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番外編 後編
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結果的にひどい晩餐会になりそうなことは誰しもが予想していたであろう。
ただ内容が、斜め上を行く展開だったのは誰にも予想ができなかった。
家に戻り、一応晩餐会という名目があるので、僕とカルシオンは客室でフォーマルに着替えた。ちなみに僕の自室はもうない。ウリエルの子どもの部屋になっている。文官になる前に私物は全て整理したから、特に未練もなかった。
「こういう時は騎士服じゃないんだね。」
「騎士服の方がいいか?」
「騎士のカルシオンはかっこいいよ。でもこういうフォーマルのも綺麗でいいな。」
「ラファエルは可愛いな。」
「もう可愛いと言われて喜ぶ歳ではないのですが?」
「孫は幾つになっても可愛いんですよ。」
「おじいちゃんネタ、気に入ったんですか?」
「冗談だよ。恋人だから、いやラファエルだから可愛く見えるんです。……それにまずは孫より子供が先ですしね?」
チュッと、おでこにキスをしてくる。
こうやって時々おじいちゃん役で揶揄ってくるときもある。お茶目なところもあるとわかったのはつい最近のこと。
いつも騎士として正しくあろうとするカルシオンが僕の前では少し気を抜ける姿を見せてくれるようになった。心の拠り所になりつつあるのは、頼られている証拠。
揶揄われるのは嫌だが、カルシオンからの揶揄いは愛があるので嫌いではない。
嫌いに思えないことで、既に僕はカルシオンに堕ちているだろう。
使用人に晩餐会の支度が整ったと連絡を受けて、食堂へと向かう。
食堂では、既にみんなが先に席に着いていた。
父、母、ウリエル、ウリエルの嫁、ウリエルの子供、ガブリエル。
僕達も使用人に案内され、席に着く。
母、兄嫁がカルシオンの顔を見て、頬を赤らめていた。
ガブリエルは少し青い顔をしながら、視線を合わせないように俯いいる。
父が、
「晩餐の前に紹介しよう。ラファエルが結婚することになった。お相手のカルシオン=ベル様だ。」
カルシオンは立ち上がり、
「ご紹介に預かりましたカルシオン=ベルです。どうぞよろしくお願いします。」
軽く礼をしてから、座り直す。
「私の隣から、ラファエルの母マイリー、ラファエルの上の兄ウリエル、ウリエルの嫁エミール、ウリエルの子供ナフタエル、ラファエルの下の兄ガブリエルだ。」
ガブリエルは父に名前を呼ばれたら、ビクッとしていた。だけど、僕以外は誰も気がつかなった。
「ラファエルの母のマイリーです。」
「ウリエルの妻エミールですわ。」
「ナフタエルです。4さいです!」
「ガブリエル、です。」
一人一人席を立ち、挨拶をしていく。ナフタエルは立つとテーブルで見えなくなるので、座ったままだ。あまりカルシオンのことが言えなくなるので口に出さないけど、甥っ子可愛い!
「ベル様、以上がラファエルの家族になります。よろしくお願い致します。では、食事を始めましょう。」
父の合図で、様々な料理がテーブルに運ばれる。うちの晩餐はコース料理ではなく大皿で好きなものを取り分けていくのだ。
「カルシオン、好きなものや食べてみたいものがあったら、使用人に伝えてね。取り分けてくれるから。」
「ああ。こういう食べ方は初めてだな。なんか少し楽しいのかも。」
「もっと人数が多いと、壁際の方に料理専用のテーブルを置いて、自分でお皿に料理を取っていくやり方もあるんだよ。庶民っぽいかもしれないけど。」
「それも楽しそうだな。ラファエル、あれはなんだ?」
「あれは豚肉を煮たのだね。ものすごく柔らかいんだよ。食べてみる?あっ、あの野菜はまだ王都では珍しいから食べてみて。」
使用人にカルシオンが食べてみたいもの、僕のおすすめを伝えて僕の分も頼んだ。やっぱり、使用人は綺麗にしかも美味しそうに取り分けてくれる。自分ですると雑に乗せてしまうので、美味しそうな盛り付けにまで至らない。
カルシオンが早速豚肉を食べてみる。
「んんっ!口の中で肉が溶けた。でも、旨味が口の中に残っていて。美味しいな。」
「カルシオンがこんなに喜ぶんだったら、作り方を料理長に教えておくよ。僕も寮の台所を借りて時々作るんだよ。」
「そうなのか?私のために作る気は?」
「ふふふっ、わかったよ。今度、連休にね。時間がかかるから」
「ああ、楽しみにしている。……この野菜は、コリコリしていて面白いな。」
「白い部分は花の蕾だよ。」
と、いつもより糖度高めなカルシオンとの会話をみんなに聞かせる。
カルシオンが甘々な姿を見せて、ガブリエルが突っかかってこないように対策を事前にしておいた。ただ僕の疲弊もすごいが。
ガブリエルは料理店でのしでかしもあって、居心地が悪そうにしながら食事をしていた。
母様と兄嫁は、カルシオンが僕にしか話しかけないことで、ヤキモキしているように見える。
「ラファエル、王都の方はどうだ?」
と、父様が話しかけてきた。
「相変わらず華やかですよ。砂糖が安くなったので、菓子店などの甘味処が増えました。他国の商人の往来も増えてきました。」
「隣国からの商人の行き来も増えてきたな。」
「それに遠い国からもきていますね。検問でたまに言葉が通じない人もいますし。」
「ベル様は第二隊ではなかったのではないですか?」
「はい、第二隊ですが、通訳で時折駆り出されます。」
騎士団第一、第二は王宮警備、第三、第四が王都の警備、第五が王都の検問に配置されている。第六以降が国境警備にあたる。
「ベル家は外交の家柄なので、カルシオンも幼い時から勉強してきたそうです。」
「ほぉ。でも外交官でなく、騎士になられたのですか?」
「どうも私は交渉事より身体が動かす方が好きなようで。」
「それはさぞや惜しまられたでしょう。」
「いえ、父も母もじっとしていられない私を見て、外交官は早々に諦めたと言ってました。騎士になると決めた時は、やっぱりと言われましたよ。」
「そうですか。理解のある親御さんで良かったですね。」
「ええ。両親には感謝しかありませんね。」
父様と僕達が食事をしながら、和やかに話していた。
会話の切れ目を測っていたかのように兄嫁のエミールが話しかけてきた。
「カルシオン様は、第二隊なんですね。私の従兄弟も第二隊に配属されているんです。」
「エミール、今は父上とベル様が話されているんだ。それに名前呼びは許されていない。」
「えぇ、でもラファエルは名前で呼んでいるから、いいんでしょ。」
「……。」
ウリエルが呆れた顔をして、二の句が告げない。
カルシオンはまだ侯爵子息だから、身分的に全然上なんだけどな。僕の恋人だから許されるって思っているのかな。
「…名前をお聞きしても?」
「エドモンド=ラジークですの。カルシオン様に及ばないとは思いますが、実力はそこそこあるみたいですわ。」
なんか聞いたことある名前だなぁと僕は考える。
「ああ、彼ですか。彼なら昨年秋に第九隊に配属されましたよ。」
「えっ?」
「経費で娼館通いが発覚しまして。所謂左遷ですね。残念な従兄弟をお持ちなようで。」
「ああいたね、そんな人。そうそう、乱暴な態度で最後には娼館から出禁喰らっていたね。娼館から聞き取り調査に行った時に聞いた名前だった。」
「一人で聞き取り調査に行ったのか?」
「いやいや上司と護衛騎士2人の4人で。みんな快く話してくれたから、スムーズに調書を作れたよ。」
例の件の関係者だったようだ。教えてもらえなかったら、モヤモヤして寝れなくなるところだった。
エミールは初めて聞いたのか、顔色を悪くしていた。
部屋の空気も心なしか悪くなった。
「と、ところで、結婚したら、どこに住むか決めたのかい?」
父様が頑張った。
「私が今住んでいる屋敷と考えていますが、ラファエルはどこか希望があるかい?」
「僕はカルシオンのお屋敷がいいな。セバスさん達とも仲良くなったし、お屋敷の書庫も気に入っているし。王宮からも近いから通勤に不便さもないしね。」
「ならば私の屋敷でいいね。部屋は既に用意してあるし、寮にある私物だけ運べばいいだけだね。」
「そうか。ラファエルは本当に良い方と巡りあえたなぁ、うん。結婚してもたまに戻ってきてくれ。」
「はい、父様。」
「あら、私達が会いに行けばよろしいではありませんか?」
「マイリー?」
「だって今までは寮生活でしたから、王宮には用事なければ会えなかったでしょう。でも、お持ちのお屋敷なら、ラファエルの親ならお邪魔してもよろしいでしょう?」
え~、なにそのとんでも理論。もう何が言いたいのかわからん!
「マイリー、何度言えばわかる。この街の内政官を任されている以上、離れることはできない。ウリエルが継ぐまでは、王都には行けないと言っただろう。」
「なら、私だけでもいいではないですか。ガブリエルと2人で行きますよ。」
「…母様、私は行きませんから、お一人でどうぞ。」
ガブリエルが大人しくなっている。カルシオンの冷気に当てられて、年中春の頭がようやく冷えたのかな?
「何を言っているの!あなたがいつまでも結婚できないから、私がお相手を探してあげているんでしょう。王都ならラファエルなんかでさえこんな素敵な人を見つけてきたんだから、あなたならもっと素敵な人を見つけられるでしょう?」
「…『ラファエルなんか』?」
カルシオンはそっちを気にしちゃったか。実家では僕の扱いは今更だから、気にしてなかったよ。
カルシオンの手を握り、
「カルシオン、今は怒らないでね。」
と伝える。
「母様は相変わらず僕を下にみた言い方をしますが、あなたから金髪、碧眼を取ったら何が残りますか?男爵夫人としての地位ですか?それも父様に離縁されたら、平民ですよ?あなたのご実家からの持参金も、この家の蓄えも、ほぼあなたの贅沢でないのですよ。いつまでも10代の気分でいないでください。50間近でフリルが多くあしらった服を着ているのは、流石に見苦しいです。それに今はシンプルな装いが流行りです。自分そっくりなガブリエルと同じような服を着せて、双子扱いをされたがっていますけど、兄弟ではなく親子なんですよ?ガブリエルはあなたが鏡に写っている姿ではありません。年齢を自覚してください。」
と、一気に言った。カルシオンに顔を向けて言う。
「カルシオン、アレがダメ人間製造機の見本です。それによってできたのがガブリエルです。子供を可愛がっている体で思考を奪い、よくわからない理論で、自分の常識は世間の常識と思い込ませるんです。勉強しなくても叱らない、マナーが悪くても叱らない。貴族として育てる気があるのかと思いましたよ。でも、ガブリエルは先程カルシオンの冷気を浴びてから、常春の頭から冷えたようで、少しはまともになりそうです。ところで、子供や孫は可愛いということですが、カルシオンは将来あんな製造機になりたいですか?」
カルシオンがフルフルと首を振る。
「では、反面教師として覚えておきましょう。エミールさんもナフタエルをダメ人間にしたくないから、きちんと覚えておいてください。さあ食べましょう。」
ひとつの授業が終わったとばかりに、僕は食事を再開した。
カルシオンも、家族もぽっかーんだった。
最初に意識を取り戻しのは、父様で、
「ラ、ラファエルはこんなによく喋る子だったんだな。あれ、昔からよく喋っていたような。」
と。動揺して多分何を言っているのか、父様自身もわかってないだろう。
「ププッ、ダメ人間製造機。…ククッ!」
「自分の母をダメ人間製造機と命名、…フフッ。」
カルシオンとウリエルが復活したら、笑い出した。
エミールとガブリエルは顔色が青くなっていく。
母様は、
「ラファエル!子供のくせに親にそんな口のききかたをして!」
「マイリー、落ち着きない。私も何度も忠告をしてきたが、君は聞く耳を持たなかった。子供たちもみんな成人した。もう離縁しても良い頃合だと思う。3日猶予を与えるから、実家でも、愛人宅にでもでていきなさい。ガブリエルは明日から私の手伝いをしなさい。できるできないでなく、やるんだ。お前がバカにしてきたラファエルは、文官として活躍して実績もある。話を聞けば、上司の信頼も篤いそうだ。書類仕事がいかに大変で大事かを覚えなさい。」
やっぱり母様に愛人いたか。ウリエルは知っていたけど、ガブリエルは知らなかったらしい。
父様に告げられた母様は顔面蒼白で、固まったままだった。
こうして、僕の恋人お披露目晩餐会が、両親離縁晩餐会で終了した。
こんな状況の中、ナフタエルは1人お行儀良く食べ続けていた。甥っ子はある意味最強だった。
実家から王都に戻って最初にしたことは、婚姻届を出した。
僕の容姿で侮って来る人もいることを知っていたカルシオンが、僕を守る為に、婚約をすっ飛ばして、結婚となった。
実家での出来事がキッカケに改に決意したらしい。
教会に先立って話を通してあり、教会に着いた時には、書類は全て整えられサインをするだけになっていた。
カルシオンのご両親、兄には事後承諾になってしまったけど、きちんとその日のうちに挨拶に行った。
恋人になった時にも挨拶はしてあるし、王宮で顔も合わせることもある。その度に可愛がってもらえているので、嫌われていないのはわかっていた。
結婚の報告をしたら、ものすごい勢いで喜んでくれて、カルシオンのご両親に抱きしめられたり、カルシオンの兄には子どもにするたかいたかーいをして回された。目も回したけど。カルシオンの家族の喜びようがすごかった。
カルシオンのお屋敷に帰った。
セバスさんたちに報告したら、涙ぐんで喜んでもらえた。
夕食後は使用人たちにお風呂で磨かれてしまった。『初夜』だからなんて思ったら、恥ずかしかったけど。
「ラフィ、可愛い。」
「んんっ、あっ。」
「ここ、突かれるの、好きでしょ。」
「あっ、ああん、す、き、…いっ、ぱい、こすって。」
カルシオンのモノが感じる場所を狙って小刻みな動きをする。
磨かれたあと、カルシオンの寝室に行けば、カルシオンは僕を待っていてくれた。
甘い言葉とキスをしてくれて、初めての時にように優しく僕を溶かしていく。
僕の身体は、余すところなくカルシオンの手が触れて、全身が性感帯になったように思えた。ただただカルシオンが与えてくれる刺激に喘ぐだけだった。
後孔も丹念に解され、カルシオンの熱いモノが入ってきた時は、身体中が歓喜で震えた。
やっと待っていたモノが与えられた感覚だった。
カルシオンの僕の身体を気遣った優しい注挿だったが、段々と激しくなり、僕の中で弾けた。
カルシオンのモノがそのまま出ていかず、僕の中で硬度を取り戻し出したら、抜かずに2回戦となった。
「ラフィ、もう少し奥に入れてもいいかい?」
「?まだ、はいるの?もう、おなか、カル、シオンで、…いっぱい、だよ?」
「ラフィが可愛いから、無理させたくなかったけど、私も限界だよ。」
更に大きくなったモノが、奥へと入っていく。あっ、コレ、入っちゃ、ダメなやつ。なんて言っても、カルシオンは止まってくれないだろう。
ぐぽんっと入ってきた時には、視界が真っ白になるほどで、気持ちよさと未知の怖さで身体が震えた。
「ラフィ、全部入ったよ。受け入れてくれてありがとう。」
カルシオンのちょっと苦しそうで、でも満ち足りた笑顔がものすごく綺麗だった。
それからはお互いを求めて夜が白むまで貪りあった。
「で、ガブリエルはまともになったの?」
「今のところは?まだ見習い程度ですし。父も老体に鞭打ち、まともにするって意気込んでましたし。」
アルサスが結婚祝いを持ってきてくれたので、ガゼボでお茶会をしている。
カルシオンとギルフォードは仕事でいない。
「しかし、子供の結婚と、親の離縁が同日とは、小説になりそうだねぇ。」
「終わってしまえば、笑い話ですけど。」
「結婚して副隊長は変わったかい?」
「更に甘くなりましたよ。やっぱり僕は甘い言葉には慣れません。」
「別にラファエルまで甘くならなくていいと思うよ。」
「でも『氷の騎士』になったカルシオンにキュンとしてしまいました。僕が滅多に見れない姿を他人が簡単に見られるのは狡いです。」
「また、変な扉を開いたねぇ。でも君達が仲良くてなによりだ。」
夏から秋に変わる。風も幾分か涼しくなった。
去年の秋お互いの存在を知り、冬にカルシオンから告白を受け、夏に結婚した。
カルシオンへの愛は今も大事に育っている。
まだ予定にはないけど、僕はそっとお腹を撫でた。
ーーーーーーーーーー
ここまで読んでいただきありがとうございます。
以上で完結となります。
誤字脱字がないか確認はしておりますが、ありましたら報告をいただけたら嬉しいです。途中手直しついでに加筆もするかもです。
感想もお待ちしています。
お付き合いいただきありがとうございました。
ただ内容が、斜め上を行く展開だったのは誰にも予想ができなかった。
家に戻り、一応晩餐会という名目があるので、僕とカルシオンは客室でフォーマルに着替えた。ちなみに僕の自室はもうない。ウリエルの子どもの部屋になっている。文官になる前に私物は全て整理したから、特に未練もなかった。
「こういう時は騎士服じゃないんだね。」
「騎士服の方がいいか?」
「騎士のカルシオンはかっこいいよ。でもこういうフォーマルのも綺麗でいいな。」
「ラファエルは可愛いな。」
「もう可愛いと言われて喜ぶ歳ではないのですが?」
「孫は幾つになっても可愛いんですよ。」
「おじいちゃんネタ、気に入ったんですか?」
「冗談だよ。恋人だから、いやラファエルだから可愛く見えるんです。……それにまずは孫より子供が先ですしね?」
チュッと、おでこにキスをしてくる。
こうやって時々おじいちゃん役で揶揄ってくるときもある。お茶目なところもあるとわかったのはつい最近のこと。
いつも騎士として正しくあろうとするカルシオンが僕の前では少し気を抜ける姿を見せてくれるようになった。心の拠り所になりつつあるのは、頼られている証拠。
揶揄われるのは嫌だが、カルシオンからの揶揄いは愛があるので嫌いではない。
嫌いに思えないことで、既に僕はカルシオンに堕ちているだろう。
使用人に晩餐会の支度が整ったと連絡を受けて、食堂へと向かう。
食堂では、既にみんなが先に席に着いていた。
父、母、ウリエル、ウリエルの嫁、ウリエルの子供、ガブリエル。
僕達も使用人に案内され、席に着く。
母、兄嫁がカルシオンの顔を見て、頬を赤らめていた。
ガブリエルは少し青い顔をしながら、視線を合わせないように俯いいる。
父が、
「晩餐の前に紹介しよう。ラファエルが結婚することになった。お相手のカルシオン=ベル様だ。」
カルシオンは立ち上がり、
「ご紹介に預かりましたカルシオン=ベルです。どうぞよろしくお願いします。」
軽く礼をしてから、座り直す。
「私の隣から、ラファエルの母マイリー、ラファエルの上の兄ウリエル、ウリエルの嫁エミール、ウリエルの子供ナフタエル、ラファエルの下の兄ガブリエルだ。」
ガブリエルは父に名前を呼ばれたら、ビクッとしていた。だけど、僕以外は誰も気がつかなった。
「ラファエルの母のマイリーです。」
「ウリエルの妻エミールですわ。」
「ナフタエルです。4さいです!」
「ガブリエル、です。」
一人一人席を立ち、挨拶をしていく。ナフタエルは立つとテーブルで見えなくなるので、座ったままだ。あまりカルシオンのことが言えなくなるので口に出さないけど、甥っ子可愛い!
「ベル様、以上がラファエルの家族になります。よろしくお願い致します。では、食事を始めましょう。」
父の合図で、様々な料理がテーブルに運ばれる。うちの晩餐はコース料理ではなく大皿で好きなものを取り分けていくのだ。
「カルシオン、好きなものや食べてみたいものがあったら、使用人に伝えてね。取り分けてくれるから。」
「ああ。こういう食べ方は初めてだな。なんか少し楽しいのかも。」
「もっと人数が多いと、壁際の方に料理専用のテーブルを置いて、自分でお皿に料理を取っていくやり方もあるんだよ。庶民っぽいかもしれないけど。」
「それも楽しそうだな。ラファエル、あれはなんだ?」
「あれは豚肉を煮たのだね。ものすごく柔らかいんだよ。食べてみる?あっ、あの野菜はまだ王都では珍しいから食べてみて。」
使用人にカルシオンが食べてみたいもの、僕のおすすめを伝えて僕の分も頼んだ。やっぱり、使用人は綺麗にしかも美味しそうに取り分けてくれる。自分ですると雑に乗せてしまうので、美味しそうな盛り付けにまで至らない。
カルシオンが早速豚肉を食べてみる。
「んんっ!口の中で肉が溶けた。でも、旨味が口の中に残っていて。美味しいな。」
「カルシオンがこんなに喜ぶんだったら、作り方を料理長に教えておくよ。僕も寮の台所を借りて時々作るんだよ。」
「そうなのか?私のために作る気は?」
「ふふふっ、わかったよ。今度、連休にね。時間がかかるから」
「ああ、楽しみにしている。……この野菜は、コリコリしていて面白いな。」
「白い部分は花の蕾だよ。」
と、いつもより糖度高めなカルシオンとの会話をみんなに聞かせる。
カルシオンが甘々な姿を見せて、ガブリエルが突っかかってこないように対策を事前にしておいた。ただ僕の疲弊もすごいが。
ガブリエルは料理店でのしでかしもあって、居心地が悪そうにしながら食事をしていた。
母様と兄嫁は、カルシオンが僕にしか話しかけないことで、ヤキモキしているように見える。
「ラファエル、王都の方はどうだ?」
と、父様が話しかけてきた。
「相変わらず華やかですよ。砂糖が安くなったので、菓子店などの甘味処が増えました。他国の商人の往来も増えてきました。」
「隣国からの商人の行き来も増えてきたな。」
「それに遠い国からもきていますね。検問でたまに言葉が通じない人もいますし。」
「ベル様は第二隊ではなかったのではないですか?」
「はい、第二隊ですが、通訳で時折駆り出されます。」
騎士団第一、第二は王宮警備、第三、第四が王都の警備、第五が王都の検問に配置されている。第六以降が国境警備にあたる。
「ベル家は外交の家柄なので、カルシオンも幼い時から勉強してきたそうです。」
「ほぉ。でも外交官でなく、騎士になられたのですか?」
「どうも私は交渉事より身体が動かす方が好きなようで。」
「それはさぞや惜しまられたでしょう。」
「いえ、父も母もじっとしていられない私を見て、外交官は早々に諦めたと言ってました。騎士になると決めた時は、やっぱりと言われましたよ。」
「そうですか。理解のある親御さんで良かったですね。」
「ええ。両親には感謝しかありませんね。」
父様と僕達が食事をしながら、和やかに話していた。
会話の切れ目を測っていたかのように兄嫁のエミールが話しかけてきた。
「カルシオン様は、第二隊なんですね。私の従兄弟も第二隊に配属されているんです。」
「エミール、今は父上とベル様が話されているんだ。それに名前呼びは許されていない。」
「えぇ、でもラファエルは名前で呼んでいるから、いいんでしょ。」
「……。」
ウリエルが呆れた顔をして、二の句が告げない。
カルシオンはまだ侯爵子息だから、身分的に全然上なんだけどな。僕の恋人だから許されるって思っているのかな。
「…名前をお聞きしても?」
「エドモンド=ラジークですの。カルシオン様に及ばないとは思いますが、実力はそこそこあるみたいですわ。」
なんか聞いたことある名前だなぁと僕は考える。
「ああ、彼ですか。彼なら昨年秋に第九隊に配属されましたよ。」
「えっ?」
「経費で娼館通いが発覚しまして。所謂左遷ですね。残念な従兄弟をお持ちなようで。」
「ああいたね、そんな人。そうそう、乱暴な態度で最後には娼館から出禁喰らっていたね。娼館から聞き取り調査に行った時に聞いた名前だった。」
「一人で聞き取り調査に行ったのか?」
「いやいや上司と護衛騎士2人の4人で。みんな快く話してくれたから、スムーズに調書を作れたよ。」
例の件の関係者だったようだ。教えてもらえなかったら、モヤモヤして寝れなくなるところだった。
エミールは初めて聞いたのか、顔色を悪くしていた。
部屋の空気も心なしか悪くなった。
「と、ところで、結婚したら、どこに住むか決めたのかい?」
父様が頑張った。
「私が今住んでいる屋敷と考えていますが、ラファエルはどこか希望があるかい?」
「僕はカルシオンのお屋敷がいいな。セバスさん達とも仲良くなったし、お屋敷の書庫も気に入っているし。王宮からも近いから通勤に不便さもないしね。」
「ならば私の屋敷でいいね。部屋は既に用意してあるし、寮にある私物だけ運べばいいだけだね。」
「そうか。ラファエルは本当に良い方と巡りあえたなぁ、うん。結婚してもたまに戻ってきてくれ。」
「はい、父様。」
「あら、私達が会いに行けばよろしいではありませんか?」
「マイリー?」
「だって今までは寮生活でしたから、王宮には用事なければ会えなかったでしょう。でも、お持ちのお屋敷なら、ラファエルの親ならお邪魔してもよろしいでしょう?」
え~、なにそのとんでも理論。もう何が言いたいのかわからん!
「マイリー、何度言えばわかる。この街の内政官を任されている以上、離れることはできない。ウリエルが継ぐまでは、王都には行けないと言っただろう。」
「なら、私だけでもいいではないですか。ガブリエルと2人で行きますよ。」
「…母様、私は行きませんから、お一人でどうぞ。」
ガブリエルが大人しくなっている。カルシオンの冷気に当てられて、年中春の頭がようやく冷えたのかな?
「何を言っているの!あなたがいつまでも結婚できないから、私がお相手を探してあげているんでしょう。王都ならラファエルなんかでさえこんな素敵な人を見つけてきたんだから、あなたならもっと素敵な人を見つけられるでしょう?」
「…『ラファエルなんか』?」
カルシオンはそっちを気にしちゃったか。実家では僕の扱いは今更だから、気にしてなかったよ。
カルシオンの手を握り、
「カルシオン、今は怒らないでね。」
と伝える。
「母様は相変わらず僕を下にみた言い方をしますが、あなたから金髪、碧眼を取ったら何が残りますか?男爵夫人としての地位ですか?それも父様に離縁されたら、平民ですよ?あなたのご実家からの持参金も、この家の蓄えも、ほぼあなたの贅沢でないのですよ。いつまでも10代の気分でいないでください。50間近でフリルが多くあしらった服を着ているのは、流石に見苦しいです。それに今はシンプルな装いが流行りです。自分そっくりなガブリエルと同じような服を着せて、双子扱いをされたがっていますけど、兄弟ではなく親子なんですよ?ガブリエルはあなたが鏡に写っている姿ではありません。年齢を自覚してください。」
と、一気に言った。カルシオンに顔を向けて言う。
「カルシオン、アレがダメ人間製造機の見本です。それによってできたのがガブリエルです。子供を可愛がっている体で思考を奪い、よくわからない理論で、自分の常識は世間の常識と思い込ませるんです。勉強しなくても叱らない、マナーが悪くても叱らない。貴族として育てる気があるのかと思いましたよ。でも、ガブリエルは先程カルシオンの冷気を浴びてから、常春の頭から冷えたようで、少しはまともになりそうです。ところで、子供や孫は可愛いということですが、カルシオンは将来あんな製造機になりたいですか?」
カルシオンがフルフルと首を振る。
「では、反面教師として覚えておきましょう。エミールさんもナフタエルをダメ人間にしたくないから、きちんと覚えておいてください。さあ食べましょう。」
ひとつの授業が終わったとばかりに、僕は食事を再開した。
カルシオンも、家族もぽっかーんだった。
最初に意識を取り戻しのは、父様で、
「ラ、ラファエルはこんなによく喋る子だったんだな。あれ、昔からよく喋っていたような。」
と。動揺して多分何を言っているのか、父様自身もわかってないだろう。
「ププッ、ダメ人間製造機。…ククッ!」
「自分の母をダメ人間製造機と命名、…フフッ。」
カルシオンとウリエルが復活したら、笑い出した。
エミールとガブリエルは顔色が青くなっていく。
母様は、
「ラファエル!子供のくせに親にそんな口のききかたをして!」
「マイリー、落ち着きない。私も何度も忠告をしてきたが、君は聞く耳を持たなかった。子供たちもみんな成人した。もう離縁しても良い頃合だと思う。3日猶予を与えるから、実家でも、愛人宅にでもでていきなさい。ガブリエルは明日から私の手伝いをしなさい。できるできないでなく、やるんだ。お前がバカにしてきたラファエルは、文官として活躍して実績もある。話を聞けば、上司の信頼も篤いそうだ。書類仕事がいかに大変で大事かを覚えなさい。」
やっぱり母様に愛人いたか。ウリエルは知っていたけど、ガブリエルは知らなかったらしい。
父様に告げられた母様は顔面蒼白で、固まったままだった。
こうして、僕の恋人お披露目晩餐会が、両親離縁晩餐会で終了した。
こんな状況の中、ナフタエルは1人お行儀良く食べ続けていた。甥っ子はある意味最強だった。
実家から王都に戻って最初にしたことは、婚姻届を出した。
僕の容姿で侮って来る人もいることを知っていたカルシオンが、僕を守る為に、婚約をすっ飛ばして、結婚となった。
実家での出来事がキッカケに改に決意したらしい。
教会に先立って話を通してあり、教会に着いた時には、書類は全て整えられサインをするだけになっていた。
カルシオンのご両親、兄には事後承諾になってしまったけど、きちんとその日のうちに挨拶に行った。
恋人になった時にも挨拶はしてあるし、王宮で顔も合わせることもある。その度に可愛がってもらえているので、嫌われていないのはわかっていた。
結婚の報告をしたら、ものすごい勢いで喜んでくれて、カルシオンのご両親に抱きしめられたり、カルシオンの兄には子どもにするたかいたかーいをして回された。目も回したけど。カルシオンの家族の喜びようがすごかった。
カルシオンのお屋敷に帰った。
セバスさんたちに報告したら、涙ぐんで喜んでもらえた。
夕食後は使用人たちにお風呂で磨かれてしまった。『初夜』だからなんて思ったら、恥ずかしかったけど。
「ラフィ、可愛い。」
「んんっ、あっ。」
「ここ、突かれるの、好きでしょ。」
「あっ、ああん、す、き、…いっ、ぱい、こすって。」
カルシオンのモノが感じる場所を狙って小刻みな動きをする。
磨かれたあと、カルシオンの寝室に行けば、カルシオンは僕を待っていてくれた。
甘い言葉とキスをしてくれて、初めての時にように優しく僕を溶かしていく。
僕の身体は、余すところなくカルシオンの手が触れて、全身が性感帯になったように思えた。ただただカルシオンが与えてくれる刺激に喘ぐだけだった。
後孔も丹念に解され、カルシオンの熱いモノが入ってきた時は、身体中が歓喜で震えた。
やっと待っていたモノが与えられた感覚だった。
カルシオンの僕の身体を気遣った優しい注挿だったが、段々と激しくなり、僕の中で弾けた。
カルシオンのモノがそのまま出ていかず、僕の中で硬度を取り戻し出したら、抜かずに2回戦となった。
「ラフィ、もう少し奥に入れてもいいかい?」
「?まだ、はいるの?もう、おなか、カル、シオンで、…いっぱい、だよ?」
「ラフィが可愛いから、無理させたくなかったけど、私も限界だよ。」
更に大きくなったモノが、奥へと入っていく。あっ、コレ、入っちゃ、ダメなやつ。なんて言っても、カルシオンは止まってくれないだろう。
ぐぽんっと入ってきた時には、視界が真っ白になるほどで、気持ちよさと未知の怖さで身体が震えた。
「ラフィ、全部入ったよ。受け入れてくれてありがとう。」
カルシオンのちょっと苦しそうで、でも満ち足りた笑顔がものすごく綺麗だった。
それからはお互いを求めて夜が白むまで貪りあった。
「で、ガブリエルはまともになったの?」
「今のところは?まだ見習い程度ですし。父も老体に鞭打ち、まともにするって意気込んでましたし。」
アルサスが結婚祝いを持ってきてくれたので、ガゼボでお茶会をしている。
カルシオンとギルフォードは仕事でいない。
「しかし、子供の結婚と、親の離縁が同日とは、小説になりそうだねぇ。」
「終わってしまえば、笑い話ですけど。」
「結婚して副隊長は変わったかい?」
「更に甘くなりましたよ。やっぱり僕は甘い言葉には慣れません。」
「別にラファエルまで甘くならなくていいと思うよ。」
「でも『氷の騎士』になったカルシオンにキュンとしてしまいました。僕が滅多に見れない姿を他人が簡単に見られるのは狡いです。」
「また、変な扉を開いたねぇ。でも君達が仲良くてなによりだ。」
夏から秋に変わる。風も幾分か涼しくなった。
去年の秋お互いの存在を知り、冬にカルシオンから告白を受け、夏に結婚した。
カルシオンへの愛は今も大事に育っている。
まだ予定にはないけど、僕はそっとお腹を撫でた。
ーーーーーーーーーー
ここまで読んでいただきありがとうございます。
以上で完結となります。
誤字脱字がないか確認はしておりますが、ありましたら報告をいただけたら嬉しいです。途中手直しついでに加筆もするかもです。
感想もお待ちしています。
お付き合いいただきありがとうございました。
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