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6 ヨハンの末路 残酷度5段階の2 死にませんし流血シーンなし。
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※具体的描写はありませんが男性や獣に犯されるヨハンの記述あり
閲覧はご注意くださいませ。
(なんで……こんなことになっているんだ……)
青ざめたヨハンに罪人貴族に向けた裁判が開かれている。
そこにいるのはヨハンとダニエル。
「そこのヨハン様とダニエル様はそれぞれ公費横領をしております。証拠は公の帳簿上の使途不明金とそれぞれの口座に流れている不審な金額が一致すること。ヨハン様の最近の派手なお金の使い道は女が接待する飲み屋や高給娼館に足繁く通っていることでも明白ですし、ダニエル様はカジノや競馬場に入り浸っています。横領罪と騎士団に対する背任罪、勤務時間外にも遊び呆けていたことがわかっておりますから勤務懈怠罪……。」
原告側に座っている文官や騎士団員達の代表がスラスラと罪状を述べていく。
「でっちあげです。横領なんてしていない。それになんで俺たちの行動を知っているんだよ? こんなことをしていいと思っているのか? 英雄のアーサー様は俺たちの親類だぞ!」
まだヨハンが離縁されていることを知らないダニエルは声を荒げて反発した。
「親類だったが正しいですね。僕たちはアーサー様の命令で尾行していました。飲み屋や娼館、カジノや競馬場での出入りはしっかり確認済みです」
ブラック侯爵に列の順番を守るように言った少年騎士テディが得意気に言うと、分が悪いと悟ったダニエルは押し黙ってしまった。
「ヨハンはぁー、あたしの常連さんです。いつも高給シャンパンのボトルを3本も入れてくれるのですよぉ。ヨハンはいつも言ってましたよ。『僕はあの英雄の義理の弟だから少しぐらい騎士団のお金をくすねても誰も咎めないさ』って。得意気に笑ってたけど、離婚されていたなんて笑っちゃう」
飲み屋の女はコロコロと笑って証言。
「そこのダニエルさんは毎晩相当な金をうちのカジノで使っていましたよ。文官様はずいぶん羽振りがいいのだなぁと感心していました」
カジノのオーナは薄く笑って証言。
「二人とも貴族籍を剥奪、鉱山で終身働くことを命じる。カンザス家への慰謝料の支払いもまだであったろう? ヨハンが事業に費やしたもろもろのお金、ルミネに負わせた借金は連帯保証人になっていたこともあり法律上はなんの問題もない。だが民事上においては、ルミネの受けた精神的苦痛は相当なものに値する。自らの命も絶とうとしたぐらいだとアーサ-から聞けば余も王女がいるので到底人ごととは思えん。よってヨハンがカンザス公爵家に与えた損害金と同額を慰謝料としその支払いを命じる! その際、ブラック侯爵家も連帯責任として返済義務を負うぞ! カンザス公爵家の財産を次々と抵当に入れだした頃からブラック侯爵家には不審な金の流れが多発している。これが余の判決である。刑を執行するにあたっては全て復職した騎士団長アーサーに一任することとする。」
厳格な国王陛下の判決には誰もが納得し、ヨハンとダニエルは膝から崩れ落ちたのである。
かくしてヨハンは罪人用馬車に乗せられたわけだが、降ろされた場所は鉱山ではなく訳ありな黒い建物の前だった。
「ここはどこだ……」
「ここは闇の女性専用の社交場らしいよ。まぁ、あんたにはお似合いかもな。だって僕が憧れる英雄殿の妹ルミネ様を娼館に沈めようとした悪人なんだろ? ルミネ様は間一髪だったらしいけど、あんたには助けに来てくれる人は一人もいないだろうな」
さきほどのテディがクスクスと笑ってヨハンの頰に小刀を当ててすっと切り裂いた。
「うわぁあぁぁあああ~~痛い、痛い! 血が止まらないよぉ! なんでこんなことをするんだよぉ」
「これは僕の判断だよ。あんたが金持ちの女を二度と騙せないようにする為さ。まぁ、一生ここからは出られないだろうけどね」
切られた頰の傷は浅かったが、それでも醜く皮膚がひきつれたような傷が一生残ることになった。
ここは大金持ちの未亡人が来て癒やしを求める『貴女も女王様になれる館』という娯楽施設である。お客様のご要望ならなんでも叶える秘密の場所であり、何をしても法律には触れない。
見世物のショーには高位貴族も王族ですらお忍びで来るというこの場は、裏の社交場とも言える闇の世界。
「おかしいだろう? 鉱山の方がまだマシだよ。僕は鉱山送りのはずだぞ!慰謝料を払うにもこんなところより鉱山で働いたほうがよほど返済できるだろう?」
「あぁ、あの裁判は形式上のものさ。国王陛下はアーサー様には逆らえない。この私もアーサー様の熱烈な崇拝者の一人だ。ルミネ様からはあんたが死ぬまで屈辱にまみれて狂い死にさせてほしいってご要望だったよ。アーサー様は金を返してもらおうなんて思っちゃいないさ。あの方はあんたと違っていくらでも金を稼げる実力と才覚があるからな。あんたは怒らせちゃいけない人を怒らせたんだよ」
この館の支配人の男は肩をすくめた。
ヨハンは男や獣に犯され、鞭でたたかれ傷口には塩をすり込まれた。死にたい! と願ってもアーサーが手配した治癒士に手当をされ致命傷は負わない。
そして翌日も同じ事をさせられる。
誰か……助けて……これは違法だ! だって、こんなの奴隷じゃないか……体を蹂躙されるなんて最も屈辱なのに……死んだ方がマシだよ……
ヨハンはルミネに自分がしたことも忘れて自分を哀れみながら泣いた。
3年ほど地獄を味わったある日、ルミネがヨハンの前に現れて短剣を投げた。
「これは私が娼館に売られた日に自害しようとした剣よ。死ぬ勇気があれば使ったらいいわ」
ヨハンはその守り刀を見つめながら死ぬ勇気もない自分を恥じるのだった。
一方、ブラック侯爵は二人の息子が有罪になり、鉱山ではない場所につれて行かれたことを知り発狂していた。
「ブラック侯爵家は滅亡だ。カンザス公爵夫妻をうまい具合に事故死させたのに残念だ……」
もちろんその呟きはアーサ-の耳にはいらないわけはなかったのである。
閲覧はご注意くださいませ。
(なんで……こんなことになっているんだ……)
青ざめたヨハンに罪人貴族に向けた裁判が開かれている。
そこにいるのはヨハンとダニエル。
「そこのヨハン様とダニエル様はそれぞれ公費横領をしております。証拠は公の帳簿上の使途不明金とそれぞれの口座に流れている不審な金額が一致すること。ヨハン様の最近の派手なお金の使い道は女が接待する飲み屋や高給娼館に足繁く通っていることでも明白ですし、ダニエル様はカジノや競馬場に入り浸っています。横領罪と騎士団に対する背任罪、勤務時間外にも遊び呆けていたことがわかっておりますから勤務懈怠罪……。」
原告側に座っている文官や騎士団員達の代表がスラスラと罪状を述べていく。
「でっちあげです。横領なんてしていない。それになんで俺たちの行動を知っているんだよ? こんなことをしていいと思っているのか? 英雄のアーサー様は俺たちの親類だぞ!」
まだヨハンが離縁されていることを知らないダニエルは声を荒げて反発した。
「親類だったが正しいですね。僕たちはアーサー様の命令で尾行していました。飲み屋や娼館、カジノや競馬場での出入りはしっかり確認済みです」
ブラック侯爵に列の順番を守るように言った少年騎士テディが得意気に言うと、分が悪いと悟ったダニエルは押し黙ってしまった。
「ヨハンはぁー、あたしの常連さんです。いつも高給シャンパンのボトルを3本も入れてくれるのですよぉ。ヨハンはいつも言ってましたよ。『僕はあの英雄の義理の弟だから少しぐらい騎士団のお金をくすねても誰も咎めないさ』って。得意気に笑ってたけど、離婚されていたなんて笑っちゃう」
飲み屋の女はコロコロと笑って証言。
「そこのダニエルさんは毎晩相当な金をうちのカジノで使っていましたよ。文官様はずいぶん羽振りがいいのだなぁと感心していました」
カジノのオーナは薄く笑って証言。
「二人とも貴族籍を剥奪、鉱山で終身働くことを命じる。カンザス家への慰謝料の支払いもまだであったろう? ヨハンが事業に費やしたもろもろのお金、ルミネに負わせた借金は連帯保証人になっていたこともあり法律上はなんの問題もない。だが民事上においては、ルミネの受けた精神的苦痛は相当なものに値する。自らの命も絶とうとしたぐらいだとアーサ-から聞けば余も王女がいるので到底人ごととは思えん。よってヨハンがカンザス公爵家に与えた損害金と同額を慰謝料としその支払いを命じる! その際、ブラック侯爵家も連帯責任として返済義務を負うぞ! カンザス公爵家の財産を次々と抵当に入れだした頃からブラック侯爵家には不審な金の流れが多発している。これが余の判決である。刑を執行するにあたっては全て復職した騎士団長アーサーに一任することとする。」
厳格な国王陛下の判決には誰もが納得し、ヨハンとダニエルは膝から崩れ落ちたのである。
かくしてヨハンは罪人用馬車に乗せられたわけだが、降ろされた場所は鉱山ではなく訳ありな黒い建物の前だった。
「ここはどこだ……」
「ここは闇の女性専用の社交場らしいよ。まぁ、あんたにはお似合いかもな。だって僕が憧れる英雄殿の妹ルミネ様を娼館に沈めようとした悪人なんだろ? ルミネ様は間一髪だったらしいけど、あんたには助けに来てくれる人は一人もいないだろうな」
さきほどのテディがクスクスと笑ってヨハンの頰に小刀を当ててすっと切り裂いた。
「うわぁあぁぁあああ~~痛い、痛い! 血が止まらないよぉ! なんでこんなことをするんだよぉ」
「これは僕の判断だよ。あんたが金持ちの女を二度と騙せないようにする為さ。まぁ、一生ここからは出られないだろうけどね」
切られた頰の傷は浅かったが、それでも醜く皮膚がひきつれたような傷が一生残ることになった。
ここは大金持ちの未亡人が来て癒やしを求める『貴女も女王様になれる館』という娯楽施設である。お客様のご要望ならなんでも叶える秘密の場所であり、何をしても法律には触れない。
見世物のショーには高位貴族も王族ですらお忍びで来るというこの場は、裏の社交場とも言える闇の世界。
「おかしいだろう? 鉱山の方がまだマシだよ。僕は鉱山送りのはずだぞ!慰謝料を払うにもこんなところより鉱山で働いたほうがよほど返済できるだろう?」
「あぁ、あの裁判は形式上のものさ。国王陛下はアーサー様には逆らえない。この私もアーサー様の熱烈な崇拝者の一人だ。ルミネ様からはあんたが死ぬまで屈辱にまみれて狂い死にさせてほしいってご要望だったよ。アーサー様は金を返してもらおうなんて思っちゃいないさ。あの方はあんたと違っていくらでも金を稼げる実力と才覚があるからな。あんたは怒らせちゃいけない人を怒らせたんだよ」
この館の支配人の男は肩をすくめた。
ヨハンは男や獣に犯され、鞭でたたかれ傷口には塩をすり込まれた。死にたい! と願ってもアーサーが手配した治癒士に手当をされ致命傷は負わない。
そして翌日も同じ事をさせられる。
誰か……助けて……これは違法だ! だって、こんなの奴隷じゃないか……体を蹂躙されるなんて最も屈辱なのに……死んだ方がマシだよ……
ヨハンはルミネに自分がしたことも忘れて自分を哀れみながら泣いた。
3年ほど地獄を味わったある日、ルミネがヨハンの前に現れて短剣を投げた。
「これは私が娼館に売られた日に自害しようとした剣よ。死ぬ勇気があれば使ったらいいわ」
ヨハンはその守り刀を見つめながら死ぬ勇気もない自分を恥じるのだった。
一方、ブラック侯爵は二人の息子が有罪になり、鉱山ではない場所につれて行かれたことを知り発狂していた。
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もちろんその呟きはアーサ-の耳にはいらないわけはなかったのである。
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