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十五手目◆原因
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「倫子や。
千代姫が生まれてからの二年間と言うのは、あっという間だったよなぁ。
そもそも赤子と言うのが、あれほど手のかかる存在だとは思いもよらんかったわ。
普段は可愛らしくスヤスヤ寝ていても、ふとした拍子に大暴れ。
原因探ると腹が減ったや厠とかしょうもないものばかり。
あの時の余の原因を探る力と言うのは、なかなかのものであったろう?
余のそういった力は、大好きな将棋にて培われているものだからな。
結構自信があるんだよ。
とは言ってもなぁ…
あれほどの暴れっぷりは、余でもさすがに敵わん。
だが叶えてやると、それはそれで全身使って喜びを表現してくる。
あの仕草を見ると可愛らしくてしょうがないんだよなぁ。
やめられんかった…
気がつくと『あー』とか『うー』などと喋りだしたりもしてな。
あの頃は指を動かしたりもしていただけに、もしかしたら既に判別などもついているのか?
などと余とお前で言い合ってなぁ。
そして将来はきっとお前に似た美人で、余に似た才能溢れる人物に育つであろうなどと、城の者達の誰もがそう言っていたのだ。
内緒だが……
あの時、そう言う言葉を耳にしたら必ず余は心の中で、当然だろ!
と思っておったぞ。
こんなことを言うと、また倫子に「そんなことはお見通しですよ」などと笑われてしまうかもしれんのう。
一度泣くと乳母が奔放し
再び泣くと側仕えまでもが騒ぎだし
三度泣くと城内誰しもが所狭しと大暴れ
それが朝昼晩と問わず続いたからなぁ……
続いた頃は勘弁してくれと何度も思ったのだが……
ある日を境にピタリとやむとなぁ……
あれは、一体なんだったんだろうなぁ、倫子よ。
原因が分からない?
ふざけるんじゃないぞ!
そんなふざけた理由があると思うのかとな。
分からないわけないだろう!
物事全てにおいて成功もあれば、失敗もある。
そして、それはどちらに転ぶのか分からないが、転んだ方には必ず原因がある。
何度も何度も怒鳴りつけてしまったなぁ。
だって、なぁ……
そんなふざけた理由を突きつけられたこと、余は生まれて一度もなかったぞ!
全てのことにおいて失敗とか敗因と言うのは付きまとってくるものなんだ。
それなのに……
それなのに……
何故、よりもよって余の人生の最初の原因不明と言う出来事が……
愛しの長女である千代姫の死因なんだ!
それは、いくらなんでもあんまりじゃないか……」
千代姫が生まれてからの二年間と言うのは、あっという間だったよなぁ。
そもそも赤子と言うのが、あれほど手のかかる存在だとは思いもよらんかったわ。
普段は可愛らしくスヤスヤ寝ていても、ふとした拍子に大暴れ。
原因探ると腹が減ったや厠とかしょうもないものばかり。
あの時の余の原因を探る力と言うのは、なかなかのものであったろう?
余のそういった力は、大好きな将棋にて培われているものだからな。
結構自信があるんだよ。
とは言ってもなぁ…
あれほどの暴れっぷりは、余でもさすがに敵わん。
だが叶えてやると、それはそれで全身使って喜びを表現してくる。
あの仕草を見ると可愛らしくてしょうがないんだよなぁ。
やめられんかった…
気がつくと『あー』とか『うー』などと喋りだしたりもしてな。
あの頃は指を動かしたりもしていただけに、もしかしたら既に判別などもついているのか?
などと余とお前で言い合ってなぁ。
そして将来はきっとお前に似た美人で、余に似た才能溢れる人物に育つであろうなどと、城の者達の誰もがそう言っていたのだ。
内緒だが……
あの時、そう言う言葉を耳にしたら必ず余は心の中で、当然だろ!
と思っておったぞ。
こんなことを言うと、また倫子に「そんなことはお見通しですよ」などと笑われてしまうかもしれんのう。
一度泣くと乳母が奔放し
再び泣くと側仕えまでもが騒ぎだし
三度泣くと城内誰しもが所狭しと大暴れ
それが朝昼晩と問わず続いたからなぁ……
続いた頃は勘弁してくれと何度も思ったのだが……
ある日を境にピタリとやむとなぁ……
あれは、一体なんだったんだろうなぁ、倫子よ。
原因が分からない?
ふざけるんじゃないぞ!
そんなふざけた理由があると思うのかとな。
分からないわけないだろう!
物事全てにおいて成功もあれば、失敗もある。
そして、それはどちらに転ぶのか分からないが、転んだ方には必ず原因がある。
何度も何度も怒鳴りつけてしまったなぁ。
だって、なぁ……
そんなふざけた理由を突きつけられたこと、余は生まれて一度もなかったぞ!
全てのことにおいて失敗とか敗因と言うのは付きまとってくるものなんだ。
それなのに……
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