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5-2 テモーネの地獄(テモーネ視点) R15ざまぁ
※食事中は読まないでください。食欲をなくす表現があります。R15ざまぁです。テモーネは死にませんが職場がブラック・・・・・・
※人によってはR18に感じるかも。エッチ系ざまぁではありません。
私はベルラッテ侯爵家を懲戒解雇された。解雇理由は『職務の遂行に必要な能力を著しく欠いている。主を主と思わず勤務態度不良で虚言癖が酷い』というデタラメだらけなものだった。
どんな職場も再就職するにあたっては解雇事由が問題視される。面接でいかに取り繕っても、最後に前雇用主に問い合わせがいくのだ。この場合ならベルラッテ侯爵夫人だったカロリーヌに最終確認がいくことになる。
どこにも就職先を見つけられなかった私は、実家のベント伯爵家を頼るしかない。ところがベント伯爵家の門には『売り出し物件』の札がかけられていた。
(どういうことなの? なんでこんなことに・・・・・・)
この時思い出したのはパイヤ男爵夫人の言葉だった。多額の売掛金の一括返済を求められたに違いない。なんて卑怯な奴らなのだろう。
もうお兄様を頼ることもできず、親戚のどこに行っても疫病神扱いされた。両親もすでに他界しているしどうしたらいいの?
そして私が最後にたどり着いた先は特殊清掃商会だった。
ある建物の一室、ドアを開ける前からなにやらおかしな匂いがする。
「ぐわっ、臭い! え? ウジ虫が湧いてる。し、死体?」
先輩がドアを開けるといきなり目に飛び込んできた物体。最初はなにかわからなかった。先輩の話では、腐敗は胃や腸から始まるらしい。体内で発生したガスによって膨張し、やがてグズグズに溶解した骨と皮を破って体液がでてくる。
死臭に呼び寄せられたハエが遺体に産卵したのだろう。大量のウジがわいており、ついその場で嘔吐する。
「その死体はこれから保安局の職員が来て運んでいくが、あたしらはこの部屋を掃除するのが仕事だよ」
「ここを掃除する?・・・・・・」
無数のハエが顔をかすめて飛んでくる。 室内はかび臭く、淀んだ空気に不快な悪臭。
屍肉を喰らったウジ虫やゴキブリ、ハサミムシが大量に床をはう。防護ゴーグルと防毒マスクをつけてはいるけれど、室内は目に見えない細菌だらけだと思う。作業終了後しばらくすると目が腫れて、喉も痛くなった。
床に染みついた遺体の細菌などが作業中に傷口に入ってしまうと、深刻な感染症を引き起こすこともあるらしい。
まさかこの私がこんな仕事をするようになるなんて・・・・・・ここは地獄だ。しかも劣悪な仕事だというのに、お給金は決して高くはない。日給にして8,000ダラ程度・・・・・・侍女長だった頃はその2倍は頂いていたのに・・・・・・
私はパイヤ男爵家の門で今日も土下座をしている。
「帰ってくださいよ。邪魔ですし、このようなところに居座られては迷惑です」
門番に追い払われるけれど、しつこくその場に座り込む。
(なんとしてもカロリーヌ様に許してもらいたい)
外から戻る馬車のなかに、カロリーヌ様の姿を見つけ大声を張り上げた。
「お願いします。カロリーヌ様、ご慈悲を! 私が悪うございました。反省しております。ですから、あの解雇理由を取り消してくださいませ。あれでは劣悪な環境でしか働けません」
「どのような仕事でも社会には必要です。しっかりと働きなさい。きっと、その職場には見知った顔がどんどん増えていくでしょう。また以前の侍女やメイド達と仲良く働けますわよ。頑張ってね」
にこやかな顔付きのカロリーヌ様だが、目は少しも笑ってはいなかった。
(私は決して怒らせてはいけない方を怒らせたんだ・・・・・・)
やがて、かつてベルラッテ侯爵家で働いていた使用人達が次々と特殊清掃商会に雇われた。休憩時間に話す内容は昔の楽しかった職場のことだ。
「あぁ、ベルラッテ侯爵家にいた時は楽だった。カロリーヌ様はお優しかったしお給金も良かった。なにより安全で快適な職場だった」
ベルラッテ侯爵家の元メイドが愚痴る。
「こうなったのは誰のせい?」
元侍女が声をあげた。
「侍女長だったテモーネのせいよ」
元侍女だった別の女が決めつける。
「確かに、テモーネが皆を煽動したんだわ」
これも元侍女だった女。
やがてそれは私への虐めに発展する。隠れて私の防護ゴーグルと防毒マスクに穴をあけるかつての部下達。今やすっかり敵にまわった。
最近身体が重いし、全身が痒くてたまらない。きっとなにかの病気に感染したに違いない。
でも・・・・・・病院に行くお金もないのよぉおおおーー。た、す、け、てぇーー。
※人によってはR18に感じるかも。エッチ系ざまぁではありません。
私はベルラッテ侯爵家を懲戒解雇された。解雇理由は『職務の遂行に必要な能力を著しく欠いている。主を主と思わず勤務態度不良で虚言癖が酷い』というデタラメだらけなものだった。
どんな職場も再就職するにあたっては解雇事由が問題視される。面接でいかに取り繕っても、最後に前雇用主に問い合わせがいくのだ。この場合ならベルラッテ侯爵夫人だったカロリーヌに最終確認がいくことになる。
どこにも就職先を見つけられなかった私は、実家のベント伯爵家を頼るしかない。ところがベント伯爵家の門には『売り出し物件』の札がかけられていた。
(どういうことなの? なんでこんなことに・・・・・・)
この時思い出したのはパイヤ男爵夫人の言葉だった。多額の売掛金の一括返済を求められたに違いない。なんて卑怯な奴らなのだろう。
もうお兄様を頼ることもできず、親戚のどこに行っても疫病神扱いされた。両親もすでに他界しているしどうしたらいいの?
そして私が最後にたどり着いた先は特殊清掃商会だった。
ある建物の一室、ドアを開ける前からなにやらおかしな匂いがする。
「ぐわっ、臭い! え? ウジ虫が湧いてる。し、死体?」
先輩がドアを開けるといきなり目に飛び込んできた物体。最初はなにかわからなかった。先輩の話では、腐敗は胃や腸から始まるらしい。体内で発生したガスによって膨張し、やがてグズグズに溶解した骨と皮を破って体液がでてくる。
死臭に呼び寄せられたハエが遺体に産卵したのだろう。大量のウジがわいており、ついその場で嘔吐する。
「その死体はこれから保安局の職員が来て運んでいくが、あたしらはこの部屋を掃除するのが仕事だよ」
「ここを掃除する?・・・・・・」
無数のハエが顔をかすめて飛んでくる。 室内はかび臭く、淀んだ空気に不快な悪臭。
屍肉を喰らったウジ虫やゴキブリ、ハサミムシが大量に床をはう。防護ゴーグルと防毒マスクをつけてはいるけれど、室内は目に見えない細菌だらけだと思う。作業終了後しばらくすると目が腫れて、喉も痛くなった。
床に染みついた遺体の細菌などが作業中に傷口に入ってしまうと、深刻な感染症を引き起こすこともあるらしい。
まさかこの私がこんな仕事をするようになるなんて・・・・・・ここは地獄だ。しかも劣悪な仕事だというのに、お給金は決して高くはない。日給にして8,000ダラ程度・・・・・・侍女長だった頃はその2倍は頂いていたのに・・・・・・
私はパイヤ男爵家の門で今日も土下座をしている。
「帰ってくださいよ。邪魔ですし、このようなところに居座られては迷惑です」
門番に追い払われるけれど、しつこくその場に座り込む。
(なんとしてもカロリーヌ様に許してもらいたい)
外から戻る馬車のなかに、カロリーヌ様の姿を見つけ大声を張り上げた。
「お願いします。カロリーヌ様、ご慈悲を! 私が悪うございました。反省しております。ですから、あの解雇理由を取り消してくださいませ。あれでは劣悪な環境でしか働けません」
「どのような仕事でも社会には必要です。しっかりと働きなさい。きっと、その職場には見知った顔がどんどん増えていくでしょう。また以前の侍女やメイド達と仲良く働けますわよ。頑張ってね」
にこやかな顔付きのカロリーヌ様だが、目は少しも笑ってはいなかった。
(私は決して怒らせてはいけない方を怒らせたんだ・・・・・・)
やがて、かつてベルラッテ侯爵家で働いていた使用人達が次々と特殊清掃商会に雇われた。休憩時間に話す内容は昔の楽しかった職場のことだ。
「あぁ、ベルラッテ侯爵家にいた時は楽だった。カロリーヌ様はお優しかったしお給金も良かった。なにより安全で快適な職場だった」
ベルラッテ侯爵家の元メイドが愚痴る。
「こうなったのは誰のせい?」
元侍女が声をあげた。
「侍女長だったテモーネのせいよ」
元侍女だった別の女が決めつける。
「確かに、テモーネが皆を煽動したんだわ」
これも元侍女だった女。
やがてそれは私への虐めに発展する。隠れて私の防護ゴーグルと防毒マスクに穴をあけるかつての部下達。今やすっかり敵にまわった。
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