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ーーーーーーー
コポ……
コポコポ……
……ん……
……ここは……?
俺は随分と眠っていた気分だ……。
覚えているのは魔王様が直々に俺に死ぬ命令を下して……全身に痛みが走って……そこから意識が無くなったと記憶しているけれど……今は身体の痛みは無くなっている。
周りを少しずつ確認してみるとガラスの水槽の筒に俺は入れられているようだ。
ここは無重力の様に自分の身体がプワプワ浮いている。
もっとよく見ると俺は水の中にいて、さっき浮かんでいると思ったのは水の浮力のせいだったみたいだ。
口には空気が吸えるマスクが装着されているから、普通に息ができていた。
随分と俺の髪の毛が伸びたのか、身体と共に長くなった髪の毛もプワプワ浮きながら水槽の中で漂っている。
大きな水槽ガラスの向こう側……俺が入っている水槽の目の前には大きくて立派な椅子が1つあり、その先には魔王城の謁見の間の様に大きな会場が広がっていた。
目の前の立派な椅子には背の高い人族の様な高位魔族が座っている。
俺から見ると後ろ向きだから誰か確認出来ないけれど多分魔王様か、魔王様に次ぐ高位魔族の方だろう……
その魔王様の様な魔族がひと仕事を終わらせて席から立った後、振り返って俺の水槽の方に近づいて来る。
俺の知っている魔王様では無いみたいだなぁ……でも有名な側近達でもこの魔族の顔は見た事が無いけど……っとそう思いながら近づいてきた魔族をジッと見ていたらその魔族と目が合った。
「!!!!!」
すると俺と目が合った高位魔族が目を見開いて驚いて、自分の側近らしい人達に俺に向かって指を差しながら何か言っている。
その驚いていた魔族は俺を見ながら笑っている……俺に笑いかけてくれる人なんて今までムッチーしかいなかったからなんか嬉しかった。
その側近らしい人達もその笑っている魔族につられて俺をみるとまた目を見開いて驚いていた。
だんだん俺の入っている水槽の周りには人だかりが出来て、俺の水槽から水を抜く作業を開始した。
水が抜け始めると俺は力が入らずに、意識も朦朧としてしまいそのまままた意識を失ってしまった。
ーーーー
「ここは……」
「やっと目覚めたんですね。アイナ様!!お身体の具合はいかがですか……?」
次に目覚めたのはでっかくて大きなふわふわベッドの上だった。
直ぐに身体が動かせるならムッチーと一緒になってこのでっかいベッドの上で楽しくジャンプして遊びたくなっちゃうな。
あ……そうだ。
ムッチーとは俺からお別れの挨拶をして別れたっけ。
俺の一方的な別れで最後に見たムッチーは泣いていたけど、俺を恨んで大きく立派な魔族になっていると良いなぁ。
俺が寝ていたベッドの側にはさっき俺の身体を心配してくれた初老の男性が、俺に付き添って身体を診てくれていた。
とにかく診察されながらも一度死んだと思った自分が本当に生きている事に驚く……。
「本当に……魔王様から死ねと言われた俺が生きてる……もしかして貴方か、もしくは他の誰かが俺を助けてくれたんですか?」
コポ……
コポコポ……
……ん……
……ここは……?
俺は随分と眠っていた気分だ……。
覚えているのは魔王様が直々に俺に死ぬ命令を下して……全身に痛みが走って……そこから意識が無くなったと記憶しているけれど……今は身体の痛みは無くなっている。
周りを少しずつ確認してみるとガラスの水槽の筒に俺は入れられているようだ。
ここは無重力の様に自分の身体がプワプワ浮いている。
もっとよく見ると俺は水の中にいて、さっき浮かんでいると思ったのは水の浮力のせいだったみたいだ。
口には空気が吸えるマスクが装着されているから、普通に息ができていた。
随分と俺の髪の毛が伸びたのか、身体と共に長くなった髪の毛もプワプワ浮きながら水槽の中で漂っている。
大きな水槽ガラスの向こう側……俺が入っている水槽の目の前には大きくて立派な椅子が1つあり、その先には魔王城の謁見の間の様に大きな会場が広がっていた。
目の前の立派な椅子には背の高い人族の様な高位魔族が座っている。
俺から見ると後ろ向きだから誰か確認出来ないけれど多分魔王様か、魔王様に次ぐ高位魔族の方だろう……
その魔王様の様な魔族がひと仕事を終わらせて席から立った後、振り返って俺の水槽の方に近づいて来る。
俺の知っている魔王様では無いみたいだなぁ……でも有名な側近達でもこの魔族の顔は見た事が無いけど……っとそう思いながら近づいてきた魔族をジッと見ていたらその魔族と目が合った。
「!!!!!」
すると俺と目が合った高位魔族が目を見開いて驚いて、自分の側近らしい人達に俺に向かって指を差しながら何か言っている。
その驚いていた魔族は俺を見ながら笑っている……俺に笑いかけてくれる人なんて今までムッチーしかいなかったからなんか嬉しかった。
その側近らしい人達もその笑っている魔族につられて俺をみるとまた目を見開いて驚いていた。
だんだん俺の入っている水槽の周りには人だかりが出来て、俺の水槽から水を抜く作業を開始した。
水が抜け始めると俺は力が入らずに、意識も朦朧としてしまいそのまままた意識を失ってしまった。
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「ここは……」
「やっと目覚めたんですね。アイナ様!!お身体の具合はいかがですか……?」
次に目覚めたのはでっかくて大きなふわふわベッドの上だった。
直ぐに身体が動かせるならムッチーと一緒になってこのでっかいベッドの上で楽しくジャンプして遊びたくなっちゃうな。
あ……そうだ。
ムッチーとは俺からお別れの挨拶をして別れたっけ。
俺の一方的な別れで最後に見たムッチーは泣いていたけど、俺を恨んで大きく立派な魔族になっていると良いなぁ。
俺が寝ていたベッドの側にはさっき俺の身体を心配してくれた初老の男性が、俺に付き添って身体を診てくれていた。
とにかく診察されながらも一度死んだと思った自分が本当に生きている事に驚く……。
「本当に……魔王様から死ねと言われた俺が生きてる……もしかして貴方か、もしくは他の誰かが俺を助けてくれたんですか?」
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