(完結)家族にも婚約者にも愛されなかった私は・・・・・・従姉妹がそんなに大事ですか?

青空一夏

文字の大きさ
58 / 67

59

しおりを挟む
 卒業式当日、私は最も成績が優秀だった生徒として、エレガントローズ学院の中庭に立っていた。その日のために選んだドレスは、明るさを持ちながらも落ち着いた印象を与える、ライトグレーでシンプルなものだった。

 卒業式会場が中庭になったのは、ニッキーが空から花びらを振らせたり、特殊な演出をしてくれると申し出たからだった。私たちはどんな卒業式になるのか、とても楽しみにしていた。

 中庭に私の名前が響き渡り、ライオネル殿下が美しいヴァイオリンの音を奏でる中、ゆっくりと歩みながら壇上へと進んで行った。卒業生の父兄や国王陛下夫妻までいらしたこの卒業式には、ピンと張り詰めた緊張感が漂っていた。

 学院長の温厚な笑顔を受けながら、学院を首席で卒業した証明となる賞状を受け取り、緊張と感慨が入り混じったスピーチに臨んだ。深呼吸をしながら壇上に立ち、私は心の底から感謝の気持ちを込めて言葉を紡ぎだす。

「この学院での日々は、まるで夢のような時間でした。ここで出会った仲間たちとの絆や、厳しい試練を乗り越えた成長の瞬間は、私たち一人ひとりの人生を彩る宝物です。教職員の皆様、あなた方の知識、指導、忍耐強いサポートに感謝の意を表明します。・・・・・・家族の皆様、あなた方の愛と理解に感謝いたします。・・・・・・これからも私たちは成長し、夢に向かって歩み続けます!」

 教職員の方々や家族に対する感謝の言葉も挟みつつ、私はスピーチを完璧に暗唱することができた。ボナデアお母様はカサンドラ王妃殿下と手を握り合って涙ぐんでいたし、ビニ公爵様と国王陛下は満面の笑みで私に注目していた。

 空からは愛情、感謝、友情などの意味を持つピンクのバラの花びらがはらはらと舞い降りた。その一枚一枚の花びらには可愛い小さな妖精が乗っていた。

 ニッキーに妖精までつくることができたなんて驚きだった。可愛い妖精たちは淡い水色の羽を持っていた。キラキラと光り輝きながら、花びらを優雅に舞わせていたのよ。

 空には伝説の鳥とされる『幸せの鳥』が姿を現した。その幸せの鳥は純白の羽毛で覆われ、その美しさは言葉では言い尽くせないほどだった。

 鳥の瞳は深いサファイアのように輝き、その瞳には知恵と穏やかなる心が宿っているかのように見えた。翼は透明で、光を通すたびに虹色の輝きを放つ。

 伝説によればこの鳥が歌うと、その美しい歌声に包まれた者は永遠の幸福を見つけると言われていた。また、その羽を持つ者には願い事が叶う力が宿り、その鳴き声を聞いた者は幸運に恵まれると信じられていたのよ。

 この幸せの鳥は非常に稀で、出会うことは難しいとされていた。そのため、人々はこの鳥の現れる瞬間を神聖視し、それが幸せの兆しであると信じてきた。

 その伝説の鳥が私たちの頭上を優雅に舞い、素晴らしい美声で鳴いた。私たちは皆その鳥にうっとりと見惚れたわ。それから色とりどりの蝶がどこからともなく現れ、私たちの周りを楽しげに舞った。たくさんの奇跡を起こしてくれたグレイトニッキーに私たちは拍手喝采をしたのだった。



☆彡 ★彡



 その夜催された卒業祝賀会で、私とマリエッタ様はニッキーを褒め称えた。もちろん、隣にはライオネル殿下もいたし、ジョディ様やアーリン様もいたわ。

「あの素晴らしい伝説の鳥は、どのようにして作成されたのですか? 素晴らしい出来映えでした!」

 私たちもマリエッタ様と同じ思いだった。

「素晴らしい出来映えなのは当たり前ですよ。あれは本物です。私は花びらと珍しい色の蝶を作り出しただけですからね」

 ニッキーは苦笑しながらそう言った。

「え、本物だったの?」

 私たちは驚きに一瞬固まってしまった。

「あのバラの花びらに寄り添っていた妖精も素晴らしい出来映えでしたが」

 私は皆にあの可愛い妖精のことを話題にしたけれど、それは私とライオネル殿下にだけ見えていたようだった。

「困りましたね。その妖精も、私には身に覚えがないですよ」

 ニッキーの答えに私たちは首を傾げたのだった。


 

 ☆彡 ★彡




「ふにゃぁーー」

 翌日、ライオネル殿下からプレゼントされたのは、可愛いふわふわした毛並みの真っ白い猫だった。

「私たちの長男です。この子に名前をつけてください」

「まぁ、とっても可愛い長男だわ」

 私はこの子猫をロロと名付けた。耳を立てしっぽをくるっと巻き、甘い声で鳴く子猫の仕草は愛らしくて、私を一層幸せな気分にさせたのだった。

 さぁ、三日後には合同結婚式を迎えるわ!







୨୧⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒୨୧

※なぜ、妖精や伝説の鳥が現れたのでしょうか? だんだん、ファンタジー要素が濃くなってきましたね。秘密は二人の子供たちが・・・・・・

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。 誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。 無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。 ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。 「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。 アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。 そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?! ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています

【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ

水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。 ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。 なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。 アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。 ※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います ☆HOTランキング20位(2021.6.21) 感謝です*.* HOTランキング5位(2021.6.22)

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~

tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!! 壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは??? 一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた── 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は── ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

処理中です...