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11~20話
20a、今日も暑くなりそうだなー
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どんなに悩んでいたって朝は来る。
すぐに解熱薬を飲んだおかげもあって、熱はもうすっかりと下がった。
寝不足なことさえ除けば、体調は万全と言えよう。
「お、はよう、ございます、旦那様……」
「ああ、おはよう」
鍛練中のグレニスとぎこちなく挨拶を交わし、ワゴンを押して鍛練場の隅に控える。
グレニスの様子は至って普通。照れた様子も気まずげな様子もなく、いつも通りだ。
そう、全くもっていつも通り。
———もしや、昨日の出来事は私の妄想だったのでは?
あり得る。
だって恋だと気付いた途端その相手に口付けられるなんて、そんな都合のいいこと起こるはずがない。
前々夜にあれほど色々な男性との口付けを想像しようと試みたのだ。
グレニスとの、その……ソレも何度か想像してしまったし、残像が頭に残って白昼夢を見せる可能性だってあるだろう。
部屋にはまだ食べきれないほどのフルーツがあるから、グレニスが見舞いに来たところまでは現実として……口付けが妄想なら、果たして抱擁は現実だったのだろうか?
一体どこまでが現実で、どこからが妄想———???
「体調はもういいのか?」
「へぁっ!!?」
不意に頭上から降った声に飛び上がる。
顔を上げれば、鍛練を終えびっしょりと汗をかいたグレニスが目の前に立っていた。
私が鍛練の終了に気付かずぼーっとしていたせいで、わざわざこちらまで足を運ばせてしまったようだ。
すぐに解熱薬を飲んだおかげもあって、熱はもうすっかりと下がった。
寝不足なことさえ除けば、体調は万全と言えよう。
「お、はよう、ございます、旦那様……」
「ああ、おはよう」
鍛練中のグレニスとぎこちなく挨拶を交わし、ワゴンを押して鍛練場の隅に控える。
グレニスの様子は至って普通。照れた様子も気まずげな様子もなく、いつも通りだ。
そう、全くもっていつも通り。
———もしや、昨日の出来事は私の妄想だったのでは?
あり得る。
だって恋だと気付いた途端その相手に口付けられるなんて、そんな都合のいいこと起こるはずがない。
前々夜にあれほど色々な男性との口付けを想像しようと試みたのだ。
グレニスとの、その……ソレも何度か想像してしまったし、残像が頭に残って白昼夢を見せる可能性だってあるだろう。
部屋にはまだ食べきれないほどのフルーツがあるから、グレニスが見舞いに来たところまでは現実として……口付けが妄想なら、果たして抱擁は現実だったのだろうか?
一体どこまでが現実で、どこからが妄想———???
「体調はもういいのか?」
「へぁっ!!?」
不意に頭上から降った声に飛び上がる。
顔を上げれば、鍛練を終えびっしょりと汗をかいたグレニスが目の前に立っていた。
私が鍛練の終了に気付かずぼーっとしていたせいで、わざわざこちらまで足を運ばせてしまったようだ。
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