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一章.魔法使いと人工キメラ
六話目-大竜祭とファフニール
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宿屋を探し、宿場街へ向かった僕らだったが、待っていたのは予想だにしないことだった。
一軒目
「あの……空いている部屋はありますか?」
「すまんが帰ってくれ。 君らを泊めるなと上が煩くて……済まないね……その上今日は年に一度の祭りだからかも知れないが、 頭に血が上ってるみたいでな……済まないが他を当たってくれ」
二軒目
「あの~…」
「君たちついてないねー……ゾーノのメインストリートで年に一度の【大竜祭】が開かれてるんだよー……。毎年見物人が多いんだがね。今年は特に多くて満室なんだよ……」
三軒目
「……あの……お部屋空いてますか?」
「空いてるんだけどね……昨日ゴブリンに盗みに入られてね……壁は壊されるわ、倉庫は荒らされるわで旦那が落ち込んじゃってね……済まないけどまた今度にしてくれないかしら」
と、まあこんな感じなのである。
「これじゃあ本当に日が暮れるな……」
只今丁度午後三時である。
「イーヴォ! メインストリートいこっ!」
いつになく目を輝かせ、 セシリアが言う。
「宿はどうするの?」
「町の外で野宿すればいいじゃない」
「ご飯は……?」
「お祭りの出店で買えばいいじゃない」
どんだけ祭り行きたいんだこいつ。
「どうよ!これぞ私の素晴らしい頭脳をもって導き出された答えよっ!」
腕を組み、ふんすと鼻をならすセシリア……。
なんでそこまで祭りに行きたいのか……。
どちらかと言えば、祭りではなく祀りだと思うのだが……。
「仕方ない。 祭りに行こう。 もしかしたら竜繋がりで何か分かるかもしれないし……」
「分かんないわけ無いよ。 竜がくるんだって」
「竜って何が?」
「ふぁふにーる? ってタローさんいってたよ」
災害クラスの化け物出てくる祭りじゃねぇかよ。
まあ、毒の効かないベヒモスの前では只のデカいトカゲだが……。
ファフニールは空を飛び、毒の息を吐くと言う黒龍である。
極一部でカルト的に信仰されている。
どこかの言語で「竜」を冠するその名と、個体の希少さも相まってほぼ伝説と化した存在である。
「なんでそんなのがここに?」
「もともと祀られてた祠があったとかなんとか……」
それであれば、戦争のことも何かしらわかるかもしれない。
「よし。 メインストリート行こう」
「やったー!」
僕は宿は諦めて好奇心の導きのままに進んだ。
メインストリートは、ゾーノを中心で二分するように敷かれている、 とてつもなく長い赤い煉瓦の道である。
道沿いには、レストラン、百貨店、老舗の武器店等が立ち並ぶ。
噂の通り、祭りののぼりやら賑やかな飾りつけやらがされてあった。
「おー! ぴかぴかだー!」
「あんまり走り回るなよ……お前に追い付くほどの走力僕にはないんだから……」
「ん……?なんかやってる!」
セシリアが前方に駆け出す。
本当に風を切っているような音がここからでも聞こえるほど速い……。
龍の筋力は本当に桁違いだ……。
何とかして辿り着くとセシリアに頬をつねられた。
「いだだだだだだだだだだ!」
「レディを待たせるなんてけしからないわね!」
「やめて、千切れる! 捻り切れる!頬が無くなる!」
情け容赦の無い(特に意味もない)暴力が僕を襲った。
「まあいいや」
セシリアが僕の顔から手を離した。
慌てて頬を触ったが特になんともない。良かった。
「そんなことよりあれ!」
セシリアが指差す人だかりの先を見ると、そこには本でしか見たことの無い例の黒龍が!
マジでいるのかよ……。
するとまもなく、龍の悶え声が聞こえる。
「ウッ……!」
オオオオオオオオオオ!としか聞こえないほどの爆音が流れ僕らは耳を塞ぐ。
しばらくし、少し弱まったところでセシリアに、
「こいつ何て言ってるんだ!?」
と聞く。
「貴様もか!貴様も裏切るのか!数年前のように!■■■■■■のように!だって」
「なんだそれ? さっきの唸り声なんだよ」
「翻訳できないのよ……。多分誰かの名前だと思うんだけど……」
「言ってることは相当ヤバイじゃねぇか! 行くぞ!」
「何処に!?」
「ドラゴン助けにいくんだよ!」
ほぼ無意識のうちに体が動いてたのだから仕方ない。
人混みを掻き分けると、そこには大きなドラゴンが横たわり、覆面姿の人影が二つ見える。赤い覆面と青い覆面。
どちらも鎌のような武器を携えている。
「何をしてるんです!?とっとと角と眼を取ってしまいなさい!」
赤い覆面をつけているのは女のようだ。
「お前らこそ何をしてるのよ!」
セシリアが会話に割り込んだ。
周りの人混みというより野次馬はどうやらその青と赤に怯えきっているようだ。動かないわけである。
……この街に本当に何があったんだ?
「ううん?こいつら、キメラと忌み子かぁ?」
青が喋る。
うわぁ、こいつらかなりデカい。
背が人間の倍はある……。青は猫背だがその状態でも普通のオーガ並みだ……。
なんだ……こいつら?
「おお! 妙薬に加えて見世物まで手に入ったよ!これは素晴らしいねぇ!モルモットにするか……いや、殺して標本にするのもありだ……ククク……!」
赤が続けて言う。
「あんたら、今から大人しく付いてくんなら生かしてやろう! 今の私は機嫌がいい!」
青はこういう。
「いやぁ? 俺はこいつらをぶち殺したいねぇ……。 内臓晒け出して潰してやりたいねぇ……。バラッバラにしてやりたいねぇ……ヒヒッ」
駄目だコイツらイカれてやがる。穏和に行こうとした俺が馬鹿だった。
「イーヴォ……」
セシリアが静かに話しかけてきた。
「私コイツら許せない。 協力して……!」
セシリアも同じだったようだ。首筋に血管が浮き出ている。その双眸は静かに、恐ろしいほど血走って相手を睨んでいる。
かといって、相手も手練れだろう……。
武器も持っている。
ん? と言うより生かさず殺さずが難しい毒魔法でどう取り押さえよう?
あ!あれ があるじゃないか!
「セシリア少し耳を貸せ!」
「どうしたの?」
「ひとつ質問だ、お前本当に毒で溶けないよな?右がわの人間の半身も?」
「もちろんよ!なめられちゃ困るわ!」
よし! それなら話は速いし自分のやることも少なくて済む。
「じゃあこれから僕が言うことになにも言わずに従ってくれ」
こくりとうなずくセシリア。
「僕がセシリアの回りに毒でドームを作る、その隙に服を全部脱いでくれ」
「なにいってんの!?この変態!」
明らかに顔を赤くするセシリア。あと少しで殴られるところだった。あぶねぇ……。
「お前を晒し者にする気なんて毛頭無い!どうかなにも言わずに聞いてくれ!」
「分かったわよ……続きを聞かせて」
「えっとな……」
赤が迫ってくる。
「早くしてくんない? 向かってくんなら早くしなさいよ! まあ、どうせ負け犬は集まっても負け犬よ……フフッ!」
「セシリア……いいな?」
「分かったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」
どうにか了諾してもらえた。まあそうだよな……僕が失敗したらヤバイことになるし……。
「始めるよ!」
「ばっちこい!」
息を吐き、精神を統一する。
僕の手のひらから毒が流れ始め、セシリアの周りで円を描き始め一瞬でドームと化した。
赤が微笑みながら言う。
「驚いた! お前魔法使えるんだ!殺し甲斐がある!」
青も言う、
「へぇ……毒魔法か……ヒヒッ……忌み子にはぴったりだなヒヒヒッ!益々殺したくなってきたァ!」
巨躯がにじり寄ってくる……。
ドームの制御を左手に移し、右手を敵に向ける。
「お前ごときが私らに敵うとでも?」
「ヒヒヒッ! 頸をへし折ってやろう!ソレガいい!ソウシテヤロウ!!」
改めて言おう。コイツらイカれてやがる。
まあいいやこれなら殺さなくて済む(はず)!
僕の右手からはおどろおどろしい緑色の毒が流れ、纏まり、触腕と化す。
神経毒だ。
と、言っても十分危険だが溶かすことはないはずだ。
僕は進路を塞ぐように触手を張り巡らせた。
「関係ねぇ! 切るッ!」
青が鎌を振るい豪快に触手を断ち切る……。
「うん?」
青は力無く鎌を落とした。人形の操り糸が切れたかのように腕をぶら下げる。
「貴様ァ!何をしたァ!」
「神経毒だな。 皮膚吸収率のとびきりいいやつ」
「ぐっ!お……俺が……! ピュアオーガのこの俺がぁっ……!」
青い方はまもなく膝をつき、なにも言わなくなった。
「たいしたもんだ。 こいつを気絶させるとは」
……ギリギリ死んでないみたいだ。良かった。
と、その時ドームの中から声がした。
「い、いいわよっ! て言うか早くしなさいよ!恥ずかしくて死にそうよ……!」
「準備はいいからいつでも良いよ」
セシリアがドームから飛び出す……。
すかさず毒をまとわらせ、鎧にする。
そして……そのままの勢いで赤い方に殴りかかった。
「!?嘘でしょ!」
女は鎌で切りかかるが鎌の方が瞬く間に溶けてしまう。
「なんですって!?」
「あんた、大人しく降参しなさい!ここで溶かされたくなければね!」
赤は両腕を挙げ、
「分かってる分かってる。 犬死にするきはないんでね」
僕は人だかりに
「衛兵と、医者を呼んでください!早く!」
と叫ぶ。
まもなく駆けつけた衛兵に二人は取り押さえられた。
青い方と意識がようやく戻ったようだ。
一時はどうなることかと思ったが……。
と、同時にファフニールも起き上がる、とセシリアに向かってなにかを語り始めたようだ……。
一軒目
「あの……空いている部屋はありますか?」
「すまんが帰ってくれ。 君らを泊めるなと上が煩くて……済まないね……その上今日は年に一度の祭りだからかも知れないが、 頭に血が上ってるみたいでな……済まないが他を当たってくれ」
二軒目
「あの~…」
「君たちついてないねー……ゾーノのメインストリートで年に一度の【大竜祭】が開かれてるんだよー……。毎年見物人が多いんだがね。今年は特に多くて満室なんだよ……」
三軒目
「……あの……お部屋空いてますか?」
「空いてるんだけどね……昨日ゴブリンに盗みに入られてね……壁は壊されるわ、倉庫は荒らされるわで旦那が落ち込んじゃってね……済まないけどまた今度にしてくれないかしら」
と、まあこんな感じなのである。
「これじゃあ本当に日が暮れるな……」
只今丁度午後三時である。
「イーヴォ! メインストリートいこっ!」
いつになく目を輝かせ、 セシリアが言う。
「宿はどうするの?」
「町の外で野宿すればいいじゃない」
「ご飯は……?」
「お祭りの出店で買えばいいじゃない」
どんだけ祭り行きたいんだこいつ。
「どうよ!これぞ私の素晴らしい頭脳をもって導き出された答えよっ!」
腕を組み、ふんすと鼻をならすセシリア……。
なんでそこまで祭りに行きたいのか……。
どちらかと言えば、祭りではなく祀りだと思うのだが……。
「仕方ない。 祭りに行こう。 もしかしたら竜繋がりで何か分かるかもしれないし……」
「分かんないわけ無いよ。 竜がくるんだって」
「竜って何が?」
「ふぁふにーる? ってタローさんいってたよ」
災害クラスの化け物出てくる祭りじゃねぇかよ。
まあ、毒の効かないベヒモスの前では只のデカいトカゲだが……。
ファフニールは空を飛び、毒の息を吐くと言う黒龍である。
極一部でカルト的に信仰されている。
どこかの言語で「竜」を冠するその名と、個体の希少さも相まってほぼ伝説と化した存在である。
「なんでそんなのがここに?」
「もともと祀られてた祠があったとかなんとか……」
それであれば、戦争のことも何かしらわかるかもしれない。
「よし。 メインストリート行こう」
「やったー!」
僕は宿は諦めて好奇心の導きのままに進んだ。
メインストリートは、ゾーノを中心で二分するように敷かれている、 とてつもなく長い赤い煉瓦の道である。
道沿いには、レストラン、百貨店、老舗の武器店等が立ち並ぶ。
噂の通り、祭りののぼりやら賑やかな飾りつけやらがされてあった。
「おー! ぴかぴかだー!」
「あんまり走り回るなよ……お前に追い付くほどの走力僕にはないんだから……」
「ん……?なんかやってる!」
セシリアが前方に駆け出す。
本当に風を切っているような音がここからでも聞こえるほど速い……。
龍の筋力は本当に桁違いだ……。
何とかして辿り着くとセシリアに頬をつねられた。
「いだだだだだだだだだだ!」
「レディを待たせるなんてけしからないわね!」
「やめて、千切れる! 捻り切れる!頬が無くなる!」
情け容赦の無い(特に意味もない)暴力が僕を襲った。
「まあいいや」
セシリアが僕の顔から手を離した。
慌てて頬を触ったが特になんともない。良かった。
「そんなことよりあれ!」
セシリアが指差す人だかりの先を見ると、そこには本でしか見たことの無い例の黒龍が!
マジでいるのかよ……。
するとまもなく、龍の悶え声が聞こえる。
「ウッ……!」
オオオオオオオオオオ!としか聞こえないほどの爆音が流れ僕らは耳を塞ぐ。
しばらくし、少し弱まったところでセシリアに、
「こいつ何て言ってるんだ!?」
と聞く。
「貴様もか!貴様も裏切るのか!数年前のように!■■■■■■のように!だって」
「なんだそれ? さっきの唸り声なんだよ」
「翻訳できないのよ……。多分誰かの名前だと思うんだけど……」
「言ってることは相当ヤバイじゃねぇか! 行くぞ!」
「何処に!?」
「ドラゴン助けにいくんだよ!」
ほぼ無意識のうちに体が動いてたのだから仕方ない。
人混みを掻き分けると、そこには大きなドラゴンが横たわり、覆面姿の人影が二つ見える。赤い覆面と青い覆面。
どちらも鎌のような武器を携えている。
「何をしてるんです!?とっとと角と眼を取ってしまいなさい!」
赤い覆面をつけているのは女のようだ。
「お前らこそ何をしてるのよ!」
セシリアが会話に割り込んだ。
周りの人混みというより野次馬はどうやらその青と赤に怯えきっているようだ。動かないわけである。
……この街に本当に何があったんだ?
「ううん?こいつら、キメラと忌み子かぁ?」
青が喋る。
うわぁ、こいつらかなりデカい。
背が人間の倍はある……。青は猫背だがその状態でも普通のオーガ並みだ……。
なんだ……こいつら?
「おお! 妙薬に加えて見世物まで手に入ったよ!これは素晴らしいねぇ!モルモットにするか……いや、殺して標本にするのもありだ……ククク……!」
赤が続けて言う。
「あんたら、今から大人しく付いてくんなら生かしてやろう! 今の私は機嫌がいい!」
青はこういう。
「いやぁ? 俺はこいつらをぶち殺したいねぇ……。 内臓晒け出して潰してやりたいねぇ……。バラッバラにしてやりたいねぇ……ヒヒッ」
駄目だコイツらイカれてやがる。穏和に行こうとした俺が馬鹿だった。
「イーヴォ……」
セシリアが静かに話しかけてきた。
「私コイツら許せない。 協力して……!」
セシリアも同じだったようだ。首筋に血管が浮き出ている。その双眸は静かに、恐ろしいほど血走って相手を睨んでいる。
かといって、相手も手練れだろう……。
武器も持っている。
ん? と言うより生かさず殺さずが難しい毒魔法でどう取り押さえよう?
あ!あれ があるじゃないか!
「セシリア少し耳を貸せ!」
「どうしたの?」
「ひとつ質問だ、お前本当に毒で溶けないよな?右がわの人間の半身も?」
「もちろんよ!なめられちゃ困るわ!」
よし! それなら話は速いし自分のやることも少なくて済む。
「じゃあこれから僕が言うことになにも言わずに従ってくれ」
こくりとうなずくセシリア。
「僕がセシリアの回りに毒でドームを作る、その隙に服を全部脱いでくれ」
「なにいってんの!?この変態!」
明らかに顔を赤くするセシリア。あと少しで殴られるところだった。あぶねぇ……。
「お前を晒し者にする気なんて毛頭無い!どうかなにも言わずに聞いてくれ!」
「分かったわよ……続きを聞かせて」
「えっとな……」
赤が迫ってくる。
「早くしてくんない? 向かってくんなら早くしなさいよ! まあ、どうせ負け犬は集まっても負け犬よ……フフッ!」
「セシリア……いいな?」
「分かったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」
どうにか了諾してもらえた。まあそうだよな……僕が失敗したらヤバイことになるし……。
「始めるよ!」
「ばっちこい!」
息を吐き、精神を統一する。
僕の手のひらから毒が流れ始め、セシリアの周りで円を描き始め一瞬でドームと化した。
赤が微笑みながら言う。
「驚いた! お前魔法使えるんだ!殺し甲斐がある!」
青も言う、
「へぇ……毒魔法か……ヒヒッ……忌み子にはぴったりだなヒヒヒッ!益々殺したくなってきたァ!」
巨躯がにじり寄ってくる……。
ドームの制御を左手に移し、右手を敵に向ける。
「お前ごときが私らに敵うとでも?」
「ヒヒヒッ! 頸をへし折ってやろう!ソレガいい!ソウシテヤロウ!!」
改めて言おう。コイツらイカれてやがる。
まあいいやこれなら殺さなくて済む(はず)!
僕の右手からはおどろおどろしい緑色の毒が流れ、纏まり、触腕と化す。
神経毒だ。
と、言っても十分危険だが溶かすことはないはずだ。
僕は進路を塞ぐように触手を張り巡らせた。
「関係ねぇ! 切るッ!」
青が鎌を振るい豪快に触手を断ち切る……。
「うん?」
青は力無く鎌を落とした。人形の操り糸が切れたかのように腕をぶら下げる。
「貴様ァ!何をしたァ!」
「神経毒だな。 皮膚吸収率のとびきりいいやつ」
「ぐっ!お……俺が……! ピュアオーガのこの俺がぁっ……!」
青い方はまもなく膝をつき、なにも言わなくなった。
「たいしたもんだ。 こいつを気絶させるとは」
……ギリギリ死んでないみたいだ。良かった。
と、その時ドームの中から声がした。
「い、いいわよっ! て言うか早くしなさいよ!恥ずかしくて死にそうよ……!」
「準備はいいからいつでも良いよ」
セシリアがドームから飛び出す……。
すかさず毒をまとわらせ、鎧にする。
そして……そのままの勢いで赤い方に殴りかかった。
「!?嘘でしょ!」
女は鎌で切りかかるが鎌の方が瞬く間に溶けてしまう。
「なんですって!?」
「あんた、大人しく降参しなさい!ここで溶かされたくなければね!」
赤は両腕を挙げ、
「分かってる分かってる。 犬死にするきはないんでね」
僕は人だかりに
「衛兵と、医者を呼んでください!早く!」
と叫ぶ。
まもなく駆けつけた衛兵に二人は取り押さえられた。
青い方と意識がようやく戻ったようだ。
一時はどうなることかと思ったが……。
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