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因果応報が始まる

12 (義妹視点)王太子妃になって得たものは・・・その2

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「やぁ、腹黒ちゃん! お前が、私に媚薬を盛ったのはわかっているよ? だって、私は女には全く興味がないからねぇーー。しかし、まぁ、私がお前を襲ったことになっているのは、ある意味嬉しいんだ。ほら、この性癖が宮殿から外部に漏れなくて済むからね! 男しか愛せない王太子と言われるよりは、女にだらしない王太子の方がマシだからね・・・ありがとう! 感謝しているよ。」

王太子様は、私に蔑むような眼差しを向けた。騎士団長は、大男で、熊のよう。胸毛も濃くて体毛がびっしりだった。顔もゴリラのようで、その騎士団長とうっとりとキスを交わしている王太子様は、はっきり言って気持ち悪いのひとことに尽きた・・・

「さぁ、こっちにおいでよ。子供が産まれないと困るからさ。なんとかしないと・・・だが、ちなみに私は受け入れることのほうが好きだから、うまくいくとは思えない・・・日々、修行だな・・・はぁーー、なんで、こんな女としなきゃならんのかな・・・」

王太子様は、迷惑そうに言って、一晩中、トライしようとするけれど、全くできず・・・私は、王太子様と毛むくじゃらな騎士団長が絡み合う悪夢のような光景を、ずっと見させられた。

こんなはずじゃぁなかったわ・・・理想のなかでの王太子様は、私を優しく慈しむように抱いて、朝まで抱きしめてくれるはずだったのに・・・現実は・・・王太子様はゴリラ騎士団長の腕枕で嬉しそうに寝ているのだった・・・私はと言えば、ベッドの端っこに追いやられ、落ちそうになった。(実際、二回ほど寝相の悪い王太子様から足蹴りされてベッドから落ちた)おまけに、上掛けも二人に取られて風邪を引きそうになりながら猫のように丸まって寝たわ。


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


翌日の朝も王太子様は、侍女を下がらせて、騎士団長の膝の上で朝食を召し上がり、そのまま二人でどこかにお出かけになろうとした。

「どちらに行かれるのですか?」

私が尋ねると、気分を害したような言葉が返ってきた。

「お前は、王太子妃として母上の仕事を手伝っていればよい! 無駄な質問はするな! 私達は、これから王宮の周りに咲いている花々を眺めながら散歩をするだけだ。騎士団長、花が舞い散る場所でキスしてくれよ、すっごくロマンチックだろう? もちろん、誰にも気がつかれぬようにな!」

「えぇ、仰せのままに。さぁ、参りましょう」

騎士団長は、王太子様と連れだって庭園を散策した。その光景は、りりしい王太子様とその部下が、庭園に不審者がいないかチェックしているように見えたが・・・よーーく見ると、肩がくっつきすぎていたり、距離感が、とても近すぎた。

嬉しそうに頬を染めて騎士団長に微笑む王太子様は、女の顔をしていた。キモい・・・こんなの全然望んでいたことじゃなかった・・・私の最も愛される計画はどこにいったの?・・・๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐



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まだ、義妹の因果応報、続きます。

|ェ)・`)チラックマ♡たまには、笑える因果応報、いかがでしょうか?
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