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61~最終話
61d、何を隠そう
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式を挙げるのは、百余年の歴史を誇り重要な式典にも使用される王都唯一の大聖堂。
大聖堂に近づくにつれ、沿道に集まった人々が馬車に向かって口々にお祝いの言葉をかけてくれる。
「ジェルム団長ー! おめでとうございますー!」
「団長さん、おめでとうー!」
「お嫁さん綺麗ー!」
「お幸せにー!!」
私はせっせと窓から手を振り返しつつ、落ち着いた様子で対面に座るグレニスをこっそりと見つめた。
この国の住人であればその名を知らない人はない、騎士団長グレニス=ジェルム。
数万からなる騎士を統べて国王の覚えめでたく、市民からも愛される平和の守人。
今からこんなにすごい人と結婚するのかと、ちょっと尻込みしそうになる。
ああ、大好きな香りを嗅いで気持ちを落ち着けたい……。
すんすんと鼻を澄ませてみても、硬い甲冑に覆われたグレニスからは何も香ってはこなかった。
式を挙げるのは、百余年の歴史を誇り重要な式典にも使用される王都唯一の大聖堂。
大聖堂に近づくにつれ、沿道に集まった人々が馬車に向かって口々にお祝いの言葉をかけてくれる。
「ジェルム団長ー! おめでとうございますー!」
「団長さん、おめでとうー!」
「お嫁さん綺麗ー!」
「お幸せにー!!」
私はせっせと窓から手を振り返しつつ、落ち着いた様子で対面に座るグレニスをこっそりと見つめた。
この国の住人であればその名を知らない人はない、騎士団長グレニス=ジェルム。
数万からなる騎士を統べて国王の覚えめでたく、市民からも愛される平和の守人。
今からこんなにすごい人と結婚するのかと、ちょっと尻込みしそうになる。
ああ、大好きな香りを嗅いで気持ちを落ち着けたい……。
すんすんと鼻を澄ませてみても、硬い甲冑に覆われたグレニスからは何も香ってはこなかった。
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