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「では修道院長、ラバジェ伯爵家にはソフィがここで生活しているように報告をお願いしますよ。決して私のことを言ってはいけません。愚か者達に知らせる必要は全くありませんからね。ところで、ここの評判はなぜこれほど悪いのですか? 体罰なんて本当にあるのですか? 矯正室とはなんですか? ここに向かう途中で、ずいぶん酷い噂を耳にしましたよ」
修道院長の顔には、ボナデア伯母様が何を言っているのか全く理解できないと、大きく書いてあった。けれど、しばらくすると合点がいったようで、ぽつりぽつりと話しだした。
「多分こちらで預かっていた、侯爵家のあるお嬢様が広めた噂だと思います。虚言癖があるお嬢様でして、さすがに体罰を加えるようなことはしておりません。ただ、少し厳しく指導するとすぐに泣いて暴れて手が付けられないので、仕方なく矯正室という懲罰部屋を作り、そこに二時間ほどいてもらうことはありました。他のシスター達を突き飛ばしたりするので適切な処置だったと思っています」
その令嬢は今までに何度も修道院で問題を起こしたことがあり、その度に侯爵家からの謝罪の手紙を受け取っていたらしい。噂とは全くあてにならないものね。
「まぁ、それは災難でしたね。ですが、修道院の噂なんてそんなものでしょう。実際はとても神聖な場所なのに、勝手に悪い噂を流されては困りますね」
「はい、体罰なんてとんでもないです。とても厳しい修道院だと思われていますが、神に仕える仕事ですから、厳しくするのは当たり前のことですし、必要以上に酷いことは一度もしたことはありません。信じてくださいませ、ビニ公爵夫人」
修道院長のその言葉にボナデア伯母様が微笑んだ。
「え? 公爵夫人なのですか? お手紙の宛先はお名前だけで爵位もなかったので、それほど身分が高い方なんてわからなかったです」
「ヴィッキーやジョハンナからなにも聞いていないのかしら?」
ボナデア伯母様に問いかけられて、私は申し訳なさそうに眉をひそめた。
両親もジョハンナ叔母様も、ボナデア伯母様のことは絶対話さない。ただ、とても身分の高い方と結婚して、隣国に嫁いだことしか聞いていなかった。
「ビニ公爵夫人の旦那様はメドフォード国の王弟ですよ」
「え・・・・・・私、そのように凄い方に、投資のお話なんて持ちかけて申し訳ありませんでした。本当にごめんなさい」
「あら、ふふふっ。とても面白かったですよ。自分に投資をしてくれ、なんて新鮮でした。姪だから助けてもらえて当たり前、というような態度の娘よりずっと良いです。私は自分で頑張ろうとする、気概のある子が大好きですからね」
ボナデア伯母様は私に軽くウィンクした。私のことを気に入ってくださっているのかもしれないと思うと嬉しかった。ゴッサム修道院から出ると一台の馬車が停まっていた。その車体は美しく装飾された彫刻や細密な金属装飾で飾られており、華麗なデザインが特徴的だった。金箔や銀箔で飾られた装飾部分は、陽光を浴びて眩い輝きを放っていた。馬車の上部には紋章がつけられている。そして、それはメドフォード国の王家の紋章だった。
内部のベルベットの座席は柔らかく、快適な座り心地だ。座面や背もたれには繊細な刺繍が施され、花や植物のモチーフが生き生きと描かれていた。天井には美しい絵画や彫刻が施され、シャンデリアが優雅につり下がっている。金や宝石で飾られたドアノブは、公爵家の地位と富を象徴しているかのようだった。
「このような馬車は初めて乗ります。すごく緊張します」
「まぁ、これでも目立たない馬車を選んで来たのよ。さぁ、夜になる前にあちらに着かないといけないわ。急ぎましょう」
たくさんのメドフォード国の護衛騎士に守られて、私の新しい人生が始まろうとしていた。ボナデア伯母様と私は向かい合わせに座り馬車は動き始める。滑らかに走り出し、揺れは全く感じなかった。とても静かだったのよ。
修道院長の顔には、ボナデア伯母様が何を言っているのか全く理解できないと、大きく書いてあった。けれど、しばらくすると合点がいったようで、ぽつりぽつりと話しだした。
「多分こちらで預かっていた、侯爵家のあるお嬢様が広めた噂だと思います。虚言癖があるお嬢様でして、さすがに体罰を加えるようなことはしておりません。ただ、少し厳しく指導するとすぐに泣いて暴れて手が付けられないので、仕方なく矯正室という懲罰部屋を作り、そこに二時間ほどいてもらうことはありました。他のシスター達を突き飛ばしたりするので適切な処置だったと思っています」
その令嬢は今までに何度も修道院で問題を起こしたことがあり、その度に侯爵家からの謝罪の手紙を受け取っていたらしい。噂とは全くあてにならないものね。
「まぁ、それは災難でしたね。ですが、修道院の噂なんてそんなものでしょう。実際はとても神聖な場所なのに、勝手に悪い噂を流されては困りますね」
「はい、体罰なんてとんでもないです。とても厳しい修道院だと思われていますが、神に仕える仕事ですから、厳しくするのは当たり前のことですし、必要以上に酷いことは一度もしたことはありません。信じてくださいませ、ビニ公爵夫人」
修道院長のその言葉にボナデア伯母様が微笑んだ。
「え? 公爵夫人なのですか? お手紙の宛先はお名前だけで爵位もなかったので、それほど身分が高い方なんてわからなかったです」
「ヴィッキーやジョハンナからなにも聞いていないのかしら?」
ボナデア伯母様に問いかけられて、私は申し訳なさそうに眉をひそめた。
両親もジョハンナ叔母様も、ボナデア伯母様のことは絶対話さない。ただ、とても身分の高い方と結婚して、隣国に嫁いだことしか聞いていなかった。
「ビニ公爵夫人の旦那様はメドフォード国の王弟ですよ」
「え・・・・・・私、そのように凄い方に、投資のお話なんて持ちかけて申し訳ありませんでした。本当にごめんなさい」
「あら、ふふふっ。とても面白かったですよ。自分に投資をしてくれ、なんて新鮮でした。姪だから助けてもらえて当たり前、というような態度の娘よりずっと良いです。私は自分で頑張ろうとする、気概のある子が大好きですからね」
ボナデア伯母様は私に軽くウィンクした。私のことを気に入ってくださっているのかもしれないと思うと嬉しかった。ゴッサム修道院から出ると一台の馬車が停まっていた。その車体は美しく装飾された彫刻や細密な金属装飾で飾られており、華麗なデザインが特徴的だった。金箔や銀箔で飾られた装飾部分は、陽光を浴びて眩い輝きを放っていた。馬車の上部には紋章がつけられている。そして、それはメドフォード国の王家の紋章だった。
内部のベルベットの座席は柔らかく、快適な座り心地だ。座面や背もたれには繊細な刺繍が施され、花や植物のモチーフが生き生きと描かれていた。天井には美しい絵画や彫刻が施され、シャンデリアが優雅につり下がっている。金や宝石で飾られたドアノブは、公爵家の地位と富を象徴しているかのようだった。
「このような馬車は初めて乗ります。すごく緊張します」
「まぁ、これでも目立たない馬車を選んで来たのよ。さぁ、夜になる前にあちらに着かないといけないわ。急ぎましょう」
たくさんのメドフォード国の護衛騎士に守られて、私の新しい人生が始まろうとしていた。ボナデア伯母様と私は向かい合わせに座り馬車は動き始める。滑らかに走り出し、揺れは全く感じなかった。とても静かだったのよ。
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