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11~20話
15c、私のソースだったのに
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実家で食べるものよりも数段やわらかく、噛みしめるほどに旨味を溢れさせる牛肉。
口いっぱいに広がる濃厚な肉汁を上にかかったソースがさっぱりと押し流して飽きさせず、いくらでも食べてしまえそうだ。
「お肉だけじゃなくって、このソースも美味しいですね。なんだかちょっとフルーティーで」
「こういった食材もわかったりするのか?」
「へっ? 食材??」
一体何の話だろうか。
「ものを匂うのが好きならば、嗅覚が発達しているんじゃないのか? 香りから、何の食材が入っているかわかるだとか」
「あぁー……ふふっ、そんなすごい能力はないですよ。私はただ、自分にとって『好きな香り』か『嫌いな香り』かがわかるだけです。ちなみにこの香りは『好き』ですよ!」
フォークに刺さった肉を掲げて、ぱくっと頬張る。
うーん、美味しい!
「なるほど、好き嫌いか」
「むぐ……っはい。あっ、でもグレニス様の香りだったら嗅ぎ分けられそうな気がしますね」
なんといったって一番大好きな香りだからね!
汗だくの男衆の中から、目を閉じて香りだけでグレニスを見つけることだってできるんじゃないだろうか。
「おい、ソースが口に付いているぞ」
「え?」
わっせいわっせいと群がる汗だくの男衆の想像から意識を戻す。
口いっぱいに広がる濃厚な肉汁を上にかかったソースがさっぱりと押し流して飽きさせず、いくらでも食べてしまえそうだ。
「お肉だけじゃなくって、このソースも美味しいですね。なんだかちょっとフルーティーで」
「こういった食材もわかったりするのか?」
「へっ? 食材??」
一体何の話だろうか。
「ものを匂うのが好きならば、嗅覚が発達しているんじゃないのか? 香りから、何の食材が入っているかわかるだとか」
「あぁー……ふふっ、そんなすごい能力はないですよ。私はただ、自分にとって『好きな香り』か『嫌いな香り』かがわかるだけです。ちなみにこの香りは『好き』ですよ!」
フォークに刺さった肉を掲げて、ぱくっと頬張る。
うーん、美味しい!
「なるほど、好き嫌いか」
「むぐ……っはい。あっ、でもグレニス様の香りだったら嗅ぎ分けられそうな気がしますね」
なんといったって一番大好きな香りだからね!
汗だくの男衆の中から、目を閉じて香りだけでグレニスを見つけることだってできるんじゃないだろうか。
「おい、ソースが口に付いているぞ」
「え?」
わっせいわっせいと群がる汗だくの男衆の想像から意識を戻す。
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