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あまりにも短すぎた幸せな時間
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今から、一世紀ほど時は遡る。俺は迂闊にも森に仕掛けられていた罠にかかっていたところを愛らしい娘に助けられた。この娘の名前はズーハンといった。豊かな黒髪を腰まで伸ばし、大きな潤んだ瞳は煌めく黒曜石。しっとりと滑らかな肌は白磁。俺は一目で恋に落ちた。
「大きくて美しい狐さん。貴方の名前はリンよ。貴方の毛並みはなんて綺麗なのかしら」
そう言いながら、ズーハンは俺の銀の毛並みを優しく撫でた。ずっと、俺は一人で生きてきた。仲間もそばにいず、親も兄弟も知らない。気がつくと森にいた‥‥
それから、毎日のように、娘は俺に会いにくるようになった。俺に会うとすぐさま抱きついてきて、嬉しそうに頬ずりしてくる。
「ねぇ、今日はサンドイッチを作って持ってきたの。一緒に食べましょう」
俺が、ズーハンと並んで森のなかでサンドイッチの中身の肉だけ食うと彼女は怒って俺の耳を軽く引っ張った。
「ちゃんと、食べなきゃだめ!」あんまり真剣に怒るからおかしくて、彼女の口のはしについたパンのカケラを舌で舐めとったら、もっと怒られた。
ズーハンは俺の背中をなでて、毛に顔をうずめる。『リンは太陽の匂いがするね』かわいらしい声で言うんだ。
ズーハンは俺が大好きだと言った、俺もズーハンが大好きだった。ずっと、こんな時間が続くと、その時はなにも疑わないで信じていたんだ。あのときまでは‥‥
「大きくて美しい狐さん。貴方の名前はリンよ。貴方の毛並みはなんて綺麗なのかしら」
そう言いながら、ズーハンは俺の銀の毛並みを優しく撫でた。ずっと、俺は一人で生きてきた。仲間もそばにいず、親も兄弟も知らない。気がつくと森にいた‥‥
それから、毎日のように、娘は俺に会いにくるようになった。俺に会うとすぐさま抱きついてきて、嬉しそうに頬ずりしてくる。
「ねぇ、今日はサンドイッチを作って持ってきたの。一緒に食べましょう」
俺が、ズーハンと並んで森のなかでサンドイッチの中身の肉だけ食うと彼女は怒って俺の耳を軽く引っ張った。
「ちゃんと、食べなきゃだめ!」あんまり真剣に怒るからおかしくて、彼女の口のはしについたパンのカケラを舌で舐めとったら、もっと怒られた。
ズーハンは俺の背中をなでて、毛に顔をうずめる。『リンは太陽の匂いがするね』かわいらしい声で言うんだ。
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