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因果応報が始まる
11 (義妹視点)王太子妃になって得たものは・・・その1
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あの楽しかった晩のことは、あまり覚えていなくて、お父様もお母様も、すっかり、記憶が抜け落ちていた。
そうして、夫婦ケンカもなくなった。やっぱり、サミールはすごい! 『あの薬を、もっとちょーだい』ってお願いしたら、もうないと言われた。だったら、もう少し大事に使えば良かった。
私は、目論見通りに、お義姉様から王太子妃の座を奪った。
結婚式は、隣国の王族達も出席し、高位貴族や、もちろんサミールやお義姉様もいたわ。私は、とても高価なウェディングドレスに大満足だった。ドレスの裾にはホワイトダイヤが煌めき、胸元にはひときわ輝くピンクダイヤ! すっごいわ! さすが王太子妃のドレスだわ・・・これから、私はこんなドレスをいつも着て、贅沢三昧できるんだわ!
式のなかで、お互い婚姻届に署名し、神聖なる神の前で愛を誓いあった。この瞬間から、私は王太子妃だ。
サミールは、とても満足そうだ。ひときわ大きな祝福の言葉を投げかけてくれた。
「ブラボー! 素晴らしい王太子妃に永遠の幸せを!」
サミールの言葉に呼応したかのように、他の貴族達が叫んだわ。
「「「おめでとうございます!」」」
「「「王家に繁栄と祝福を!!」」
あぁ、私は、こんなにも皆から愛されている王太子妃なのね? 私は鷹揚に手を振り、この臣下達に余裕の笑みを見せてあげた。そうよ、これからは皆で私の機嫌をとりなさいよ。私はこの国の王太子妃なのだから!
式が終わってから晩餐会までには、まだ時間的に余裕があった。私とお父様とお母様は、控え室に呼ばれて、そこには王様や王妃様、王太子様もいた。
サミールは、中央にいて、魔石を手に持ってにっこりと上機嫌だった。
「さて、お集まりの皆様! この映像を楽しんでください」
お母様が笑いながら浮気を告白する様子と、お父様が王女様に魔法をかけたことを嬉しそうに話している様子が、魔石からポワンと浮かんできた。なに、これ?・・・魔石ってこんなふうにも使えるんだ・・・アレ? でも、これだと私って・・・
「あら、あら。これじゃぁ、お飾りの王太子妃にもならなくなったわねぇーー。こんな煙突掃除の娘かもしれないヴァレリアには、子供も産ませられないし・・・まぁ、いいわ。サミールとアイリスの子供を、ヴァレリアが産んだことにすればいいわね? サミールもアイリスも、王族の血がはいっているのだし・・・」
「実に、王妃様は、面白いことをおっしゃいますね?」
サミールのいつもの軽薄な雰囲気は、しっかりとした冴え渡るような切れ味を感じさせる、ピリッとしたものに様変わりしていた。王妃様の顔が、一瞬、引きつって青ざめた。
「その宰相と奥方様は役職を解いて、私の領地に住んで頂きたい。私の父上が、おもてなしをしたいそうですから。
あぁ、その愚かな義妹は、どうぞそのまま王太子妃でいさせてあげてくださいよ? なぁに、アイリスにさせようとしてたことを、そのままさせるだけでこの女には地獄になるでしょうからね! 私は、そのヴァレリアと王太子との間に産まれた子供しか、王家の跡継ぎと認めることはない」
「なんだと! お前、たかが、辺境伯の嫡男という身だけで、いろいろ指図するのか?」
王がサミールを罵倒しようとするのを王妃様が止めた。
「サミールのお婆様は隣国の王女様ですよ? しかも、辺境伯の領地は王都より広く、栄えています。それに・・・」
王妃様の視線の先には隣国の王様がいた。隣国の王様は、とてもタイミングよく奥から姿をあらわした。
「このヴァレリアしか我が国も王太子妃としては認めない。すげ替えることはしないことだ。そのまま、大事にして跡継ぎも産ませなさい。王太子が押し倒すほど好いた相手なのだろう?」
あれ? これって、私を応援してくれているってことよね? このまま王太子妃になっていればいいんでしょう?
すごく嬉しい!・・・王妃様も王太子様もこの方の言葉には逆らえないみたい・・・
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
そして、初夜になって・・・ドキドキして足を踏み入れた寝室には騎士団長がいて、王太子様とキスをしていたのだった。
え?・・・これって、なんのジョーク?
そうして、夫婦ケンカもなくなった。やっぱり、サミールはすごい! 『あの薬を、もっとちょーだい』ってお願いしたら、もうないと言われた。だったら、もう少し大事に使えば良かった。
私は、目論見通りに、お義姉様から王太子妃の座を奪った。
結婚式は、隣国の王族達も出席し、高位貴族や、もちろんサミールやお義姉様もいたわ。私は、とても高価なウェディングドレスに大満足だった。ドレスの裾にはホワイトダイヤが煌めき、胸元にはひときわ輝くピンクダイヤ! すっごいわ! さすが王太子妃のドレスだわ・・・これから、私はこんなドレスをいつも着て、贅沢三昧できるんだわ!
式のなかで、お互い婚姻届に署名し、神聖なる神の前で愛を誓いあった。この瞬間から、私は王太子妃だ。
サミールは、とても満足そうだ。ひときわ大きな祝福の言葉を投げかけてくれた。
「ブラボー! 素晴らしい王太子妃に永遠の幸せを!」
サミールの言葉に呼応したかのように、他の貴族達が叫んだわ。
「「「おめでとうございます!」」」
「「「王家に繁栄と祝福を!!」」
あぁ、私は、こんなにも皆から愛されている王太子妃なのね? 私は鷹揚に手を振り、この臣下達に余裕の笑みを見せてあげた。そうよ、これからは皆で私の機嫌をとりなさいよ。私はこの国の王太子妃なのだから!
式が終わってから晩餐会までには、まだ時間的に余裕があった。私とお父様とお母様は、控え室に呼ばれて、そこには王様や王妃様、王太子様もいた。
サミールは、中央にいて、魔石を手に持ってにっこりと上機嫌だった。
「さて、お集まりの皆様! この映像を楽しんでください」
お母様が笑いながら浮気を告白する様子と、お父様が王女様に魔法をかけたことを嬉しそうに話している様子が、魔石からポワンと浮かんできた。なに、これ?・・・魔石ってこんなふうにも使えるんだ・・・アレ? でも、これだと私って・・・
「あら、あら。これじゃぁ、お飾りの王太子妃にもならなくなったわねぇーー。こんな煙突掃除の娘かもしれないヴァレリアには、子供も産ませられないし・・・まぁ、いいわ。サミールとアイリスの子供を、ヴァレリアが産んだことにすればいいわね? サミールもアイリスも、王族の血がはいっているのだし・・・」
「実に、王妃様は、面白いことをおっしゃいますね?」
サミールのいつもの軽薄な雰囲気は、しっかりとした冴え渡るような切れ味を感じさせる、ピリッとしたものに様変わりしていた。王妃様の顔が、一瞬、引きつって青ざめた。
「その宰相と奥方様は役職を解いて、私の領地に住んで頂きたい。私の父上が、おもてなしをしたいそうですから。
あぁ、その愚かな義妹は、どうぞそのまま王太子妃でいさせてあげてくださいよ? なぁに、アイリスにさせようとしてたことを、そのままさせるだけでこの女には地獄になるでしょうからね! 私は、そのヴァレリアと王太子との間に産まれた子供しか、王家の跡継ぎと認めることはない」
「なんだと! お前、たかが、辺境伯の嫡男という身だけで、いろいろ指図するのか?」
王がサミールを罵倒しようとするのを王妃様が止めた。
「サミールのお婆様は隣国の王女様ですよ? しかも、辺境伯の領地は王都より広く、栄えています。それに・・・」
王妃様の視線の先には隣国の王様がいた。隣国の王様は、とてもタイミングよく奥から姿をあらわした。
「このヴァレリアしか我が国も王太子妃としては認めない。すげ替えることはしないことだ。そのまま、大事にして跡継ぎも産ませなさい。王太子が押し倒すほど好いた相手なのだろう?」
あれ? これって、私を応援してくれているってことよね? このまま王太子妃になっていればいいんでしょう?
すごく嬉しい!・・・王妃様も王太子様もこの方の言葉には逆らえないみたい・・・
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
そして、初夜になって・・・ドキドキして足を踏み入れた寝室には騎士団長がいて、王太子様とキスをしていたのだった。
え?・・・これって、なんのジョーク?
応援ありがとうございます!
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