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第78話
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◆神坂夏菜 視点◆
「中止ですか?」
「はい、本日理事会から生徒の安全を考慮し中止するようにと指示がありました」
冬樹とビデオチャットでやり取りした翌日、昼休みに校長先生からの呼び出しを受けていた。
「しかし、既に文化祭に向けて準備を始めています。
ご再考いただくことはできませんか?」
「神坂さんは弟が巻き込まれたからわかっていると思いますけど、一学期に起きた一連の事件で逮捕者が多数出ていて、今は風化しているものの一時期はSNSの影響でクレームの電話が多数寄せられました。
理事会と、私も同じ意見ですが、外部から来校者がある文化祭で再び話題にされトラブルが発生し生徒が危険に晒される可能性があると判断しています」
「校長先生の仰ることはわかりますが・・・」
「既に準備に着手していて、楽しみにしている生徒が多いことも重々承知しておりますが、それは納得してもらいたいです。
神坂さんの、生徒会執行部の負担にならない様に学校として私から全校生徒へ説明をしますので了承してください」
「・・・承知いたしました。
具体的にはいつ発表されるのでしょうか?」
「先程神坂さんが言ったように既に準備が始まっているので早い方が良いと思っています。
中止自体は本日の帰りのSHRで各クラスの担任から伝達してもらい、明日の朝臨時の全校集会を行い私が説明します。
無用の混乱を招かないため、それはまでは神坂さんも口外しないでくださいね」
校長先生の仰った通り帰りのSHRで文化祭の中止が発表され学校中が騒ぎになり、クラスの内外から生徒会長の元へ多くの生徒が詰め寄ってきた。
特に今は冬樹の冤罪を助長したという雰囲気で私への当たりがキツい生徒が多く暴言も投げかけられた。
「・・・言いたいことはわかる。私だって中止にしたいわけじゃない。
学校側へは私からもう一度掛け合うから落ち着いてくれ」
「もう一度!?
お前は知ってて黙っていたのかよ!」
「私だって知ったのは昼休みだ。その時にSHRで発表されるから言わないように言われていた」
「生徒会長様の特権かよ!」
「別に特権ではない。今の様な状況になる事を想定して先に知らせてもらっていただけだ」
「それが特権じゃないかよ!」
「学校に言われて黙って引き下がってきたのか!」
「おい、なんとか言えよ!」
後ろの死角から手を突き出されて押され、急だったので踏ん張りが効かず倒れてしまった。
ゴンッ!!
運悪く机の角に頭をぶつけてしまい、意識を失った。
◆神坂冬樹 視点◆
「ええ!?
救急車で?
それで、病院はどこなの!?
わかった、じゃあメッセージ待ってるわね、うん、それじゃあ」
美晴さんがかかってきた電話の応答で、誰かが救急車で病院へ運ばれてしまったという連絡を受けていた。
「あの、冬樹くん。夏菜ちゃんがね、学校で事故にあって頭をぶつけて意識を失って病院へ運ばれてしまったんだって」
「今の電話、姉さんの事だったんですね」
今は気不味い関係になってしまっているものの、姉さんは大事な家族だ。居ても立っても居られない。
「それで、どの病院かメッセージをもらうんですよね?
俺は行きます。姉さんのことが心配なので」
「そうよね。夏菜ちゃんのこと、心配よね。
わかったわ、私も一緒に行くから。
ただ、約束して。冬樹くんの具合が悪くなったら、ちゃんと言って。そして、そうなったらすぐに帰るって。
夏菜ちゃんのことはもちろん心配だけど、冬樹くんの事も心配なの」
「はい・・・約束します」
「じゃあ、春華ちゃんがメッセージをすぐに送ってくれるって言うからその間に出掛ける支度をしちゃいましょ。
あと、今出掛けてる赤堀さんにも留守にするってメッセージを送っておかないとね」
姉さんが運ばれた病室へ入ると母さんとハルも居た。
「姉さん、大丈夫?」
「冬樹、わざわざすまない。
来てくれたのは嬉しいが、大丈夫か?」
「俺は大丈夫だよ。それより姉さんはどうなの?」
「私は当たりどころが悪くて気を失ってしまったから救急車で運ばれたけど、検査して特に問題がないそうだ」
「夏菜は問題はないから念のため明日もう1度検査をして問題がなかったらそのまま退院できるそうよ」
「母さんの言う通り私は大丈夫だ。冬樹はお前の具合が悪くなる前に帰れ」
「せっかく来たんだし、少し話をさせてよ。美晴さんも一緒に来てくれたし、具合が悪くなったらすぐ帰るから」
「そうか、じゃあ少し話し相手になってくれ」
結局30分くらい病室に居て、母さんが病院の手続きをしている間ハルと美晴さんと4人で学校の話などをした。
また、何度も謝ろうとするので、もう受け入れたからこれ以上は謝らなくて良いと言ったら、姉さんもハルも泣き出して逆に困ってしまった。
美晴さんが居てくれたから良かったのか、姉さんが入院している状態だったからなのか具合が悪くなることなくお見舞いを終えることができた。
「中止ですか?」
「はい、本日理事会から生徒の安全を考慮し中止するようにと指示がありました」
冬樹とビデオチャットでやり取りした翌日、昼休みに校長先生からの呼び出しを受けていた。
「しかし、既に文化祭に向けて準備を始めています。
ご再考いただくことはできませんか?」
「神坂さんは弟が巻き込まれたからわかっていると思いますけど、一学期に起きた一連の事件で逮捕者が多数出ていて、今は風化しているものの一時期はSNSの影響でクレームの電話が多数寄せられました。
理事会と、私も同じ意見ですが、外部から来校者がある文化祭で再び話題にされトラブルが発生し生徒が危険に晒される可能性があると判断しています」
「校長先生の仰ることはわかりますが・・・」
「既に準備に着手していて、楽しみにしている生徒が多いことも重々承知しておりますが、それは納得してもらいたいです。
神坂さんの、生徒会執行部の負担にならない様に学校として私から全校生徒へ説明をしますので了承してください」
「・・・承知いたしました。
具体的にはいつ発表されるのでしょうか?」
「先程神坂さんが言ったように既に準備が始まっているので早い方が良いと思っています。
中止自体は本日の帰りのSHRで各クラスの担任から伝達してもらい、明日の朝臨時の全校集会を行い私が説明します。
無用の混乱を招かないため、それはまでは神坂さんも口外しないでくださいね」
校長先生の仰った通り帰りのSHRで文化祭の中止が発表され学校中が騒ぎになり、クラスの内外から生徒会長の元へ多くの生徒が詰め寄ってきた。
特に今は冬樹の冤罪を助長したという雰囲気で私への当たりがキツい生徒が多く暴言も投げかけられた。
「・・・言いたいことはわかる。私だって中止にしたいわけじゃない。
学校側へは私からもう一度掛け合うから落ち着いてくれ」
「もう一度!?
お前は知ってて黙っていたのかよ!」
「私だって知ったのは昼休みだ。その時にSHRで発表されるから言わないように言われていた」
「生徒会長様の特権かよ!」
「別に特権ではない。今の様な状況になる事を想定して先に知らせてもらっていただけだ」
「それが特権じゃないかよ!」
「学校に言われて黙って引き下がってきたのか!」
「おい、なんとか言えよ!」
後ろの死角から手を突き出されて押され、急だったので踏ん張りが効かず倒れてしまった。
ゴンッ!!
運悪く机の角に頭をぶつけてしまい、意識を失った。
◆神坂冬樹 視点◆
「ええ!?
救急車で?
それで、病院はどこなの!?
わかった、じゃあメッセージ待ってるわね、うん、それじゃあ」
美晴さんがかかってきた電話の応答で、誰かが救急車で病院へ運ばれてしまったという連絡を受けていた。
「あの、冬樹くん。夏菜ちゃんがね、学校で事故にあって頭をぶつけて意識を失って病院へ運ばれてしまったんだって」
「今の電話、姉さんの事だったんですね」
今は気不味い関係になってしまっているものの、姉さんは大事な家族だ。居ても立っても居られない。
「それで、どの病院かメッセージをもらうんですよね?
俺は行きます。姉さんのことが心配なので」
「そうよね。夏菜ちゃんのこと、心配よね。
わかったわ、私も一緒に行くから。
ただ、約束して。冬樹くんの具合が悪くなったら、ちゃんと言って。そして、そうなったらすぐに帰るって。
夏菜ちゃんのことはもちろん心配だけど、冬樹くんの事も心配なの」
「はい・・・約束します」
「じゃあ、春華ちゃんがメッセージをすぐに送ってくれるって言うからその間に出掛ける支度をしちゃいましょ。
あと、今出掛けてる赤堀さんにも留守にするってメッセージを送っておかないとね」
姉さんが運ばれた病室へ入ると母さんとハルも居た。
「姉さん、大丈夫?」
「冬樹、わざわざすまない。
来てくれたのは嬉しいが、大丈夫か?」
「俺は大丈夫だよ。それより姉さんはどうなの?」
「私は当たりどころが悪くて気を失ってしまったから救急車で運ばれたけど、検査して特に問題がないそうだ」
「夏菜は問題はないから念のため明日もう1度検査をして問題がなかったらそのまま退院できるそうよ」
「母さんの言う通り私は大丈夫だ。冬樹はお前の具合が悪くなる前に帰れ」
「せっかく来たんだし、少し話をさせてよ。美晴さんも一緒に来てくれたし、具合が悪くなったらすぐ帰るから」
「そうか、じゃあ少し話し相手になってくれ」
結局30分くらい病室に居て、母さんが病院の手続きをしている間ハルと美晴さんと4人で学校の話などをした。
また、何度も謝ろうとするので、もう受け入れたからこれ以上は謝らなくて良いと言ったら、姉さんもハルも泣き出して逆に困ってしまった。
美晴さんが居てくれたから良かったのか、姉さんが入院している状態だったからなのか具合が悪くなることなくお見舞いを終えることができた。
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