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7 イボンヌのジェンナ潰しー魚骨大活躍
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「え! 内臓? そんなこと無理ですわ。気持ち悪いじゃない!」
「あら、お母様がお好きなお料理ですよ? 私にほとんど毎日作らせていますよね。この機会に自分でも作れるようになった方がいいですよ」
「魚に頭がついているんだけど・・・・・・」
「えぇ、そうですよ。以前、下処理した魚を買って来た時に、お母様がおっしゃった言葉を覚えていますか?」
「さぁ、忘れたわ」
「お母様は『手抜きをしないで! コックのように魚をまるごと買ってきて自分で捌きなさいよ。その方が安く済むし新鮮なものが食べられるわよ』と、おっしゃったのです。なので、我が家はそれからこのように”丸魚”を買っています」
「・・・・・・そう? そんなこと言ったかしら?」
ジェンナ様がとぼけて逃げようとするのを、イボンヌが後ろに立ち進路を塞いだ。さすがいいタイミングでやって来るわ!
「ふふふ。呆けるには少し早いのではないかしら? さぁ、どうぞ! まずは頭を落として、お腹を裂いて、エラも切り離してくださいね?」
イボンヌが楽しそうに指導を始める。彼女はあのような天使の容姿でも、お料理だけはきっちりできる。
「うっ! 気持ち悪いし、生臭い! なによ、これぇーー。ぐちゃぐちゃとしていて、これって素手で取るの? うげぇーー、内蔵ってこんなに臭いの? うっ、無理! 」
慌ててトイレに飛び込みなにやら吐いている音がしたけれど、戻ってきたジェンナ様にイボンヌはニッコリと微笑んだ。
「ショーン様のお母様、まだ4匹残っていますからね? こんなこともできないなんて、家柄がどうのと言う前にご自分の至らなさを反省するべきですわ」
「くっ・・・・・・私だって、やろうと思えばできるんです! こんなものできますとも!」
「あぁ、内臓を取ったら中は綺麗に手を入れて洗ってくださいよ。ほら、こんな風にして」
お腹にひと指し指を入れてぐりぐりと洗うイボンヌ。ジェンナ様がそれをした途端、赤い血が飛び散る。
「痛い! 手が切れたわ! トゲよ! 魚の骨が刺さったのよ。痛い、痛い!」
「あぁ、絆創膏を貼っておけばすぐに治りますわ。本当になにもしてこなかったようですね? こんな柔らかな骨で指が切れるなんて・・・・・・情けない!」
(案外、イボンヌって手の皮が厚いのね・・・・・・厚いのは面の皮だけじゃないんだ・・・・・・魚の内側を洗うときは私でもそれ専用のブラシなんかを使っているけど・・・・・・ちょっと見直したわよ、イボンヌ!)
ジェンナ様はそれから魚のお腹を洗うだけで、何カ所も骨に攻撃され最後は絆創膏だらけの手になった。
「名誉の負傷というのですわ! ショーン様のお母様、頑張りましたわねぇーー。偉い、偉ぃぃいーー」
最後は子供のように褒められて顔を赤くしていた。これって、イボンヌ大勝利なのでは?
翌日に私は仕事に行くけれど、夜からの観劇まで、イボンヌには好きなように過ごしていいと伝えた。仕事を早めに切り上げ屋敷に戻る。
居間に広げられた新品のバックやワンピースに唖然とした。
「こんなにたくさんの服とバック! イボンヌ、どうしたの?」
「うふふ。ショーン様のお父様が買ってくださったのぉーー。どうかしら? ショーン様のお父様。このワンピースは私に似合っていますか?」
「あぁ、もちろんだよ。まるでイボンヌさんの為にあるようなワンピースだ」
居間のソファにもたれながらギガンテッド元男爵は嬉しそうにイボンヌを見つめ、それはまるで・・・・・・恋する少年のような眼差し・・・・・・これが老いらくの恋なの?
そして、悔しそうにその様子を見ながら今にも爆発しそうなジェンナ様!
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※丸魚:なんの下処理もされていない魚。
「あら、お母様がお好きなお料理ですよ? 私にほとんど毎日作らせていますよね。この機会に自分でも作れるようになった方がいいですよ」
「魚に頭がついているんだけど・・・・・・」
「えぇ、そうですよ。以前、下処理した魚を買って来た時に、お母様がおっしゃった言葉を覚えていますか?」
「さぁ、忘れたわ」
「お母様は『手抜きをしないで! コックのように魚をまるごと買ってきて自分で捌きなさいよ。その方が安く済むし新鮮なものが食べられるわよ』と、おっしゃったのです。なので、我が家はそれからこのように”丸魚”を買っています」
「・・・・・・そう? そんなこと言ったかしら?」
ジェンナ様がとぼけて逃げようとするのを、イボンヌが後ろに立ち進路を塞いだ。さすがいいタイミングでやって来るわ!
「ふふふ。呆けるには少し早いのではないかしら? さぁ、どうぞ! まずは頭を落として、お腹を裂いて、エラも切り離してくださいね?」
イボンヌが楽しそうに指導を始める。彼女はあのような天使の容姿でも、お料理だけはきっちりできる。
「うっ! 気持ち悪いし、生臭い! なによ、これぇーー。ぐちゃぐちゃとしていて、これって素手で取るの? うげぇーー、内蔵ってこんなに臭いの? うっ、無理! 」
慌ててトイレに飛び込みなにやら吐いている音がしたけれど、戻ってきたジェンナ様にイボンヌはニッコリと微笑んだ。
「ショーン様のお母様、まだ4匹残っていますからね? こんなこともできないなんて、家柄がどうのと言う前にご自分の至らなさを反省するべきですわ」
「くっ・・・・・・私だって、やろうと思えばできるんです! こんなものできますとも!」
「あぁ、内臓を取ったら中は綺麗に手を入れて洗ってくださいよ。ほら、こんな風にして」
お腹にひと指し指を入れてぐりぐりと洗うイボンヌ。ジェンナ様がそれをした途端、赤い血が飛び散る。
「痛い! 手が切れたわ! トゲよ! 魚の骨が刺さったのよ。痛い、痛い!」
「あぁ、絆創膏を貼っておけばすぐに治りますわ。本当になにもしてこなかったようですね? こんな柔らかな骨で指が切れるなんて・・・・・・情けない!」
(案外、イボンヌって手の皮が厚いのね・・・・・・厚いのは面の皮だけじゃないんだ・・・・・・魚の内側を洗うときは私でもそれ専用のブラシなんかを使っているけど・・・・・・ちょっと見直したわよ、イボンヌ!)
ジェンナ様はそれから魚のお腹を洗うだけで、何カ所も骨に攻撃され最後は絆創膏だらけの手になった。
「名誉の負傷というのですわ! ショーン様のお母様、頑張りましたわねぇーー。偉い、偉ぃぃいーー」
最後は子供のように褒められて顔を赤くしていた。これって、イボンヌ大勝利なのでは?
翌日に私は仕事に行くけれど、夜からの観劇まで、イボンヌには好きなように過ごしていいと伝えた。仕事を早めに切り上げ屋敷に戻る。
居間に広げられた新品のバックやワンピースに唖然とした。
「こんなにたくさんの服とバック! イボンヌ、どうしたの?」
「うふふ。ショーン様のお父様が買ってくださったのぉーー。どうかしら? ショーン様のお父様。このワンピースは私に似合っていますか?」
「あぁ、もちろんだよ。まるでイボンヌさんの為にあるようなワンピースだ」
居間のソファにもたれながらギガンテッド元男爵は嬉しそうにイボンヌを見つめ、それはまるで・・・・・・恋する少年のような眼差し・・・・・・これが老いらくの恋なの?
そして、悔しそうにその様子を見ながら今にも爆発しそうなジェンナ様!
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※丸魚:なんの下処理もされていない魚。
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