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61~最終話
62a、【終】兜を被ってスハスハしていたら
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控え室から前室へと移る。
正面のこの扉が開けば、式が始まるのだ。
刻々と高まっていく緊張感に、そわそわとしてグレニスを見上げる。
「わ、私、こんなに大がかりな式なんて初めてで……。もっ、もし転んだりしたらどうしましょう!?」
「俺も結婚式は初めてだ。大丈夫、転びそうになったら支えてやる。リヴは安心して俺だけ見ておけばいい」
「グレンだけ……」
思い返せば初デートのときにも、グレニスは躓いた私を受け止めようと手を差し出してくれた。
今日だってその言葉通り、転びかければ即座に受け止めてくれることだろう。
それに———たとえ私が取り返しのつかない大失態を晒したとしても、グレニスなら何も変わらず側にいてくれる。……そんな気がする。
グレニスの肘に添えた手にきゅっと力を込めると、ぴんと胸を張って前を向く。
「……思い出に残る式にしましょうね!」
「ああ、そうだな」
パイプオルガンの荘厳な音が響き渡り、祭礼の間へと続く扉が大きく開け放たれた。
正面のこの扉が開けば、式が始まるのだ。
刻々と高まっていく緊張感に、そわそわとしてグレニスを見上げる。
「わ、私、こんなに大がかりな式なんて初めてで……。もっ、もし転んだりしたらどうしましょう!?」
「俺も結婚式は初めてだ。大丈夫、転びそうになったら支えてやる。リヴは安心して俺だけ見ておけばいい」
「グレンだけ……」
思い返せば初デートのときにも、グレニスは躓いた私を受け止めようと手を差し出してくれた。
今日だってその言葉通り、転びかければ即座に受け止めてくれることだろう。
それに———たとえ私が取り返しのつかない大失態を晒したとしても、グレニスなら何も変わらず側にいてくれる。……そんな気がする。
グレニスの肘に添えた手にきゅっと力を込めると、ぴんと胸を張って前を向く。
「……思い出に残る式にしましょうね!」
「ああ、そうだな」
パイプオルガンの荘厳な音が響き渡り、祭礼の間へと続く扉が大きく開け放たれた。
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