11 / 12
11 レオンの末路(妻視点) ※残酷注意 R15 刺殺シーンあります
しおりを挟む
※ 刺殺シーンあります。苦手な方は見ないでくださいませ👀
なおこれだけ注意書きをしたにも拘わらず読んで残酷だったという文句は(笑)却下させていただきます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
夫のレオンが帰ってこなくなってもう4ヶ月ほどか・・・・・・当初は事故にでも遭ったのではと心配もしていたのだけれど・・・・・・村の若い男がレオンにとてもよく似た男を街で見かけたと教えてくれた。
その街はいわゆる風俗街。その界隈でも1番高級な娼館から出てくるところを、偶然見かけた男が声をかけたが無視をされたらしい。
「あれは間違いなくレオンだよ。あんなに高級な娼館によく入れたよなぁ。着ている服もお貴族様みたいなかんじでさぁーー。はぶりが良さそうでびっくりだよ!」
ーーまさか・・・・・・元気なのに帰ってこないって・・・・・・こっちは事故にでも遭ったのかと心配していたら、そういうことだったの?
私はふと鏡にうつった自分の姿を見て、だいぶ痩せてしまったことに気がついた。レオンを心配して食事も喉を通らず、子育てをしながらの生活費を稼ぐ仕事はきつかった。
レオンがいない今、生活費は自分で稼がなければならない。それは比較的豊かな家の洗濯女の仕事だった。子供をおんぶしながら、必死で働いてもギリギリの生活。
ーーなんで、あんな無責任な男と結婚したのだろう? 所詮、住む世界が違う男。質素なあたりまえの平民の生活が我慢ならなかったのだろう。私がバカだった。平民でも裕福な男はいないわけではないし、蒸発するような人間は最低だ!
子供をおんぶしながら街に行き、その繁華街に足を踏み入れた。娼館だらけの地区に子供を背負った私は奇異の眼差しを向けられる。でも私は気にしない。
高級娼館に面する通りの隅でしばらく隠れながら待っていると、本当にレオンがそこから出てきて・・・・・・私はどす黒い思いでいっぱいになる。
銀髪美女の肩を抱き寄せて「名残惜しいよ。またね! ハニー」と口づけた夫。
私はその背後に忍び寄り、声を掛けた。その声は自分でも驚くほど地を這うように低くドスがきいていた。
「ねぇ、レオン・・・・・・とても良い思いをしていたんだね? 天国だったでしょう? でも、それも今日でおしまいよ! なぜって? 私が地獄にあんたをたたき落とすからね」
家から持ってきた研ぎ澄まされたナイフをレオンに向かって突き立てた。何度も、何度も・・・・・・
ーー私が苦しんだり悩んでいた時に、お前は美女を抱いていたんだ! お前の子供を必死で育てている私を棄てて、娼館に入り浸るお前は私が殺してやる! だって、これは天罰だ!
「きゃぁーー! 人殺し! 誰か来てぇーー! この女狂ってるわ!」
あっははは! 狂ってる? 女を天使にも悪魔にもするのは男次第だ。私だって聖母様みたいに優しく慈悲深く生きていたかった。
大切に守られて生活にも困らず愛をもらえた女にはわからない。地獄を知らない女にこの気持ちはわからない。
生活苦と子育て、夫は蒸発おまけに娼館に入り浸るクズ。お金があるならなぜ置いていってくれなかった? 同じく棄てられるにしても、生活費ぐらいは渡してから蒸発しなよ!
あぁ、違う。こんなクズの思考回路はきっと違う。大金が手に入ったから、これで自分だけ良い思いをして家族も棄てられる。そう、思ったに違いないのよ! だから・・・・・・
ーー死ね! お前なんか死ねばいいのよっ! 私の人生を台無しにして・・・・・・こんな惨めな立場にさせたお前が悪い!
保安員が来て私を取り押さえた時には、私はその死体の前で笑い転げていた。気が触れたか・・・・・・私?
違う。真理が見えてきたから、笑ったんだ。愚かな自分自身を笑ってしまったのよ。
レオンは幼いころからの婚約者を私の為にあっさりと棄てた。そんな男は平気で人を裏切れる証拠じゃない? つまりは、移り気で気まぐれで自分勝手な男の証拠なんだ!
そんな男は当然、同じ事を繰り返す。人から奪ったものは奪われるし、こんな男はエンドレスで同じことをしたはずだ。
だから、私は笑った。このレオンを貴族の令嬢から奪ったことを得意がったあの時の私を笑ったんだ! どうしようもなく愚か者の自分を!
神様がいたら祈りたい。どうか時間を巻き戻して! 二度と、人の男には手を出さない! もちろん時間が巻き戻ることはなかった。
なおこれだけ注意書きをしたにも拘わらず読んで残酷だったという文句は(笑)却下させていただきます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
夫のレオンが帰ってこなくなってもう4ヶ月ほどか・・・・・・当初は事故にでも遭ったのではと心配もしていたのだけれど・・・・・・村の若い男がレオンにとてもよく似た男を街で見かけたと教えてくれた。
その街はいわゆる風俗街。その界隈でも1番高級な娼館から出てくるところを、偶然見かけた男が声をかけたが無視をされたらしい。
「あれは間違いなくレオンだよ。あんなに高級な娼館によく入れたよなぁ。着ている服もお貴族様みたいなかんじでさぁーー。はぶりが良さそうでびっくりだよ!」
ーーまさか・・・・・・元気なのに帰ってこないって・・・・・・こっちは事故にでも遭ったのかと心配していたら、そういうことだったの?
私はふと鏡にうつった自分の姿を見て、だいぶ痩せてしまったことに気がついた。レオンを心配して食事も喉を通らず、子育てをしながらの生活費を稼ぐ仕事はきつかった。
レオンがいない今、生活費は自分で稼がなければならない。それは比較的豊かな家の洗濯女の仕事だった。子供をおんぶしながら、必死で働いてもギリギリの生活。
ーーなんで、あんな無責任な男と結婚したのだろう? 所詮、住む世界が違う男。質素なあたりまえの平民の生活が我慢ならなかったのだろう。私がバカだった。平民でも裕福な男はいないわけではないし、蒸発するような人間は最低だ!
子供をおんぶしながら街に行き、その繁華街に足を踏み入れた。娼館だらけの地区に子供を背負った私は奇異の眼差しを向けられる。でも私は気にしない。
高級娼館に面する通りの隅でしばらく隠れながら待っていると、本当にレオンがそこから出てきて・・・・・・私はどす黒い思いでいっぱいになる。
銀髪美女の肩を抱き寄せて「名残惜しいよ。またね! ハニー」と口づけた夫。
私はその背後に忍び寄り、声を掛けた。その声は自分でも驚くほど地を這うように低くドスがきいていた。
「ねぇ、レオン・・・・・・とても良い思いをしていたんだね? 天国だったでしょう? でも、それも今日でおしまいよ! なぜって? 私が地獄にあんたをたたき落とすからね」
家から持ってきた研ぎ澄まされたナイフをレオンに向かって突き立てた。何度も、何度も・・・・・・
ーー私が苦しんだり悩んでいた時に、お前は美女を抱いていたんだ! お前の子供を必死で育てている私を棄てて、娼館に入り浸るお前は私が殺してやる! だって、これは天罰だ!
「きゃぁーー! 人殺し! 誰か来てぇーー! この女狂ってるわ!」
あっははは! 狂ってる? 女を天使にも悪魔にもするのは男次第だ。私だって聖母様みたいに優しく慈悲深く生きていたかった。
大切に守られて生活にも困らず愛をもらえた女にはわからない。地獄を知らない女にこの気持ちはわからない。
生活苦と子育て、夫は蒸発おまけに娼館に入り浸るクズ。お金があるならなぜ置いていってくれなかった? 同じく棄てられるにしても、生活費ぐらいは渡してから蒸発しなよ!
あぁ、違う。こんなクズの思考回路はきっと違う。大金が手に入ったから、これで自分だけ良い思いをして家族も棄てられる。そう、思ったに違いないのよ! だから・・・・・・
ーー死ね! お前なんか死ねばいいのよっ! 私の人生を台無しにして・・・・・・こんな惨めな立場にさせたお前が悪い!
保安員が来て私を取り押さえた時には、私はその死体の前で笑い転げていた。気が触れたか・・・・・・私?
違う。真理が見えてきたから、笑ったんだ。愚かな自分自身を笑ってしまったのよ。
レオンは幼いころからの婚約者を私の為にあっさりと棄てた。そんな男は平気で人を裏切れる証拠じゃない? つまりは、移り気で気まぐれで自分勝手な男の証拠なんだ!
そんな男は当然、同じ事を繰り返す。人から奪ったものは奪われるし、こんな男はエンドレスで同じことをしたはずだ。
だから、私は笑った。このレオンを貴族の令嬢から奪ったことを得意がったあの時の私を笑ったんだ! どうしようもなく愚か者の自分を!
神様がいたら祈りたい。どうか時間を巻き戻して! 二度と、人の男には手を出さない! もちろん時間が巻き戻ることはなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
624
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる