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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
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屋敷を出て、ひたすら歩いております。途中休憩を取りつつも、まだまだまだ歩きます。私、ロイさん、ダンさん、騎士の方8人で来ています。残り2人はお留守番です。
更に歩くと、
「アオイ、ここから先が深淵部だ。」
周りの木々と変わらない感じだが、ロイさんが指し示す方向は、空気が違うのを感じた。夏の明け方のような、冬の雪山のような清涼で濃密な空気だった。膜に覆われているかのように、一歩踏み出すと、全く違う森に感じられた。
この前は無我夢中だったから、気づかなかっただけかもしれない。
「空気が全然違う。」
「神樹のおかげだ。魔獣でも、この場所だけは荒らさなかったし、こちらから仕掛けなければ、素通りされる方が多かった。しかし、最近は仕掛けずとも襲って来るようになった。だから、引き続き、気を引き締めて行こう。」
騎士達も頷き、奥に進む。
歩いていて気が付いたが、深淵部に入ってから疲れなくなった。寧ろ足取りが軽い。この空気のおかげかな?と思った。
更に1時間歩いたところで、一旦休憩する。もう昼時だと思って、作ってきたおにぎりと玉子焼きのお弁当を出した。深淵部では火を使うことは厳禁と聞いていたので、せめて力つくものを。と思って作ってきた。
みんなは、干し肉やパンと水だけと思っていたから、物凄く喜ばれた。
おにぎりを食べていると、後ろから、枝が折れる音が聞こえた。振り向くと、白い豹がいた。
みんな一斉に剣を抜こうとしたが、ロイさんの合図で止まる。
「神獣だ。危険はない。」
白い毛並みが神々しい。初めて間近で見た豹、神獣はとても綺麗で、美しかった。恐怖はなかった。
みんな拝礼をしているが、神獣は私のところに来て何かを訴えているようだった。
「?おにぎり食べる?」
神獣が笑ったように見えたので、おにぎりを掌に乗せ、差し出した。
「手は食べないでね?」
美味しそうに食べてくれる。
「ん?玉子焼きも?」
掌に乗せると、一口でパクと食べる。
「美味しかった?そう、良かった。うん?うん、わかった。そう伝えるね。ロイさーん、この子道案内してくれるって言ってます。いいですよね?」
「ア、アオイ?神獣と話せるのか?」
「話せませんよ?」
「いや、会話が成立しているから。」
「雰囲気でわかりますよ?」
「そ、そうか。」
「で、いいですか?」
「ああ、お願いしよう。」
と、道案内をお願いした。
神獣は、私達にはなるべく歩き易い道なき道を案内してくれた。
そして、少し開けた場所に出たら、1本の大樹があった。神樹だ。
「なぁ。」
「何?…うん、わかった。」
ロイさん達には少し離れて待ってて欲しいと伝えて、私は神樹に近づく。
神獣が言ったように、両手で幹を触る。目を閉じて、少しずつ、魔力を流す。この国を守る大事な樹だ。この国でお世話になっている人達の顔を思い浮かべる。
陛下、ヴィー様、ジークハルト王太子殿下、コンラッド殿下、リー様、宰相、エリー様、クラスメイト、先生、ダンさん、マリアさん、ロバートさん、そして、ロイさん。
みんな、私に優しくしてくれた。この世界に来て、心が穏やかだった。
だから、みんなを守ってくれる神樹に力を。
祈りを込めて、魔力を流す。
どのくらい流したのかわからないが、ガクリと体が傾く。
あっ、倒れる。
って、思ったら、ロイさんが受け止めてくれた。
「あっ、…うっ。」
「無理に話さなくていい。…お疲れ様。」
私はきちんと流せたようだ。ニコッと笑ってから意識をなくしたようだ。
更に歩くと、
「アオイ、ここから先が深淵部だ。」
周りの木々と変わらない感じだが、ロイさんが指し示す方向は、空気が違うのを感じた。夏の明け方のような、冬の雪山のような清涼で濃密な空気だった。膜に覆われているかのように、一歩踏み出すと、全く違う森に感じられた。
この前は無我夢中だったから、気づかなかっただけかもしれない。
「空気が全然違う。」
「神樹のおかげだ。魔獣でも、この場所だけは荒らさなかったし、こちらから仕掛けなければ、素通りされる方が多かった。しかし、最近は仕掛けずとも襲って来るようになった。だから、引き続き、気を引き締めて行こう。」
騎士達も頷き、奥に進む。
歩いていて気が付いたが、深淵部に入ってから疲れなくなった。寧ろ足取りが軽い。この空気のおかげかな?と思った。
更に1時間歩いたところで、一旦休憩する。もう昼時だと思って、作ってきたおにぎりと玉子焼きのお弁当を出した。深淵部では火を使うことは厳禁と聞いていたので、せめて力つくものを。と思って作ってきた。
みんなは、干し肉やパンと水だけと思っていたから、物凄く喜ばれた。
おにぎりを食べていると、後ろから、枝が折れる音が聞こえた。振り向くと、白い豹がいた。
みんな一斉に剣を抜こうとしたが、ロイさんの合図で止まる。
「神獣だ。危険はない。」
白い毛並みが神々しい。初めて間近で見た豹、神獣はとても綺麗で、美しかった。恐怖はなかった。
みんな拝礼をしているが、神獣は私のところに来て何かを訴えているようだった。
「?おにぎり食べる?」
神獣が笑ったように見えたので、おにぎりを掌に乗せ、差し出した。
「手は食べないでね?」
美味しそうに食べてくれる。
「ん?玉子焼きも?」
掌に乗せると、一口でパクと食べる。
「美味しかった?そう、良かった。うん?うん、わかった。そう伝えるね。ロイさーん、この子道案内してくれるって言ってます。いいですよね?」
「ア、アオイ?神獣と話せるのか?」
「話せませんよ?」
「いや、会話が成立しているから。」
「雰囲気でわかりますよ?」
「そ、そうか。」
「で、いいですか?」
「ああ、お願いしよう。」
と、道案内をお願いした。
神獣は、私達にはなるべく歩き易い道なき道を案内してくれた。
そして、少し開けた場所に出たら、1本の大樹があった。神樹だ。
「なぁ。」
「何?…うん、わかった。」
ロイさん達には少し離れて待ってて欲しいと伝えて、私は神樹に近づく。
神獣が言ったように、両手で幹を触る。目を閉じて、少しずつ、魔力を流す。この国を守る大事な樹だ。この国でお世話になっている人達の顔を思い浮かべる。
陛下、ヴィー様、ジークハルト王太子殿下、コンラッド殿下、リー様、宰相、エリー様、クラスメイト、先生、ダンさん、マリアさん、ロバートさん、そして、ロイさん。
みんな、私に優しくしてくれた。この世界に来て、心が穏やかだった。
だから、みんなを守ってくれる神樹に力を。
祈りを込めて、魔力を流す。
どのくらい流したのかわからないが、ガクリと体が傾く。
あっ、倒れる。
って、思ったら、ロイさんが受け止めてくれた。
「あっ、…うっ。」
「無理に話さなくていい。…お疲れ様。」
私はきちんと流せたようだ。ニコッと笑ってから意識をなくしたようだ。
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