ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【2年生】

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『名前の由来?宿題かぁ。夏に産まれたから【夏子】。お前の名前を考える前に産まれてきて、考えてなかったんだ。2,000gもない未熟児だったんだ。本当に小さくて、毎日心配で病院に通ったよ。退院する前に役所に出生届出さないとで、考える暇がなかったから、安直でもいいから、【夏子】にした。夏が来て、向日葵が咲くと、夏子がここまで無事に育ってくれたんだって実感する。稲刈りが終わってから、やっと退院してきてくれた時は嬉しかった。』

父がこの話をしてくれた。
母に聞いても、名付けは父がしたとしか言わなかった。
育休が一般でなかった時代。私の退院より早く仕事復帰した母。
祖母の手で育てられたが、兄の面倒もあり、小さ過ぎる私は常に抱っこをしないといけなかったらしい。
成長が遅く、母と祖母に手が掛かったと言われた。
それでも父だけは、私の成長を見守っていてくれていたんだ、と思っていた。










コンラッド殿下から留学生の話を聞いた2週間後の休み明けに彼らはやってきた。
一卵性双生児のようで、そっくりで区別がつかない。多分入れ替わっても誰も気が付かないだろうというくらいそっくり。
ただ瞳の色が違った。
ユーリウス様が蒼色、アーリウス様が翠色。
でもいちいち瞳の確認をしていたら失礼なのだ。
しかも若い子の区別がただでさえ見分けがつかないおばちゃん。
ということで、関わらないのが良いという答えを出した。


「シュバルツバルト嬢は今日も走るの?」

「最近座学が多いので、身体を動かしたいんです。」

放課後、練武場の外でいつもの格好をしたアオイを見つけた元クラスメイトのアントンさんが話しかけてきた。

「1年生が入ってきたし、今日は殿下がいないから俺達と走らないか?」

「よろしいんですか?」

「こちらがお願いしたいんだよ。元クラスメイトはシュバルツバルト嬢にストレッチを教えてもらったけど、他クラスだった奴は話す機会がなかったから詳しいやり方を知らないんだ。だから教えて欲しいそうで。」

「そう言うことなら。」

と、騎士科の方を紹介してもらい、ストレッチ体操を教えた。
殿下やマクスウェル様がやっていたのを見様見真似でしていたが、効果が今一つわからないでいたらしい。

「踵の上に大事な腱があります。ここをよく伸ばしてあげないと、負荷が掛かり過ぎると切れてしまい、歩くのも困難になります。意識して伸ばしてください。」

「背中は見えない場所だから見落としがちですが、背筋がしっかりしていないと姿勢も悪くなります。こちらも意識して伸ばしてください。」

30分位時間かけて教えた。
終わる頃にはみんな身体が温まって、少し汗をかいている人もいた。

「以上になります。身体を動かさなかった日でもこれは毎日続けてもらえたら嬉しいです。」

「シュバルツバルト嬢、ありがとうございます。」

「殿下達がする理由がわかったよ。」

「程よく身体が解れていいな。」

「アントンさん、私、そろっと走りに行きます。」

「ありがとうございました。僕もついて行きます。」

練武場の外周を5回走り終わった頃には、日が沈みかけたので、今日はこれで解散となった。

騎士科の方達はみんな真剣に聞いてやってくれたのは嬉しかった。
部活の後輩指導の時は大変だったな、なんて少し高校時代を思い出した。






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