの知識には相当な偏りがあるようだ。
そして店員は、申し訳なさそうに、
「ごめんね! トッピング一つサービスしとくね!」
「あ!私チョコがいい!」
「ああ! もう早くしてくれー!」
どうにかこうにか僕たちは、ソフトクリームにありつけた。
セシリアはそれに一思いにかぶり付き、頭を押さえる。
「頭がキーンってする……それに寒い……」
「だから言わんこっちゃない。 服を見に行くよ。寒いでしょ?」
僕たちはまた手を繋ぎながら歩き始めた。今度はゆっくりと。
ブティックは何軒も建ち並びどれも派手な看板を下げていた。
「わぁーすごい! どこに入ろう?」
色気より食い気とはよく言うが、こいつの場合はそうでもなかったようだ。
前言撤回である。
「ここにする! イーヴォ、付いてきて!」
「分かったよ。 待って」
そこはエルフが経営している店のようだった。
「いらっしゃーい! ようこそ、 ブティック “トルーキン”へ!」
「うん?カワイーねー♪ 君、 名前なんてんの?」
マネキンに服を着せていたダークエルフがセシリアに話しかける。
「 ありがとー!セシリアだよー!」
「じゃーねー、セシリアちゃんをドレスアップしたげるねぇー♪」
あぁ、俺のもっとも苦手とするタイプのテンションだ……。
類は友を呼ぶと言うやつなのか?
僕は近くの椅子に腰かける。
服屋の空気ってのはなぜか落ち着かない……。 すると横にエルフが近寄り、隣に腰かけた。
「あの娘たち……なんか似てるよね」
「そうですね、 気が合いそうで何よりです」
「あの娘ここに来たときはあんなに明るくなかったのにねぇ……」
「と、言いますと?」
「あぁ、あんまりあの娘には話すなって言われてるんだけどね、あの娘この店に住み込みで働いてんのよ……」
「職もない、服もない、住むところも無くなった。どうか働かせてください……って言ってね……」
「それから働いてくうちに徐々に明るくなっていったんだけどね? ……あそこまで明るくなったのはじめてなのよ……」
楽しそうにエルフは言った。
「多分、近いなにかを感じたんですよ。 あいつも」
あいつの底抜けに明るいのは、少しずつではあるが回りに伝染するようだ。
まあ僕も恐らくその一人なのだが……。
「ドレスアップ終わりぃー!ふぅーなかなかにイケテるよぉ!」
すると試着室からセシリアが出てきた。
長い髪を一つにまとめ、長めのカーディガンを羽織り、ベレー帽を被っている。
「どうかな?似合う?」
「うん。そういうの疎いからあんまりわからないけど、いいと思うよ」
「やったー!」
嬉しそうに跳び跳ねるセシリア。はち切れんばかりの笑顔である。
「よかったねぇー! 私もすごいインスピレーション貰っちゃったからねー。店長~値引きしたげようよー」
「まあ仕方ないな……。 私もあんなあんた初めて見たからね……よし!半額だ!私の気が変わらないうちに買っていきな!」
「済みません、 ありがとうございます!」
本当に僕は支えられてばかりである。
セシリアと会ってからは、それを更に痛感する……。
有り難いものだ……。
「じゃあ泊めてくれそうな宿探すよ」
「夜ご飯と朝ご飯を食べるところのリサーチも忘れずにね」
着飾ったセシリアが言う。
「本当にお前は食欲旺盛というかなんと言うか……」
そういえば、この街に来てからやりたかったことの半分もできていない気がする……。
魔力を制御する杖か指輪、もしもの時に備えて短剣か盾もほしいところだ……。
そしてできればベヒモスについてもう少し調べたいところだが……。それにあれやこれや……。
いや……流石に無理がある。
今日一日だけではとても消化しきれない。
……最悪ゾーノに二泊しなくては……。
そうこうしているうちにも時間は刻一刻と過ぎていく。
「まず宿を探そう。 僕も少しやりたいことがある。それは明日にするから、宿が見つかったらセシリアがやりたいことに付き合うよ」
「本当に!?」
「お財布と応相談だけれども、いい話じゃない? その代わり、明日は僕のやりたいことに付き合って貰うよ」
「もちろん!」
分かってるんだか分かってないんだか……。
まあいいや、ゾーノは広い。宿屋もたくさんある。
ものの五分ほどで見つかるはずだ。
僕らは、宿場街へ向かった。
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