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2 善意でやったら結果的に嫌がらせw
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「大好きなお姉様。この卵料理はとても美味しいでしょう? お姉様が卵を大好きだからコックも腕によりをかけたのですって。お姉様は皇太子妃に一番近い方だから私も鼻が高いですわ!」
「あら、おほほほほ。コックは私の好きなものばかり出さずともいいのです。むしろマリーナの好きなものを出してもらいたいわ。私はなんでも食べられますから」
――前の世界、日本って国では卵アレルギーだったあたし。この漫画の世界のローズになっているあたしは多分食べても大丈夫だと思うけれど、不安で食べられないでいる。
「まるでマリーナのようなことをしないでちょうだい! ローズは卵が大好きだったでしょう? マリーナはこれを食べると痒くなると言うのよ。全くおかしな話よねぇ」
なかなか卵料理を口にしないあたしにお母様が尖った声で注意をする。
「マリーナは卵を食べるとどうなるの?」
「えっと身体がむず痒くて、それから喉もイガイガしてきます」
「だったら、一生食べちゃだめよ! 卵を食べなくたって死ぬわけじゃないけれど、食べたら死ぬってこともありますからね! いいこと? マリーナは卵を一口も食べてはいけませんわ! お母様もそのつもりでいてくださいませ。これは、マリーナの命に関わることですからね!」
言われたマリーナは呆気にとられていた。
――だってそれって前の世界での私と同じ卵アレルギーってことでしょう? マリーナがそんなアレルギーだなんて漫画本には書いていなかった気がしたけれど……
この漫画の世界の食べ物はもちろん日本と同じ。作者が日本人だからほぼ日本の洋風の朝食が並ぶ。スクランブルエッグとソーセージにスープとパンにサラダ、デザート。でも、ソーセージ以外はどうやらみんな卵が入っていそうだった。私のそういう予感はほぼ的中する。
洋風のコンソメスープには溶き卵があったし、パンの表面に艶があるのは卵液を表面に塗りつけているから。デザートのプリンだって卵だし、サラダにもゆで卵がお花の形でこんにちわ。
「ちょっと待って。これじゃぁ、マリーナはソーセージしか食べられないじゃない!」
あたしがせっせと卵以外の料理をマリーナに作ってあげたのは言うまでもない。
厨房の場所を聞きコックを隅に追いやり納豆(厨房に納豆がありましたw)とタレ、粒マスタードを混ぜてパンにのせてさらにチーズをそこに被せる。できれば、ごま油と海苔もほしいが今は省略だ。
あるもので手早く料理をする。これは日本の母子家庭で育った苦労人のあたしに身についた高等技術だ。
できあがった料理はチーズがたっぷり乗った納豆トースト。スープはコンソメではなくクリームスープに作り替えた。
傍らで見ていたコックは仰天してφ(..)メモっていたけれどね。
「さぁ、召し上がれ!」
私は嬉々としてマリーナに勧めた。
「あ、ありがとうございます。お姉様……」
なぜか涙目になっている妹マリーナに実際はそれほど性悪女じゃないのかもと思ってしまった。
「うっ、うっうっうっ~~! 私が本当は卵が大好きで、乳製品が苦手だってなんでわかったのかしらぁーー。うぐっつ、痒いわぁ」
妹マリーナの小さなつぶやきなどまるで聞こえていないあたしなのだった。
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
注※この小説はコメディー風味ですので軽快に進みます。もしかしたらR18まで残酷にならないかもしれません。
「あら、おほほほほ。コックは私の好きなものばかり出さずともいいのです。むしろマリーナの好きなものを出してもらいたいわ。私はなんでも食べられますから」
――前の世界、日本って国では卵アレルギーだったあたし。この漫画の世界のローズになっているあたしは多分食べても大丈夫だと思うけれど、不安で食べられないでいる。
「まるでマリーナのようなことをしないでちょうだい! ローズは卵が大好きだったでしょう? マリーナはこれを食べると痒くなると言うのよ。全くおかしな話よねぇ」
なかなか卵料理を口にしないあたしにお母様が尖った声で注意をする。
「マリーナは卵を食べるとどうなるの?」
「えっと身体がむず痒くて、それから喉もイガイガしてきます」
「だったら、一生食べちゃだめよ! 卵を食べなくたって死ぬわけじゃないけれど、食べたら死ぬってこともありますからね! いいこと? マリーナは卵を一口も食べてはいけませんわ! お母様もそのつもりでいてくださいませ。これは、マリーナの命に関わることですからね!」
言われたマリーナは呆気にとられていた。
――だってそれって前の世界での私と同じ卵アレルギーってことでしょう? マリーナがそんなアレルギーだなんて漫画本には書いていなかった気がしたけれど……
この漫画の世界の食べ物はもちろん日本と同じ。作者が日本人だからほぼ日本の洋風の朝食が並ぶ。スクランブルエッグとソーセージにスープとパンにサラダ、デザート。でも、ソーセージ以外はどうやらみんな卵が入っていそうだった。私のそういう予感はほぼ的中する。
洋風のコンソメスープには溶き卵があったし、パンの表面に艶があるのは卵液を表面に塗りつけているから。デザートのプリンだって卵だし、サラダにもゆで卵がお花の形でこんにちわ。
「ちょっと待って。これじゃぁ、マリーナはソーセージしか食べられないじゃない!」
あたしがせっせと卵以外の料理をマリーナに作ってあげたのは言うまでもない。
厨房の場所を聞きコックを隅に追いやり納豆(厨房に納豆がありましたw)とタレ、粒マスタードを混ぜてパンにのせてさらにチーズをそこに被せる。できれば、ごま油と海苔もほしいが今は省略だ。
あるもので手早く料理をする。これは日本の母子家庭で育った苦労人のあたしに身についた高等技術だ。
できあがった料理はチーズがたっぷり乗った納豆トースト。スープはコンソメではなくクリームスープに作り替えた。
傍らで見ていたコックは仰天してφ(..)メモっていたけれどね。
「さぁ、召し上がれ!」
私は嬉々としてマリーナに勧めた。
「あ、ありがとうございます。お姉様……」
なぜか涙目になっている妹マリーナに実際はそれほど性悪女じゃないのかもと思ってしまった。
「うっ、うっうっうっ~~! 私が本当は卵が大好きで、乳製品が苦手だってなんでわかったのかしらぁーー。うぐっつ、痒いわぁ」
妹マリーナの小さなつぶやきなどまるで聞こえていないあたしなのだった。
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注※この小説はコメディー風味ですので軽快に進みます。もしかしたらR18まで残酷にならないかもしれません。
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