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8 エイナ・リック前男爵未亡人末路  残酷注意  R15

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※残酷注意 R15 コメディですけど、まぁまぁ残酷!











 この街はなぁに? 初めて来たけれど夢のような看板とキャッチコピーの旗が風にはためく。



貴女も若返ることが必ずできる! 驚異の薬! しかも絶世の美女に!



――嘘! そんなことが可能なの? あんな虫ばかりいる屋敷はもうごめんだわ。若返って美貌を手に入れれば今度こそ幸せになれるかも! そうよ、王太子妃にもなれるかも!



「お願いします! 私に是非若返りの薬を!」
「はいはい。いいですとも! じゃ、ここにサインしてくださいね。ありがとうございます。で、今からあなたはこの部屋で薬を試してもらいますけれど、なにせ新しい薬ですから副作用があるかもしれません」

――バタン  ガチャガチャ  カチリ

 真っ白い四角い部屋には手術用ベッドがひとつ。窓もなければドアはさきほどの扉だけで、外から鍵がかけられた音がした。

 ほどなくして入ってきた医師ふたりが私の腕にそれぞれ注射をして去っていく。食事は三食お弁当が出たが、外にはだしてもらえない。

ーーこれって監禁されてるわよね? わけのわからない薬を6時間ごとに打たれて記録をつける医師達。

「ねぇ、これっていつ若返るのよ? 全然変わらないし、なんでか昨日より今日はやたら目線が低いかんじ・・・・・・え、もしかして・・・・・・」

 着ていたドレスの裾の部分が長く伸びすぎてうまく歩けない。違う、ドレスが伸びたんじゃない! 私が縮んだんだ!

「うぎゃぁあああぁーー!! どういうことよ? 腕も足も縮んでる? なによこれ?」

「あらぁーー。惜しいなぁ。身体だけ子供になっちゃっても、顔の皺はそのまんま。なにがだめだったのかね?」

「うーーん。でも身体は若返ったからよくないか? 失敗は成功のもと」

「保安局に訴えてやる! この嘘つきめ!」
私は怒りで身を震わせた。

「もうちょっと改良の余地があるなぁーー。どうする、この人? 訴えるとか言い出しちゃってるよ」
「ほら、街のはずれに見世物小屋あったでしょう? あそこなら引き取ってくれるさ」

――ひっ!! やめてよ! どうしてよぉーー


「え? だってあなたがサインした書類に書いてあったでしょう? なにがあっても文句は言わない。これはあくまで実験なんだって。その約束が守れないようなら、適切な職場紹介(廃棄処分)するって」

――実験・・・・・・そんなこと口頭では言わなかったわよ・・・・・・

「だってさ、考えてみなよ? あなた金払ってないでしょう? この治療法をまともに受けるには5000万フランは必要に決まってるだろう? 世の中タダより高くつくものってないんだよ? モニターって聞こえはいいけど実験台だから! あっはは」

 

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1フラン=1円
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