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3.アイドルになるために頑張ります
3-8.
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しばらくすると石けんはしっかり固まったようだ。
ここまでは簡単。
わたしはより宝石っぽさを出すために複雑な色味にしたい。
「固まったようですね。これを容器から取り出して、適当な大きさに切ってください。形がランダムになるように……。あ、そうです。バラバラな形になるように……。切ったものにさらにラメになる粉をまぶします」
「こうでしょうか?」
「リネット、上手よ。切った二色の石けんをコップに入れてください。そこに溶かした透明な石けんをかけます。バラバラの石けんくっつける接着剤のイメージです。ある程度熱が取れたら容器から出し、布で包んでしっかり押し固めて冷まします」
今回は試作なので二色にしたけれど、もう少し色があってもきれいだったかしら。
ビニール袋や紙コップがあると作りやすいんだけどなぁ。
このやり方でしっかりくっついてくれるかちょっと心配だ。
袋があれば袋に入れてギュウギュウとしっかり押し固められるのに。
「これで完成なの? そんなにきれいなものには見えないけど……」
「まだ最後の仕上げがあります。ずいぶん印象が変わると思いますよ。最後に出来た石けんを削ります。もう少し小さなものが良い場合が半分に切ってください。後は表面を削って面を作るだけです。イメージは宝石や鉱物っぽい感じになるようにランダムに面を作ってください」
表面を削る作業をしても石けんはバラバラにならない。ちゃんとしっかり固まってくれていたようだ。
「あら、表面を削るときれいね」
「わぁ、すごいです。最初は透明な石けんだったのに……。使うのがもったいないです」
「最後に軽く水で洗えば完成です! お母様、どうでしょうか?」
「すごいわ。とてもきれい。本当に宝石みたいね。それに良い香り。とてもめずらしいわ。これが石けんだなんて……」
「売れそうですか?」
「きっと売れるわ! でもカットするとかなり無駄な部分がでてしまうわね」
「また溶かして固めれば良いと思いますよ。型に透明な石けんを流し込んだものに小さな石けんを入れて固めても可愛いですし。今回は切った石けんをくっつけましたが型に少しずつ色の違う石けんを流して層にしていってもきれいだと思います」
「それは良いわね!」
「今日使ったラメを化粧品に入れるつもりです。ラメやパールを入れればアイシャドウやチークなどの種類がかなり増えると思います」
「楽しみだわ。でも無理をしては駄目よ。あなたはアイディアを出してくれれば良いの。面倒なことはわたくしたちに任せなさい」
「はい。またいろいろと相談させてください」
初めての宝石石けんづくりは無事成功で終わった。お母様もリネットも喜んでくれたようでわたしも嬉しい。
これと同じ要領でアロマキャンドルも良いかもしれない。
ドライフラワーや葉っぱをいれても良いし、グラデーションで色を工夫しても良いかも。細工職人に彫ってもらうのも良いわね。
まさか異世界に来て趣味、ハンドメイドみたいなことになるなんて思わなかったわ。
自分で手を動かしていないから正確には違うのだけど。
それにしても工房の職人さんは全くしゃべらなかったけれど、しゃべってはいけない決まりでもあったんだろうか。
挨拶はしてくれた。反応は返してくれるし、やって欲しいことは正確にやってはくれる。けれど、何も話さないのはちょっと変な感じがする。
もしかしてお父様のせい? そんなことないよね。
これからのことを考えると仲良くなりたいのだけど……。
よし、様子を見ながら少しずつ距離を詰めていこう。
ここまでは簡単。
わたしはより宝石っぽさを出すために複雑な色味にしたい。
「固まったようですね。これを容器から取り出して、適当な大きさに切ってください。形がランダムになるように……。あ、そうです。バラバラな形になるように……。切ったものにさらにラメになる粉をまぶします」
「こうでしょうか?」
「リネット、上手よ。切った二色の石けんをコップに入れてください。そこに溶かした透明な石けんをかけます。バラバラの石けんくっつける接着剤のイメージです。ある程度熱が取れたら容器から出し、布で包んでしっかり押し固めて冷まします」
今回は試作なので二色にしたけれど、もう少し色があってもきれいだったかしら。
ビニール袋や紙コップがあると作りやすいんだけどなぁ。
このやり方でしっかりくっついてくれるかちょっと心配だ。
袋があれば袋に入れてギュウギュウとしっかり押し固められるのに。
「これで完成なの? そんなにきれいなものには見えないけど……」
「まだ最後の仕上げがあります。ずいぶん印象が変わると思いますよ。最後に出来た石けんを削ります。もう少し小さなものが良い場合が半分に切ってください。後は表面を削って面を作るだけです。イメージは宝石や鉱物っぽい感じになるようにランダムに面を作ってください」
表面を削る作業をしても石けんはバラバラにならない。ちゃんとしっかり固まってくれていたようだ。
「あら、表面を削るときれいね」
「わぁ、すごいです。最初は透明な石けんだったのに……。使うのがもったいないです」
「最後に軽く水で洗えば完成です! お母様、どうでしょうか?」
「すごいわ。とてもきれい。本当に宝石みたいね。それに良い香り。とてもめずらしいわ。これが石けんだなんて……」
「売れそうですか?」
「きっと売れるわ! でもカットするとかなり無駄な部分がでてしまうわね」
「また溶かして固めれば良いと思いますよ。型に透明な石けんを流し込んだものに小さな石けんを入れて固めても可愛いですし。今回は切った石けんをくっつけましたが型に少しずつ色の違う石けんを流して層にしていってもきれいだと思います」
「それは良いわね!」
「今日使ったラメを化粧品に入れるつもりです。ラメやパールを入れればアイシャドウやチークなどの種類がかなり増えると思います」
「楽しみだわ。でも無理をしては駄目よ。あなたはアイディアを出してくれれば良いの。面倒なことはわたくしたちに任せなさい」
「はい。またいろいろと相談させてください」
初めての宝石石けんづくりは無事成功で終わった。お母様もリネットも喜んでくれたようでわたしも嬉しい。
これと同じ要領でアロマキャンドルも良いかもしれない。
ドライフラワーや葉っぱをいれても良いし、グラデーションで色を工夫しても良いかも。細工職人に彫ってもらうのも良いわね。
まさか異世界に来て趣味、ハンドメイドみたいなことになるなんて思わなかったわ。
自分で手を動かしていないから正確には違うのだけど。
それにしても工房の職人さんは全くしゃべらなかったけれど、しゃべってはいけない決まりでもあったんだろうか。
挨拶はしてくれた。反応は返してくれるし、やって欲しいことは正確にやってはくれる。けれど、何も話さないのはちょっと変な感じがする。
もしかしてお父様のせい? そんなことないよね。
これからのことを考えると仲良くなりたいのだけど……。
よし、様子を見ながら少しずつ距離を詰めていこう。
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