ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【2年生】

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ラングウェイ先生は、私が入ってきたのを確認すると、にんまりと笑った。

「私が誰か判った?」

「いえ、判りません。って言うか、私、貴方に興味がないから、知らなくてもいいです。」

「あら、おなつはこんなに冷たい子だったかしら?」

「私は【サトウナツコ】ではなく、アオイ=シュバルツバルトです。そして貴方の今は、レオナルド=ラングウェイでしょ、倉本悟くらもとさとる先輩。」

「……、ふふふ、正解。」

ラングウェイ先生は一瞬驚いたけど、直ぐに笑い出した。

「なんで判ったの?」

「【おなつ】なんて呼ぶの後にも先にも先輩だけなんです。」

「あらそうなの。」

「しかも【夏子】に優しくしてくれる男性は先輩だけですし。」

「相変わらず、おなつの周りは酷いままなのね。」

「でもここに来てから、あの扱いはなくなりましたよ。みんな優しいです。」

「ここでもそうだったら、私が成敗するわ。」

「先輩は変わらずかっこいいですね。」

「んふ、ありがとう。」


1コ上の倉本悟先輩。小学校から高校まで同じで、陸上部でお世話になっていた。
国立大学の医学部をストレートに合格するくらいには頭が良く、部活では部長を務めるほど人望も厚かった。
でも彼は、性同一性障害で悩んでいた。
心と身体の性が一致しない。
小学生の時からの付き合いの中の私にだけ打ち明けてくれた。
私も家庭状況の悩みを聞いてもらっていたから。
大学進学で一人暮らしとなった先輩のアパートで、一回だけ遊びに行った。
一人暮らしになって、やっと素の自分を出せた先輩。
可愛いブラウスやスカートを身につけて、私が持ってきた少ない化粧品でお互いをメイクした。
通販で頼むのが恥ずかしいからと、住所がアパートでも私の名前で買った女性服。
細身だけどしっかりと筋肉はついている。
似合う、似合わないと聞かれたら、似合っていなかった。
けれど、心から嬉しそうにしている先輩を見て、普通に綺麗だと思った。

そんな先輩は40歳過ぎに癌で亡くなった。
何度も見舞いに行った。
医者の不養生なんて言われたが、自分のことなんて二の次で、目の前の患者達を優先にしてきた人だから。



「私ね、ここに生まれ変わって良かった。今の両親は私の好きにさせてくれたの。また身体は男性になったけど、ここは同性婚も認められているから、女性の格好しても、変人扱いされないじゃない。そのままの私を受け入れてくれて有難いの。」

「うん、先輩が素のままでいられて良かった。」

「あとは彼氏を作るだけなんだけど、おなつ良い人いない?紹介して?」

「いやいや、私男嫌いなの知っているよね?!」

「それはクズ旦那のせいでしょ。でも、今は婚約者もちゃんといるって聞いているわよ。前は本当だったら、私おなつとなら結婚したのに。」

「ご両親に反対されたじゃないですか。カモフラージュにして結婚しようとしたけど、学歴ない私とじゃ認めないって。」

「あの頃は私も弱かったのよ。結局おなつを守れなかったって悔やんだわよ。」

「私は先輩のその気持ちだけで十分です。」

「でもまた会えて良かったわ。…しかもおなつは転生しても前と同じ顔ですぐにわかったわ。」

「私、転生でなく、転移です。夏子のまんまです。」

「あらあら、だったらなんで若返っているの?」

「そこは、神樹特典ということで。」

「まぁ、チートっていうやつ?」

「チートがわからないけど、多分。」

「他にもありそうね?」

「そこら辺は色々と察してください。」

「OK。おなつが言うなら。それはそうと、今度婚約者に会わせなさいよ。今度はちゃんと私が見極めるから。」

「再来週辺りに王城に来るって言っていたから、都合が合えば?」

「やだ、貴族なの?」

「公爵。」

「は?」

「公爵です。」

「はあぁぁ?!公爵?…今独身の公爵って王弟だけよね?」

「それです。」

「やだ、優良物件じゃない!っじゃなくて、身分とかで酷い目にあっていない?」

「あってないです。私も身分からいくとそれなりなので。」

「そう、なら良かった。…ちゃんと会わせなさいよ?」

「了解です。」

「あら、話し過ぎたわね。日が暮れる前に寮に戻った方がいいわ。気をつけて帰ってね。また遊びに来てね。」

「はい。また先輩に会いに来ます。」

「あら今は先生よ?」

「そうでした。先生、さようなら。」

「はい、さようなら。」

「「はははっ。小学生か!」」















ーーーーーーーーーー

終始会話だけの回になりました。読みにくかったらすみません。



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